アイちゃんのあかりを訪ねて

庄内で歴史と自然に触れる - 山形県編 -

日和山公園 − 酒田市 −


日和山公園から酒田港と日本海を望む


河村瑞賢像

酒田は、江戸時代に、河村瑞賢が酒田と上方を結ぶ西廻り航路を寛文12年(1672)に開いてから、北前船(千石船)の拠点として栄え、春になると大小廻船が出入りし、諸国からの荷でにぎわったそうです。当時は、「西の堺、東の酒田」といわれ、「鐙屋」「本間家」といった豪商が軒を連ねていました。今回アイが訪ねた日和(ひより)山公園は、酒田港を望む砂丘の高台にあるよ。

日和山は、かつて北前船の船頭たちが最上川と日本海を望む海路の日和を見た丘で、現在では一帯が公園として整備されていて、酒田市民の憩いの場になっているの。夕暮れ時には、最上川が注ぐ日本海を赤く染めて、太陽がゆっくりと沈んでいったけど、江戸時代には、たくさんの北前船が港を埋めていたんだなぁと思うと不思議な気がしました。

北前船の拠点 − 船の道標 −


常夜灯


北前船(千石船)

公園としての始まりは、文化10年(1813)に、酒田港に出入りしていた船頭衆と廻船問屋が、北国廻船の航海安全を祈願して灯台として常夜灯を設置したことからなの。船の道標として常夜灯には、夜毎、灯がともされたそうだよ。高さは約3mで、台座の周囲には西廻り航路寄港地の廻船問屋などの名が寄進者として刻んであるよ。公園内の日本海沿岸をかたどった修景池には、実物の半分に縮尺して再現した北前船(千石船)が浮かんでいます。元になった船は、寛政8年(1796)、高田屋嘉兵衛が酒田で建造したといわれる辰巳丸だそうです。


宮野浦灯台 2


宮野浦灯台 1

日和山公園でひと際、目を引くのが、白亜の木造六角洋式灯台(宮野浦灯台)。明治28年(1895)10月20日、最上川左岸河口宮野浦に竣工。酒田出身の大工棟梁佐藤泰太郎が手がけたそうで、石川県志賀町にある旧福浦灯台に次ぐ日本で2番目に古い木造灯台だよ。大正12年(1923)に北岸の大浜に移転し、老朽化のため、昭和33年(1958)高砂に近代灯台が完成すると同時に灯台としての役目を終え、ここ日和山公園内に移築保存されたそうです。

竣工当初は、灯台の光源は石油ランプだったそうですが、大正8年(1919)アセチレンガス明暗紅光に改良され、さらに大正14年(1925)電化されたんだって!高さは、12.83mで周囲は18.45m。ちなみに日本最古の木造灯台「旧福浦灯台」のある場所も、日和山と呼ばれる絶壁の上。日和山は灯台に関係した名称なのかなぁ?ちょっと疑問を抱いたアイでした。

日和(ひより)山公園

所在地
山形県酒田市南新町1丁目
電話
0234-24-2233 (酒田観光物産協会)