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アイちゃんのあかりを訪ねて

生活の中に生き続けた“ともしび” - 上田市編 -


通り門

「武石ともしび博物館」のある長野県上田市武石地区は、美ヶ原高原の東側に広がる地域。美ヶ原高原と美ヶ原から流れ出る武石川に沿って巣栗渓谷や福寿草の群生地など自然が豊かで、山からの澄んだ水が田を潤す明るく静かなところなの。中央道松本インター、JR松本駅より車で1時間。美ヶ原あるいは白樺湖からは40分ほどの武石バイパス沿いの美しい緑の山間に囲まれたところにある博物館が、武石ともしび博物館だよ!


伝承館より眺める昼景

博物館は、ともしびに関する体験学習、生活とともしび、ともしびの変遷と工夫をテーマとする体験館・伝承館・展示館の周囲の景観に調和するよう武石の養蚕農家をモチーフにした形態の3棟の建物を中心に、武家屋敷を思わせる入口の通り門・茶室・休息所などで構成され、日本庭園を配した学習と憩いの場所なの。博物館周辺にある木々や草花、遠くの山々までも借景としていて、各施設をつなぐ道は池を中心に、回遊しながらゆっくりと見学できるよ。

武石ともしび博物館

体験館 − “灯り”を作りだす −


通り門より体験館を望む

体験館では、体験学習として、火おこし、ろうそくづくり、角行灯などのキット組立ての3つのプログラムが用意されているよ。アイが訪ねたときは、中学生のグループが火おこしにチャレンジしていました。体験館での火おこしは、火打ち金・火打ち石による火打式発火法と舞いぎり式発火具による火切式発火法の2種類があったよ。

火打式発火法は、石の縁で鉄の刃をこするように、かちかちと打ちあわせて火花を出し火口に落とすと火種ができて、その火種につけ木をつけて炎を作るの。言葉でいうと簡単だけど実際見ていたら、火花はすぐに出るけど火種まで作るのはとても大変そうだったよ!


舞いぎり式発火具

舞いぎり式発火具は、木と木をこすりあわせて火をおこすのだけど、こちらも見ているだけで難しそうだったよ。発火具の本体にひもを巻きつけて回転。煙はすぐ出るけど、実際にけずり粉の中に火種が出てくるまでは微妙な力加減が必要みたい。火種が出来たら、松脂の付いた薄く切った木片に火が消えないうちに火種をのせるんだよ。

火がおこるときの独特の匂いがはるか昔の時代への郷愁を感じさせてくれるよ。人類が初めて手にした灯り=炎。灯りの歴史は60万年前に遡るといわれているけど、最初に炎を作り出したヒトは、一体、炎のきらめきの中に何を見出して、感じたのかな?・・興味がつきないアイでした。


火をおこす


火おこし体験コーナー


火打石の原石

体験館では他にも、「マッチ」工業の推移をラベルの展示で表す「奥村栄市氏マッチラベルコレクション」や、燃えない陶器を素材に使った「やきものの灯火器」や、「世界の灯火器」が展示されていて興味が尽きないよ。マッチラベルは時代の変遷とともに、その時代の影を色濃くうつしだしているし、世界の灯火器は、国ごとにその国の特長をユニークにうちだしていて面白いよ。

世界の灯火器


世界の灯火器


ネパール


シンガポール


インド


オーストラリア


スイス

伝承館 − 映像を通して灯りを知る −


伝承館入口


農家を復元したコーナー

真っ暗な館内に入るとすぐに、シンプルな灯火器にスポットがあたり、幻想的な世界に引きこまれるよ。「暮らしとともしび」・「祭りと火」をテーマにした映像が、200インチの大画面と音楽でスタート。スクリーンを挟んで両側には、農家と商家を復元したコーナーに灯火器が設置されて、物語り風に工夫を凝らされた照明の中で角行灯や丸行灯、燭台が当時生き生きと生活していた人々の暮らしを伝えているよ。

長い歴史の中で、ともしびがどのように移り変わってきたのかと、そこに加えられた先人の英知と感性の豊かさを映像や灯火器を見ながら具体的に理解できるスペースなの。

展示館 − ほのかな明かりの中に浮かぶ灯火器 −


展示館 昼景

照明を落とした展示館にはいると、数々の灯火器が、ほのかなあかりの中に浮かんでいたよ。「灯火の変遷」と「灯火の工夫」をテーマに、約300点の灯火器・関連する版画や図書などを燃料別・用途別に分類して常設展示しているの。テーマ別に解説してくれる映像もあるからアイにもとってもわかりやすかったよ。

“灯火の変遷”では、「発火・着火」、「自然物」、「灯油」、「ろうそく」、「石油」、「ガス・電気」、“灯火の工夫”では、「置く」、「掛ける・釣る」、「持つ」、「祭祀」、「携える」に分類されていて、暗闇の中で人々に勇気や希望を与えてくれる力強い火こそが、「ともしび」なんだと実感するよ。「ともしび」と人間の生活との深い関わり、光と影が作り出す不思議な世界を十分に堪能することが出来たかなぁと、アイは満足感いっぱいで「ともしび博物館」をあとにしました〜。

灯火の変遷


自然物


発火・着火


灯油


ろうそく

灯火の工夫


置く


掛ける・釣る


持つ


祭祀

キャッチ☆アイ

素敵なデザインの灯火器の中から、アイが気に入ったものを紹介するよ。

ねずみ短けい

前にも紹介したことがあるけどこちらは、現代版のねずみ短けいだよ。上部にねずみの形の給油タンクがついてるの。

無尽灯

大隈源助の発明品で、「ねじ」でピストンをあげて、芯に油を補給するものなの!

燭台

遊具の独楽をモチーフにしていて、とても素敵。

ガラス燭台

バネでろうそくが押し上げられ、炎の高さが常に一定になるアイディア商品だよ。

夜学灯

中に火皿を入れて、明るくするときは底部を上にのせて使うの。

瓦灯(かとう)

人が起きている間は釣り鐘形をした素焼きの陶製の器の上で火を灯し、寝るときは火皿を釣り鐘の中に納めるような構造になっていて、江戸庶民の間で広まったそうだよ。

反射板付灯台

描かれた絵から、“眠り灯台”と呼ばれているの。

小田原提灯

現代でいえば懐中電灯になるのかなぁ?折りたためるから携行に便利だったの。

上田市 武石ともしび博物館

所在地
長野県上田市下武石1902
電話
0268(85)2474
開館時間
午前9時 〜 午後4時
休館日
毎週月曜日・祝休日の翌日・冬期(12月29日から3月31日)
入館料
大人400円(小中学生200円)

取材協力:武石ともしび博物館

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