アイちゃんのあかりを訪ねて

忘れかけていた日本の風景をノスタルジックに再現 - 高松市編 -

四国村(四国民家博物館)

人と自然が共存共栄していた生活



わら家(うどん)

香川県高松市の北東部、壇ノ浦の戦いで有名な屋島の南山麓にある、古い民家や蔵や民具類を移築・復元した四国民家博物館。「四国村」の愛称を持つこの博物館の広大な敷地に、四国各県から移築された江戸時代から明治時代の民家33棟が当時のままの姿で復元され、そのいずれもが、国、香川県、高松市指定の文化財に指定されているんだよ。民家内には民具や漁具など約1万点が展示されていて、当時の暮らしぶりに触れることができるんだぁ。

「四国村」は忘れかけていた日本のふるさと、日本の風景に出会える場所!入村の前にまずは入口近くの江戸時代末期のわら葺農家を移築したという、うどんの「わら家」で腹ごしらえ。アイはざるうどんを注文し、具無しの薬味のみでツルツル!うどんにうるさい讃岐人にも「おいしい」との評判のお店なの。


四国村料金所(浜田の泊屋)

料金所を兼ねた入口の建物は、高知県宿毛にある国の重要有形民俗文化財を模した入母屋造桟瓦葺高床式の「浜田の泊屋(とまりや)」。土佐の若者組の宿泊所で15才になった男性がタノミザケを二升持参して若者組に仲間入りし合宿して先輩に鍛えられたそうだよ。入村すると右手に徳島県祖谷(いや)川に架けられた日本三奇橋の一つ、かずらの橋を復元したミニかずら橋。池の上に架けられ高さはあまりないけど、割木をかずらで編んだ足場は所々隙間が広くて、踏み外したら池に落ちそうでドッキドキ!ハイヒールやブーツは勇気がいるかも〜。


小豆島農村歌舞伎舞台

石畳の坂道を登り、左に折れる細い階段を進み、眼前に広がるのが「小豆島農村歌舞伎舞台」。文久3年(1863)に建築され、小豆島から四国村に移築復元された香川県でも数少ない現存する歌舞伎舞台の一つ。役者は漁民や農民など地元の人たちで、厳しい労働に明け暮れた島民にとっての最大の娯楽が、春秋の祭りに開かれた島歌舞伎。約千人が観覧できるコロシアム形式の観客席に座って舞台を眺めていると今にも笛や太鼓、三味線などの囃子が聞こえてくるような錯覚に陥りそうになりました。

旧河野家住宅は、18世紀前半ごろ愛媛県南部の深い谷間の急斜面に建てられた入母屋造茅葺民家で、規模は間口6間、奥行き3間半。特徴的なのは、竹が敷き詰められた室内と各部屋に切られた囲炉裏。山間の寒さを象徴している造りともいえるね。土間には和紙の原料にする楮(こうぞ)を蒸す大きな釜が・・?田畑だけでは食べていかれなかったので副業としてこうぞの栽培を行っていた名残なのかな?他の民家でもそうだけど、自然の厳しさ、優しさと、そこで暮らしていた人たちの生活の証が、黒光りした柱の傷や並べられている民具一つひとつに感じられたよ。物質文明に慣れきった現代人にとって、人と自然とが共存共栄していた昔の人たちの生活の有様は、まさに「心のふるさと」という言葉がぴたりとあてはまるなぁとアイは思いました。


旧河野家住宅 外観


旧河野家住宅 民具 & 蒸釜


旧河野家住宅 らんぷ & がすらんぷ


砂糖〆小屋 外観


砂糖〆小屋 内部

砂糖〆小屋は丸い、わら葺なのにとんがり屋根のかわいらしい建物で、香川県内に2棟しか現存しない世界的にも珍しい円錐形の屋根裏と垂木の組合せなの!


南与の茶堂

腕木を牛に引かせて建物の中をぐるぐる廻って石臼を回転させ、サトウキビを搾ったそうだよ。牛の回転にあわせたから建物が円錐形なのだぁ!昔の人のセンスにアイも脱帽。茶堂は、愛媛県北宇和郡の古い道沿いに建てられていたお堂で、お盆や地蔵盆、弘法様の命日などに道を通る人に湯茶などの接待や、お遍路さんの休み場にもなったそうで、四国の古い街道沿いにあちこち建てられていたんだって。