ライティング講座(照明講座)
照明の基礎知識
グレア評価 - 不快グレアの評価
関連資料
- JIS Z 9110:照明基準総則(2024)
- ISO 8995:The lighting of indoor work systems(1989)
(1) UGR (Unified Glare Rating)
暫定CIE法(CGI)に代わって1995年にCIEが推奨した方法です。数値が小さいほどグレアが少ないことを示し、BGIとほぼ同じ意味をもつとされています。UGRの方が約3単位高くなるという研究もあります。
(一社)日本照明工業会が発行している「JCIE-002 屋内作業場の照明基準設計ガイド」によると、UGRの設計値はUGRLより3を超えない範囲で設定するのが妥当であるといえます。
\( UGR=8 \log \displaystyle \left( \frac{0.25}{L_{b}} \Sigma \frac{L^2 \omega }{P^2}\right) \)
- \( L_{b} \)
- 背景の輝度 cd/m²
- \( L \)
- その環境にある各照明の発光部分の輝度 cd/m²
- \( ω \)
- 光源の立体角 sr
- \( P \)
- 光源の位置指数 m
また、\( L_{b} \)は下記で表されます。
\( L_{b}=\dfrac{E_{i}}{\pi} \)
- \( E_{i} \)
- 観察者の目の位置での間接照度 ℓx
UGR段階 | グレアの程度 |
---|---|
28 | ひどすぎると感じ始める |
25 | 不快である |
22 | 不快であると感じ始める |
19 | 気になる |
16 | 気になると感じ始める |
13 | 感じられる |
10 | 感じ始める |
(参考文献 JIS Z 9110:照明基準総則(2024))
(2) 輝度制限法
図4.1 輝度制限法
この方法は、照明器具単位のグレアの程度を表そうとするもので、鉛直角45°以上の照明器具の輝度制限値を定める方法で、ISO 8895 (The lighting of indoor work systems)に示されています。また、公共施設用照明器具のグレア分類は、これが基礎になっています(図4.1~図4.3)。
(参考文献 ISO 8995:The lighting of indoor work systems(1989))
図4.2 長辺が視線に直角に取付けられ、側面から光が出ている照明器具に対する限界輝度
図4.3 長辺が視線に平行に取付られた照明器具及び、側面から光が出ていない器具に対する限界輝度
(参考文献 ISO 8995:The lighting of indoor work systems(1989))
(2025年4月25日入稿)
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