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施設報告

新東名高速道路の分合流部の照明設備 - 5車線道路幅員に対応した納入例 -

国内営業本部 東日本技術設計センター
国内営業本部 東京広域営業所 第一営業課

キーワード

新東名高速道路,5車線道路対応道路照明,分合流部,漏れ光対策

1.はじめに

新東名高速道路(御殿場JCT~三ケ日JCT間)が2012年4月14日に開通した(図1)1)。構想から20年以上の歳月をかけての開通であり,高速道路開通史上最長の162kmの開通であった。新東名の開通により,現在の東名と新東名のダブルネットワークが形成され,災害等緊急時の代替路線の確保や緊急輸送路としての機能が出来上がった。

図1 新東名高速道路 御殿場JCT~三ケ日JCT間の概要図

図1 新東名高速道路 御殿場JCT~三ケ日JCT間の概要図

実際に,2011年3月11日に起きた東日本大震災では,東名の一部が一時通行止めになり,それに代わる緊急の交通路として,まだ工事中であった新東名を使用して被災地に向かったという事である。又,中日本高速道路(株)の調査によると,開通後の静岡県内の東名高速道路における渋滞も減ったという事である。

このたび,高速道路の分合流部の照明について,3車線+ゼブラ+分(合)流車線の計5車線分の車道幅員に対応する配光を持った道路照明設備を納入したので,以下にその概要を報告する。

2.照明設計

2.1 照明設備の概要

最近の高速道路照明では,本線上の連続照明を控える傾向にあり,局部照明の本線分合流部やランプウェイなどに設置箇所が限定されている。光源の白色化(=セラミックメタルハライドランプ化)の流れの中,新東名の幅員構成に対し旧TYPE V型(H754)による高ワットランプとの組み合わせは不可能となり,一般型(B)(パズー™;H7733・H7133)の器具による対応が必要となった。又,照明柱の取り付け間隔を伸ばす為,照明柱1基に照明器具を2灯設置している。

2.2 照明器具設計

本施設は,高速道路本線上の施設であり,納入するに当り,特記仕様書に記載された性能指標を事前に机上の計算で満足する必要があった。その性能指標は照明率,総合均斉度及び車線軸均斉度について基準が決められているが,通常と異なり各車線において各々の数値の決まりがあり,この数値を満足するには非常に厳しい配光制御が求められるものであった。特記仕様書に記載されていた性能指標及びそれを算出する照明設置条件をそれぞれ表1,図2に示す。

表1 特記仕様書に記載の性能指標
性能指標項目 観測点 評価対象範囲 基準値
照明率 - a+b+c+d+e U≧0.36
  a U≧0.08
  c+d+e U≧0.21
  d+e U≧0.12
総合均斉度 A0 a+b+c UO≧0.4
C0 a+b+c+d
D0 c+d+e
E0 d+e
車線軸均斉度 A0 a Ul≧0.7
C0 c
D0 d
E0 e
図2 道路断面及び平面図

図2 道路断面及び平面図

各インターチェンジ,ジャンクション,サービスエリア,パーキングエリア等の設置場所の周辺環境により,3タイプの照明器具を納入している。一般型,周辺の民家及び農作物への光漏れの軽減の為の後方カット型,さらに清水PAにはデザイン型照明器具が使用されている。各施設に納入した器具の種類と基数を表2に,器具外形・構造図を図3~図5にそれぞれ示す。

表2 各施設における照明器具タイプ及び基数
施設名称 照明器具タイプ 基数
1灯用 2灯用
御殿場JCT 一般型 2 -
長泉沼津IC 一般型 4 21
沼津SA 一般型 4 16
新清水IC 一般型 - 16
清水PA デザイン器具 64 -
清水JCT 一般型 - 21
新静岡IC 一般型 - 33
後方カット型 - 11
静岡SA 一般型 - 42
藤枝岡部IC 一般型 - 42
藤枝PA 一般型 - 13
後方カット型 - 29
浜松浜北IC 一般型 - 7
後方カット型 45 14
浜松SA 一般型 - 42
三ケ日JCT 一般型 - 8
後方カット型 - 8
図3 一般型照明器具外形・構造図

図3 一般型照明器具外形・構造図

図4 後方カット型照明器具外形・構造図

図4 後方カット型照明器具外形・構造図

図5 デザイン型照明器具外形・構造図

図5 デザイン型照明器具外形・構造図

2.3 各器具による性能指標算出結果

特記仕様書に記載されていた性能指標を満足する為,特殊な反射板を製作し、度重なる配光測定を行った結果,数値を満足するものを製作することができた(器具構造は特許出願中)。その特殊な反射板の器具構造図,写真を図6~図8に、また性能指標の算出結果を表3に示す。

図6 器具構造図

図6 器具構造図

図7 下側反射板(写真)

図7 下側反射板(写真)

図8 上側反射板(写真)

図8 上側反射板(写真)

表3 各照明器具の性能指標計算結果
性能指標
項目
観測点 評価対象
範囲
基準値 一般型 後方
カット型
デザイン
器具
照明率 - a+b+c+d+e U≧0.36 0.383 0.411 -
a U≧0.08 0.080 0.082
c+d+e U≧0.21 0.229 0.254
d+e U≧0.12 0.131 0.149
総合
均斉度
A0 a+b+c UO≧0.4 0.677 0.697 0.825
C0 a+b+c+d 0.557 0.598 0.672
D0 c+d+e 0.419 0.500 0.625
E0 d+e 0.499 0.581 0.693
車線軸
均斉度
A0 a Ul≧0.7 0.733 0.741 0.854
C0 c 0.702 0.700 0.858
D0 d 0.847 0.806 0.780
E0 e 0.777 0.839 0.814
  • ※:デザイン器具については照明率は考慮しないものとする。

参考文献

  1. 中日本高速道路株式会社 ホームページ

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