施設報告

ナショナルトレーニングセンター(屋内トレーニング施設)の照明設備
- 大規模屋内スポーツ施設納入例 -

営業本部 東日本営業部 東日本技術設計センター

キーワード

ナショナルトレーニングセンター,大規模屋内スポーツ施設,セラミックメタルハライドランプ,キャットウォーク器具,電動昇降式ダウンライト

3.設備概要(つづき)

以下に,各施設を抜粋して紹介する。

3.1 共用コート(高天井施設)

共用コート等の比較的天井の高い施設には,メタルハライドランプ1kWを採用している(図2)。各施設の平均照度は,1200~1500ℓxが確保されている。

照明器具は,天井に設けられたキャットウォークを利用して設置しており,キャットウォーク側からランプ交換が行なえるような構造となっている(図3)。これにより,安全に保守点検が行なうことができる。また,器具の前面には,選手へのグレア等に配慮してガード付型押し強化ガラスを装着している。

3.2 柔道場(低天井施設)

柔道場等のような比較的天井高さが低い施設には,セラミックメタルハライドランプ360W電動昇降装置付ダウンライトを採用している(図4)。高効率でかつ演色性に優れた光源を採用することにより,十分な照明環境を確保しつつ,省エネにも配慮している。また,電動昇降装置付とすることにより選手が使用する畳等を傷つけることもなく,ランプ交換を行なうことができる。器具前面には,やはり選手へのグレア対策として,型押し強化ガラスを装着している。各施設の平均照度は,1200~2000ℓxが確保されている。

3.3 テニスコート(ドーム施設)

テニスコートの照明には電動昇降装置付のテニスコート専用器具(メタルハライドランプ1kW)を採用している(図5)。ナショナルレベルコートで平均照度1200ℓx,一般レベルコートで1400ℓxを確保している。また,電動昇降装置付ハロゲンランプ500Wを設置,これにより,選手が試合中に経験することがある西日等のグレアを模擬的に再現している。

3.4 卓球場(低天井施設)

照明は,FHF32W×4灯用埋込形蛍光灯(白色ルーバ付)を採用している(図6)。選手が行なう投げ上げサーブ等に配慮してコートの真上には照明を配置しないようにしている。コート数を増やして使用する場合にも,点滅によりコートの真上の照明を点灯させないようにしている。10面使用の場合の平均照度は,1500ℓxが確保されている。

また,照明器具は,光センサーによる初期照度補正を行なっており,省エネにも配慮している。

4.おわりに

今回,国内トップレベルのスポーツ競技者が利用するナショナルトレーニングセンターの屋内トレーニング施設に当社の照明器具を納入した。昨年の暮れより北京オリンピック直前まで多くの競技者に利用され,彼らのトレーニングのサポートとなったのではと考える。今後も,多くの競技者のトレーニングの手助けとされる施設となることに期待する。

最後に,本施設の完成にあたり,竣工迄,御指導・御協力いただいた関係各位に深く御礼を申し上げる。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第19号掲載記事に基づいて作成しました。
(2008年11月4日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。