施設報告

千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)の照明設備 - Jリーグスタジアムの照明 -

国内営業事業部 営業技術部 中央技術設計センター
国内営業事業部 関東技術設計センター
光源事業部 光源開発部 回路技術グループ

キーワード

千葉市蘇我スポーツ公園,サッカー専用球技場,Jリーグ,瞬時再点灯,照明制御システム

3. アリーナ照明設備

3.1 照明計画

本施設のナイター照明計画にあたっては,以下のようなコンセプトにて計画を行った。

  1. サッカーJリーグの試合が開催できる明るさを確保するとともに市民利用にも対応できること。
  2. サッカーJリーグ等のTV放映(ハイビジョン放映)にも対応できる演色性を有すること。
  3. 選手・審判・観客のグレアを軽減すること。

3.2 照明設備の概要

照明の配置はメインスタンド及びバックスタンド,一部サイドスタンド屋根上に設けられたキャットウォークを利用したサイド照明方式である。

競技場照明器具には,新型投光器アクロスター™の増反射膜付投光器とパワービーム一般タイプと瞬点タイプが採用されており,ランプは高演色メタルハライドランプ1.5kW(クウォーツアーク®)と高演色ショートアークメタルハライドランプ2kW(クウォーツアーク®)が採用されている。

使用頻度の高い公式競技(500ℓx)以下の点灯レベルについては長寿命である高演色メタルハライドランプ1.5kW(クウォーツアーク®),Jリーグ等のTV放映のあるような使用頻度の低い点灯レベルについては効率良く照明するために高演色ショートアークメタルハライドランプ2kWを使い分けることによりランニングコストの低減を図っている。

また,万が一フィールドの照明が停電などにより消灯した場合,観客のパニックを防ぐために一部の照明器具に瞬時再点灯タイプを採用することにより,全点灯時の1/100の明るさを確保している。

表1に照明設備一覧,表2に点灯パターン一覧,図3,図4にJリーグパターン時の照度分布図,図5,図6,図7にJリーグパターン時の夜間点灯状況を示す。

表1 照明設備一覧表
区分 フィールド照明 保安照明 屋根ライトアップ
器具 パワービーム アクロスター™ JDF1002SX H8420
HSF224
HSF225
HSF224
ルーバ付
HSF225
ルーバ付
HSF232
瞬点型
H5303DX
H5303SX
H5303DX
ルーバ付
H5303SX
ルーバ付
ランプ MSD2000BED-I MSD2000BED-I MSD2000BED-I MT1500B-D MT1500B-D JD110V1000W/I M400LS/BH
安定器 同上用415V
(SUS)
同上用415V
(SUS)
同上用200V
(SUS)
同上用415V
(SUS)
同上用415V
(SUS)
- 同上用200V
(SUS)
メインスタンド 30台 - 24台 42台 - 10台 スタンド柱および
メインスタンド
建屋上部に取付
バックスタンド 30台 - 24台 42台 - 10台
サイドスタンド
(右)
- 18台 - - 12台 8台
サイドスタンド
(左)
- 18台 - - 12台 8台
数量 60台 36台 48台 84台 24台 36台 48台
144台 108台
表2 点灯パターン一覧表
点灯パターン 照明範囲および照明面積(m²) 設計照度(ℓx)
Jリーグパターン
(全点灯)
サッカーコート全体
7140(68m×105m)
水平面 1500
鉛直面 1400
公式競技1000ℓxパターン 水平面 1000
公式競技500ℓxパターン 水平面 500
一般競技200ℓxパターン 水平面 200
レクリエーション100ℓxパターン 水平面 100
残置灯パターン 水平面 50
半面500ℓxパターン サッカーコート半面
3570(68m×52.5m)
水平面 500
半面200ℓxパターン 水平面 200
半面100ℓxパターン 水平面 100
半面残置灯パターン 水平面 50

図5  夜間点灯状況(Jリーグパターン):
メインスタンドより

図6 夜間点灯状況(Jリーグパターン):
コーナーより

図7  夜間点灯状況(Jリーグパターン):サイドスタンドより


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