Home > IWASAKIテクニカルレポート > 技術資料 > 屋外テニスコート用LED投光器

技術資料

屋外テニスコート用LED投光器 - LEDioc TENNISTER™ -

株式会社アイ・ライティング・システム 開発部 第一開発課 野本 大輔

キーワード

アイ テニスター®,LEDioc TENNISTER,LED,スポーツ照明,長寿命,省エネ

1.はじめに

2011年の東日本大震災以降,日本国内では急速にLED化が進み,2015年からプロ野球スタジアムへもLED投光器が導入されるなどLEDの高出力化が進んでいる。2013年以降,当社も大型のスタジアム照明などの主にスポーツ照明をターゲットとしたLEDioc FLOOD DUELL™(メタルハライドランプ700W・1kW・1.5kW,2kW相当品)を発売し,好評を得ている。

屋外スポーツ施設は,野球場やサッカー場,陸上競技場,学校グランドやテニスコート等があり,その施設に適した照明が要求される。その中でもテニスコートは,競技レベルの大型コートだけでなく,市民レベルのコートが市街地にも多数存在する。市街地のテニスコートは,近隣の住宅等が周辺にあることから,上方と外部への漏れ光を抑えた配光性能が必要となる。従来のHID投光器では,テニスコート専用配光を持つメタルハライドランプ1kWのアイ テニスター®をラインアップしてきたが,LED投光器としてはLEDioc FLOOD DUELLを含めHIDテニスターの配光を満足しない。そこで,このHIDテニスターの代替となる商品を,長寿命なLEDで大幅な省エネを達成すべく,商品開発を進めた。本稿では屋外テニスコート用LED投光器 LEDioc TENNISTERについて紹介する。

2.商品概要

本商品は,矩形LEDユニット2個をベースに構成している。図1に外観図,図2に外形図,表1に商品特性,表2に商品構成を示す。

図1 外観図

図1 外観図

図2 外形図

図2 外形図

表1 商品特性
形式 E35501/NSAJ2
本体:E35501/N
電源ユニット:LE474230HS2/2.4-B1
入力電圧 200~242V
入力電流 2.53A(200V),2.07A(242V)
周波数 50/60Hz共用
器具光束 60000ℓm
消費電力(最大) 500W(200V),497W(242V)
消費電力(平均) 455W(200V),452W(242V)
固有エネルギー消費効率 120.0ℓm/W(200V),120.7ℓm/W(242V)
LEDモジュール寿命 40000時間(光束維持率85%)
光源色 昼白色タイプ(5000K相当)
平均演色評価数 Ra70
表2 商品構成
名称 材質・仕様
本体 鋼板(SUS430)
LEDユニット アルミダイカスト(アクリルカバー付)
前面カバー ポリカーボネート(透明)
仕上色 本体:シルバー,LEDユニット:ブラック
使用温度範囲 -10℃~+35℃
質量 22kg(投光器本体)

3.特徴・機能

3.1 配光制御

図3 配光制御イメージ

図3 配光制御イメージ

従来のHIDテニスターは,上方光の光を抑えた高照明率の配光性能を持った照明器具である。LEDioc FLOOD DUELLシリーズのような対称配光では,上方向の光を抑えると効率が落ちてしまうため,器具を上方へ向けずに前方へ光を供給する前進配光が必要となる。

HIDランプの光は360°全周方向に光を出すのに対し,LEDユニットの光は片側の180°のみとなる。本来であれば,光軸方向へLEDを垂直に向けることが最も有効であるが,本器具は上方光をカットする必要があるため,LEDの取付角度(器具取付角度)を17.5°とし,LEDから出た光を反射で40°前進させ,合計57.5°前進させた配光制御を行っている。

このような専用反射鏡を開発することで,従来のHIDテニスターと同様に上方向の光を抑えるとともに同等の照明を実現し,さらにLEDの直射光が直接見える範囲を大幅に狭くすることで,プレイヤーへのグレアを抑える構造とした。図3に配光制御イメージを示す。

3.2 配光性能と省エネ効果

前述の配光制御方法のLEDユニットを2個使用し,適切な配光と明るさを作り出すことで,従来のHIDメタルハライドランプ1kW適合 アイ テニスターと同等の照明をLED500Wで実現した。これにより,HIDからLEDへ同じ配置で1対1の置き換えができ,約58%の大幅な省エネを可能とした。図4に照度分布図の一例を示す。

図4 照度分布図(LEDioc TENNISTER)

図4 照度分布図(LEDioc TENNISTER)

3.3 その他の省エネ効果

本商品は,

  • 適合電源は初期照度機能付きで,省エネ効果をアップさせる。
  • 瞬時点灯,瞬時再点灯が可能で,こまめなON-OFFが可能となる。

という機能と特徴があり,より大きい省エネ効果を生み出すことが可能となる。

4.おわりに

今回は,従来のHIDから約58%省エネを可能とするLEDioc TENNISTERを紹介した。LEDは省エネの代名詞となっているが,省エネ効果が高くても人に違和感や悪影響を与えてはいけない。また,明るさ以外でも従来と同等以上の照明環境を作り出す必要があると考える。

2020年の東京オリンピックを迎えるに当たり,今後もより一層,省エネ効果だけでなく使用する人の立場になった光環境を提供できるLED照明器具の商品開発をしていきたい。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第33号掲載記事に基づいて作成しました。
(2015年11月26日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている情報は、原稿執筆時現在の情報です。ご覧になった時点では内容変更、取扱い中止等がされている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

このページの先頭へ