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施設報告

古川橋駅桑才線道路の照明設備

国内営業部 西日本技術設計センター 鎌田 智行
国内営業部 大阪営業所 第一営業課 横山 晋介

キーワード

古川橋駅桑才線道路,LED照明,長寿命,省エネ,CO₂削減

1.はじめに

大阪府門真市の京阪電鉄古川橋駅から南へ延びる市道桑才線は,周囲に銀行やショッピングセンター,飲食店,学校,住宅などがあり多くの人が行き交う通りである。

わが国が温暖化ガスを『2020年までに1990年比25%削減』と国際公約を掲げた背景から,門真市も地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり,照明設備が改修されることとなった。これをきっかけに,住民ひとりひとりの環境に対する意識を高めることを目的の一つと掲げている。

本稿では同照明設備の概要について紹介する。

2.照明設備の概要

本施設は国道163号線への通り道であり,交通量も多く門真市内のメインストリートにLED照明設備を導入した。

歩車道部には薄型のLED器具を,シェルター部にはコンパクトなLED器具を採用することにより,周囲の景観を損なわないよう配慮している。

本件の照明設備の数量については表1に示す。

表1 照明設備
照明設備 器具型式 数量(台)
歩車道照明 E6014SA1/2(横方向配光) 37
歩車道照明 E6015SA1/2(前方向配光) 74
シェルター照明 E7004SA1/2 4

3.照明設計及び器具の選定

図1 竣工後施設写真(歩車道部)

図1 竣工後施設写真(歩車道部)

本施設は『平成19年10月 道路照明施設設備設置基準・同解説』で推奨される「歩道部平均路面照度の5ℓx程度」を考慮して照明設計を行い,歩行者の安全性を確保している(図1)。

器具の選定には長寿命で省エネルギー・環境に優しいLED器具を選定した。また,配光としては歩道側に前方配光を,車道側に横方向配光を選定することによって,歩道・車道それぞれの照射面に対して効率良く照明をしている。

4.照明効果

4.1 経済性

本施設は既設に水銀ランプ(100W)とセルフバラスト水銀ランプ(100W)が付いており,これらをすべてLEDに取り替えることにより,電気料金及びCO₂排出量を約85%削減することができ,環境面において大きく貢献することができた(表2)。

表2 電気料金・CO₂排出量比較表
区分 単位 改修前 改修後
    歩車道照明 シェルター照明 歩車道照明 シェルター照明
    水銀灯100W セルフバラスト水銀灯100W LED5W×4個 LED5W×3個
種類   4灯用 1灯用 3灯用 1灯用
照明柱基数 (基) 37 - 37 -
器具台数 (台) 148 4 111 4
ランプ費 (円) 3,450 5,200 - -
ランプ寿命 (h) 12000 6000 40000 40000
年間交換ランプ数 (本) 71 4 - -
年間交換ランプ費 (円) 244,950 20,800 - -
年間維持費 (円) 265,750 -
消費電力/灯費 (kW) 0.113 0.105 0.024 0.018
年間電力量 (kWh) 66896 1680 10656 268
年間電力費 (円) 1,577,998 251,712
年間電力費 (%) 100 15
年間ランニングコスト (円) 1,842,998 251,712
年間ランニングコスト (%) 100 13
年間CO₂排出量 (t) 29.5 4.7
年間CO₂排出量比較 (%) 100 15
  • 計算方法:日本照明器具工業会「技術資料114-1996 照明経済計算方法」に準ずる
  • 点灯時間:4000時間/年とする
  • CO₂排出量:0.43kg-CO₂/kWhとする。(日本照明器具工業会より)
図2 照度分布図(1スパン)

図2 照度分布図(1スパン)

4.2 環境性

LEDは特定有害物質である水銀を含んでいないクリーンな光源であり,紫外域の波長も少ないため既設の水銀灯と比較して誘虫性が35%と昆虫の飛来を抑制することができる。

また既設の丸グローブタイプの器具と比べて,本件に採用したLED器具は上方への漏れ光が無いため樹木への影響が抑えられると考える(図3,図4)。

図3 歩車道照明器具(改修前)

図3 歩車道照明器具(改修前)

図4 歩車道照明器具(改修後)

図4 歩車道照明器具(改修後)

4.3 景観性

歩車道照明器具は,緑豊かな並木道の景観を損なわないように木の枝ぶりをモチーフとしたアームデザインを採用している(図4)。

図5 竣工後施設写真(シェルター部)

図5 竣工後施設写真(シェルター部)

タクシー乗り場であるシェルター照明は曲線形のシェルターに合せたコンパクトなフォルムの器具形状を採用し,器具の存在を主張することなく照明をしている(図5)。

4.4 省メンテナンス性

LEDは40000時間(光束維持率70%時)と長寿命のため,約10年間ランプ交換が不要である。長寿命になることで保守作業を低減し,廃棄物を削減して地球環境保全にも貢献できる。

5.おわりに

LEDは環境に優しい光源として注目されており,本件においてもLED照明を積極的に導入していただいた。LED光源の発光効率は日進月歩であり,HIDランプの中でも高効率の特長をもつ高圧ナトリウムランプやセラミックメタルハライドランプを越える日も近いであろう。

今後もますます本件のようなLED照明器具を計画・実施する施設が増え,また,当社がそれに貢献できることを願うとともに御指導,御協力を頂いた関係者各位に感謝して結びの言葉とする。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第24号掲載記事に基づいて作成しました。
(2011年5月19日入稿)


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