Home > IWASAKIテクニカルレポート > 施設報告 > 門別競馬場の照明設備

施設報告

門別競馬場の照明設備 - グランシャリオナイター照明 -

国内営業部 札幌営業所 技術課 松木 由
国内営業部 札幌営業所 第一営業課 山本 直哉

キーワード

門別競馬場,公営競技場,角形投光器,光害対策高効率角形投光器,グレア,漏れ光,メタルハライドランプ

1.はじめに

門別競馬場は,北海道沙流郡日高町に位置し,1997年12月に開設された日本で最も新しい競馬場である。従来よりトレーニングセンターとして使用されていたコースを改修してホッカイドウ競馬のひとつの開催場所としたが,2009年より開催のほとんどを本競馬場に集約することとなり,また,その全日程をナイターレースで行うことが決定され,スタンドの増設ならびに周辺設備整備に並行して照明設備が新設された。副題の「グランシャリオナイター」(グランシャリオ=北斗七星)は一般公募により決定された夜間開催レースの愛称である。本競馬場は,地方競馬専用競馬場としては,国内最大級の規模で右回りダートコース1周1,600mを擁し,ゴール前は330mの長い直線となっている。また,コース幅も広くフルゲート16頭に対応しているのは,本場と大井競馬場だけである(図1,図2)。

本稿では,同施設の照明手法や照明設備の概要について紹介する。

図1 競馬場昼景(3コーナーよりスタンド方向を望む)

図1 競馬場昼景(3コーナーよりスタンド方向を望む)

図2 競馬場夜景(1コーナーより走路を望む)

図2 競馬場夜景(1コーナーより走路を望む)

2.照明計画及び照明手法

2.1 照明要件

夜間開催に求められる照明の要件は,下記の事項によるが,最も重要な目的は競走馬の走行に支障をきたすことの無いようにすることである。

  1. レースが支障なく安全にできること。
  2. ファンが競馬の観戦を楽しめるようにし,かつ審判等の業務が正確に行えるような見え方の考慮。
  3. 動画撮影に対応できる適度な照度確保。
  4. レース中の停電事故に対応できる設備とすること。
  5. 周囲環境を保護するために場外への漏れ光やグレアの抑制。

2.2 照明手法

馬場照明の手法は,全般照明方式と走路照明方式が考えられ,安全面からは全般照明方式が望ましいが,全般照明だと演出効果がなく,焦点がぼけ,観客から見て光源が目に入りやすくなる。しかも照明塔が多くなり昼間のレースの障害となるばかりか,施工性,経済性にも影響を及ぼすため,原則的には走路照明方式とした。しかし,コーナー部分は馬が広がり危険度が大きいので走路両側から照明し,全般照明的な考え方を取り入れることとした。本照明方式の特長は以下の通りである。

  1. 観客の目を走路に集中させる照明の実現。
  2. 観客(審判員)へのグレア,視線障害の影響を低減できる照明配置及び器具選択(図3)。
    直線走路部分ホームストレッチ側 観客席側及びスタンド屋上
    直線走路部分バックストレッチ側 内走路内側
    コーナー部分 走路両側千鳥配置とするが,観客方向となる走路外側の照明器具は光害対策高効率角形投光器を配置。
  3. 騎手(競走馬)がグレアを感じることなく安全にレースができるよう,直線走路は追跡照明的な要素を取り入れた。また,コーナーは影を極力抑えることができる全般照明とし,より安全性を高めた。
図3 照明設置区域概略図

図3 照明設置区域概略図


テクニカルレポートに掲載されている情報は、原稿執筆時現在の情報です。ご覧になった時点では内容変更、取扱い中止等がされている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

このページの先頭へ