ライティング講座(照明講座)
照明の基礎知識
照明用語と単位 - 目と視覚
関連資料
- JIS Z 8113:照明用語(1998)
視力(visual acuity)
図1.4 視角と視力
対象物をどれだけ細部まで見分けられるかの能力。
2個の点又は線を分離して見分けることができる最小の視角(単位:分)の逆数(図1.4)です。
中心視(central vision)
対象物の像を網膜の中心窩に結像して見ることです。
中心窩(約1分)には、錐体(cones)と呼ばれる視細胞が密に分布していて、色の識別力や視力が最もよい部分です。
周辺視(peripheral vision)
網膜の周辺部で見ること。桿体(rods)と呼ばれる視細胞が多く分布していて、微弱な光やその変化及び動きを検出する能力が高い部分です。
明所視(photopic vision)
数cd/m²以上の輝度レベルに視覚系が順応しているときの、正常眼による視覚のことです。主に錐体が働いているときの視覚の状態をいいます。
暗所視(scotopic vision)
百分の数cd/m²未満の輝度レベルに視覚系が順応しているときの、正常眼による視覚のことです。主に桿体が働いているときの視覚の状態をいいます。
薄明視(mesopic vision)
明所視と暗所視の中間の視覚のことです。錐体と桿体の両方が機能しているときの視覚の状態をいいます。
プルキンエ現象(purkinije phenomenon)
明所視から薄明視又は暗所視へと、暗くなるにつれて短波長成分が多い青いものが明るく見え、逆に短波長成分が少ない赤いものが暗く見える現象のことです。
グレア(glare)
視野の中に不適当な輝度分布があるか、輝度の範囲が広すぎるか、又は過度の輝度対比があるために、視野内の細部や物体を見る能力の減少もしくは不快感のどちらか、又は両方を生じさせる視覚の条件又は状態のことです。
直接グレア(direct glare)
視野内の、特に視線に近くに位置する輝度の大きい面によって生じるグレアのことです。
反射グレア(glare by reflection)
(光源など輝度が高い物体の)反射像が、観察する物体と同じ方向であることによって生じるグレアのことです。
不快グレア(discomfort glare)
必ずしも物が見分けにくくはありませんが、不快感を伴うグレアのことです。
減能グレア(disability glare)
必ずしも不快感を伴うことはありませんが、物が見分けにくくなるグレアのことです。
光幕反射(veiling reflection)
見るものと重なって、輝度対比を低下させることによって物体の細部を見えにくくする鏡面反射のことです。
等価光幕輝度(equivalent veiling luminance)
高輝度の光が目に入射すると屈折、拡散し眼球内をほぼ一様な輝度で輝かせます。これは、レースのカーテンを通してものを見るときと同様の効果を生じ、コントラストの低下により視覚機能を低下させます。このときに眼球内に生じる一様な輝度を「等価光幕輝度」と呼びます。
ちらつき(flickering)
輝度又は分光分布が時間的に揺らぐ光刺激のことです。
フリッカ(flicker)
輝度又は分光分布が時間的に変化する光刺激によって誘導される、視感覚の不安定な現象のことです。
視認性(visibility)
対象物の存在又は形状の見えやすさの程度のことです。
可読性(legibility)
文字又は記号の読みやすさの程度のことです。
(2025年4月25日入稿)
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