ライティング講座(照明講座)
照明の基礎知識
照明用語と単位 - 光と放射
関連資料
- JIS Z 8113:照明用語(1998)
- ISO/CIE 11664-1:CIE standard colorimetric observers(2019)
可視放射(visible radiation)
人の目に入って、直接に、視感覚を起こすことのできる放射のことです。
一般に、可視放射の波長限界は380nmから780nm。
赤外放射(infrared radiation)
波長域が可視放射よりも長く、1mm程度までの放射のことです。
- IR-A
- 780nm ~ 1,400nm
- IR-B
- 1.4μm ~ 3μm
- IR-C
- 3μm ~ 1mm
紫外放射(ultraviolet radiation)
波長が可視光よりも短く、100nm程度までの放射のことです。
- UV-A
- 315nm ~ 400nm
- UV-B
- 280nm ~ 315nm
- UV-C
- 100nm ~ 280nm
光(light)
視覚系に生じる明るさ及び色の知覚・感覚のことです。可視放射。可視域以外の光放射に対して用いられることもありますが、この用法は推奨されていません。
分光分布(spectral distribution)
分光密度
(CIE)標準比視感度 (spectral luminous efficiency)
標準的な分光視感効率として、CIE(国際照明委員会)において合意された値。明所視における標準分光視感効率と暗所視における標準分光視感効率との二つがあります。明所視の分光視感効率曲線は、555nmの光に対する感度を1とし、他の波長の光に対する感度を図1.1のように表します。
- 明所視における標準比視感度(最大視感度:555nm、683ℓm/W)
図1.1 光・放射と視感度
(参考文献 ISO/CIE 11664-1:CIE standard colorimetric observers(2019))
視感効率 (luminous efficiency)
(CIE)標準分光視感効率
光束 (luminous flux)
放射束を、(CIE)標準分光視感効率と最大視感効果度に基づいて評価した量のことです。一般に、光の量を表します。
- 単位
- ルーメン ℓm
光度 (luminous intensity)
図1.2 立体角と光度
光源からある方向に向かう光束の単位立体角当たりの割合のことで、光の強さを表します。
- 単位
- カンデラ cd
また立体角
※sr:ステラジアン、立体角の単位
配光(distribution of luminous intensity)
光源及び照明器具の光度の、角度に対する変化又は分布のことです。
輝度 (luminance)
ある方向に向かう光度の、その方向に垂直な面の単位面積当たりの割合のことです。一般に、発光(反射、透過)面の明るさの程度を表します。
- 単位
- カンデラ毎平方メートル cd/m²
光束発散度 (luminous exitance)
微小面から全ての方向に発散する光束の、単位面積当たりの割合のことです。
- 単位
- ルーメン毎平方メートル ℓm/m²
照度 (illuminance)
微小面に全ての方向から入射する光束の、単位面積当たりの割合のことです。
- 単位
- ルクス ℓx、ルーメン毎平方メートル ℓm/m²
照度は単位面積当たりの入射光束、光束発散度は単位面積当たりの発散光束、輝度は単位面積当たりの光度であり方向性をもちます(図1.3)。
輝度・光束発散度と照度
輝度
光束発散度
照度
- ある方面の微小光度
- 微小面積
- 微小面積から入射もしくは発散する光束
図1.3 輝度・光束発散度と照度
光量 (quantity of light)
光束を時間について積分した量のことです。
- 単位
- ルーメン秒 ℓm/・s
(2025年4月25日入稿)
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