ライティング講座(照明講座)

照明の基礎知識

照明用語と単位 - 色

関連資料

  • JIS Z 8113:照明用語(1998)
  • JIS Z 8720:測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源(2012)
  • IES:Lighting Handbook(2000)

CIE標準の光(CIE standard illuminants)

300ナノメートルから800ナノメートル間の波長におけるD50(5000K)・D55(5500K)・D65(6500K)・D75(7500K)の比エネルギーグラフ。

図1.5 CIE合成昼光

CIE(国際照明委員会)が相対分光分布によって規定した測色に用いる光(図1.5)のことです。

標準光源A
温度2856Kの黒体が発する光。白熱電球を代表します。
D65
相関色温度6504K、昼光の可視・紫外波長域を代表します。

補助標準光としてD50、D55、D75及びC(平均的な昼光の可視波長域)が定められています。

(参考文献 JIS Z 8720:測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源(2012))

演色(color rendering)

照明光が物体の色の見え方に及ぼす影響のことです。光源の特性と考えたときは、演色性といいます。演色評価数(color rendering index)は、試料光源で照明したある物体の色刺激値(心理物理色)が、その色順応状態を適切に考慮したうえで、基準イルミナント(照明光)で照明した同じ物体の心理物理色と一致する度合いを示す値のことです。JISでは、色ずれのない(完全に合っている)状態を100としています。

特殊演色評価数(special color rendering index:Ri)
試験色1〜15個々の値。
平均演色評価数(general color rendering index:Ra)
試験色1〜8の平均値。

黒体(blackbody)

黒体放射スペクトルにおける可視領域を示したグラフ

図1.6 黒体放射と色温度

入射する全ての放射を完全に吸収する理想的な熱放射体のことです。熱放射体から発散する放射が、外部から入射する放射と全ての波長、方向及び偏光成分について平衡状態にあるとき、その放射を黒体放射といいます。
黒体放射は温度だけに依存し、その大きさはプランクの放射則によって与えられます(図1.6)。

(参考文献 IES:Lighting Handbook(2000))

色温度Tc(color temperature)

色温度は、与えられた放射の色度と等しい色度を発する黒体の温度のことです。

単位
ケルビン K

相関色温度Tcp(correlated color temperature)

光源の色度が黒体軌跡上にない場合に適用され、最も近似する黒体の温度のことです。

単位
ケルビン K

逆数相関色温度Tcp1(reciprocal correlated color temperature)

相関色温度の逆数のことをいい、知覚に関して等間隔性が高いとされます。

単位
毎メガケルビン MK⁻¹

(2025年4月25日入稿)

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