Home > IWASAKIテクニカルレポート > 技術資料 > 高天井用LEDランプ「LEDioc® LEDアイランプ® SP」

高天井用LEDランプ「LEDioc® LEDアイランプ® SP」- 銅鉄式LED制御装置 -

製造本部 光源部 LEDランプ技術課 松本 加奈江,蓮見 篤志
株式会社アイ・ライティング・システム 技術開発部 第二技術課 遠藤 和博

キーワード

LEDランプ,LEDアイランプ® SP,高天井,銅鉄式LED制御装置,ローコスト

1.はじめに

一般照明における光源は,水銀ランプからLED化への動きが急速に進んでおり,弊社では水銀ランプからの置き換えが可能であるLEDランプをさまざまな用途向けに展開している。

工場や倉庫の天井で使用できる高天井用LEDランプとしては,LEDアイランプSPシリーズを展開して好評を得ているが,近年,LED照明器具の低価格化が進み,LED照明器具との価格競争が生じていることから,LEDランプのローコスト化が強く要望されている。

本商品は従来のLEDアイランプSPと同等の外観で,コストを抑えたローコストLEDアイランプSPであり,水銀ランプ400Wおよびメタルハライドランプ400Wと置き換え可能な電源別置形の高天井用LEDランプである。さらに,本商品のLED制御装置は,これまで培ってきたHID安定器の技術を生かした銅鉄式LED制御装置を採用することにより,大幅な低価格化を実現し,今後の市場拡大を狙う。

2.商品概要

本商品の外観図を図1に,外形寸法図を図2に示す。また,商品ラインアップを表1に,商品仕様を表2に示す。

本ランプは,弊社高天井用シリーズであるLEDアイランプSPの商品形態を継承し,LEDモジュールの最適化とともに絶縁構造などの安全設計を付加させた電源別置形の高天井用LEDランプである。

図1 外観図

図2 外形寸法図

表1 品種一覧
101Wタイプ 129Wタイプ
セット形式 LDRS-H400/2A(B) LDRS-M400/2A(B)
ランプ ランプ形式 LDRS101N-W-E39/HB/H400 LDRS129N-W-E39/HB/M400
相関色温度(K) 5000 5000
平均演色評価数(Ra) 70 70
全光束(ℓm) 14800 18500
最大光度(cd) 6600 8300
1/2ビームの開き(°) 83 83
ビーム光束(ℓm) 8300 10400
定格寿命(時間) 60000 60000
質量(g) 1420 1420
光束維持率(%) 95 95
LED制御装置 LED制御装置形式 LEM083072HS2A(B)351 LEM102078HS2A(B)351
入力電圧(V) 200 200
入力電流(A) 0.52 0.64
入力電力(W) 94 116
質量(g) 3000 3000
耐雷サージ(kV)
(コモンモード)
15 15
二次側配線長(m) 100以下 100以下
表2 商品仕様
ランプ LED制御装置
口金 E39 -
光源色 昼白色 -
仕上色 白色塗装 マンセルN6
材質 本体:アルミダイカスト
グローブ:ポリカーボネート
鋼板
使用温度範囲 ホルダ単体:-20℃〜+50℃
セード組合せ:-20℃〜+50℃
-20℃〜+50℃※
備考 ・高天井用セード・ホルダ対応フック付落下防止ワイヤ装着済み。
・防振パッキン装着済み。
・口出線長:250mm
  • ※夏季の一時的な高温環境(60℃)に対応。

本LED制御装置は,限流素子にHID銅鉄安定器で使用のチョークコイル(誘導性リアクタンス)と,交流を直流に変換する整流,平滑用部品を付加して,LED電流制御を行う回路方式を採用した。また,制御回路は受動部品のみで構成されており,部品点数の少ないシンプルでローコストなLED制御装置を実現することができた。

3.特長・機能

3.1 ローコストLEDアイランプSPを実現

LEDモジュールの最適化とともに銅鉄式LED制御装置を採用することにより,大幅なコスト改善を行った(従来価格比60%)。銅鉄式LED制御装置との組合せでは,一次側の電圧変動により二次側の特性が変動するものの,配光制御されたLEDチップを均等配置することで「HIDランプ+セード」とほぼ同等の照度分布を実現している。

3.2 安全設計

本ランプは二重絶縁構造をとることにより,ランプ外郭部(金属部)が導通部から電気的に絶縁され,万が一,絶縁部が一層破壊された場合でも,もう一層の絶縁構造で感電から保護される。

また,温度保護機能によりランプ部が高温になった場合は,ランプを自動的に消灯させるため,異常発熱による事故を未然に防止できる。

さらに,口金部には防振パッキンを装着してランプとソケットの密着性を高め,ランプの振動揺れや口金の緩みを抑制する。この構造によりソケットに対する荷重負荷を軽減できるため,ソケットの破損,落下などの重大事故を防止できる。

3.3 従来のHIDランプと同等の明るさ

高効率モジュールの採用により,従来のHIDランプ(セード付き)と同等となる配光性能を実現した。HIDランプからのリニューアルにより,消費電力は70%以上削減が可能となる(図3,図4)。

図3 セード+水銀ランプ400Wとの照度分布比較

図4 セード+メタルハライドランプ400Wとの照度分布比較

3.4 幅広い使用環境

使用温度範囲-20〜+50℃(セード無しの場合,一時的に60℃)と幅広い使用環境で使用することができ,夏場に高温となる工場,倉庫,体育館などの高天井で使用可能である。また,セードと組合せて使用することも可能である。

3.5 銅鉄式LED制御装置について

図5は,本銅鉄式LED制御装置が動作しているときの放射ノイズ(雑音電界強度)を示しているが,図6の暗ノイズ(周りに動作している電子機器がない状態のノイズ)とほとんど同等レベルであることがわかる。

図5 雑音電界強度 ランプ配線長100m(参考データ)

図6 雑音電界強度(暗ノイズ)

本銅鉄式LED制御装置は,電子式LED制御装置と比べてノイズレベルが低く,放射ノイズをほとんど発生させないため,他の精密機器への影響を大幅に軽減することができる。そのため,ランプ配線長も100mまで延長が可能である(配線長200m対応も検討中)。

構造はHID安定器と同様,湿式タイプ防雨形構造の屋外用LED制御装置である(屋内外兼用タイプ)。電源電圧は100V〜460Vまで容易に特注対応が可能で,SUSケース,塗装色などの特注対応も要望に応じて柔軟に対応可能である。

電子式LED制御装置のように高周波対応用の漏電ブレーカへの交換が不要で,既設の旧ブレーカをそのまま使用できる。

安全保護機能もHID安定器で採用している信頼性の高い,トリプルセーフティータイプ(熱的保護:非復帰型温度ヒューズ,過電流保護:電流ヒューズ,保安機構付フィルムコンデンサ)を採用しているので,寿命末期の発煙,発火防止も万全にしている。

4.おわりに

本商品の開発により,弊社LEDアイランプSPシリーズのラインアップに低価格商品が加わり,さらに,銅鉄式LED制御装置,電子式LED制御装置,調光用電子式LED制御装置に対応することで商品提案の幅が広がった。

銅鉄式LED制御装置は,本ランプのほか,サービスステーション用照明器具,LEDioc μs(LED高天井用照明器具),LEDioc FLOOD SPOLART(LED投光器)でも採用しており,今後さらに機種を増やしていく予定である。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第39号掲載記事に基づいて作成しました。
(2018年10月30日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている情報は、原稿執筆時現在の情報です。ご覧になった時点では内容変更、取扱い中止等がされている場合がありますので、あらかじめご了承ください。

このページの先頭へ