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技術資料

LEDioc 防爆形非常用LED照明器具 - 業界初の蛍光灯代替タイプ -

ライティングソリューション事業本部 ソリューション商品企画開発部 企画調達開発課
武田 幸久,渋谷 康彦,平岩 かおり,丸田 晃三

キーワード

耐圧防爆形,非常灯,LED,省エネ,省施工,コンパクト

1.はじめに

照明分野でLED化が急速に進む中で,防爆エリアを有する工業,プラントにおいても例外ではない。防爆機器は比較的長期にわたり使用されることが多く,さらに設置場所や器具構造からランプの交換が容易ではないことから,長寿命光源であるLEDを採用することによる顧客メリットは大きい。さらに,日本全体で節電ニーズが高まっており,省エネルギーの観点からも光源をLEDにする要望は大変強い。

このような背景を受け,弊社では,第一類危険箇所(1種場所)および,第二類危険箇所(2種場所)に使用するLED照明器具の開発を幅広く行ってきた。

非常用照明器具において,当初は光源にLEDを使用することが法律で認められていなかったが,後に法改正があり,JIL(日本照明工業会)でもLEDを光源とする非常用照明器具の規格が整備され,施設内の照明器具をオールLED化することが可能となった。

そのため,防爆機器においてもLEDを光源とする非常用照明器具を弊社で開発し,発売している。しかし,現在発売されている商品は非常時にのみ点灯するLED照明器具(専用形:白熱代替)だけである。既存の非常用蛍光灯器具をLED化するためには,常用時に点灯するLED照明器具と非常時のみに点灯するLED照明器具を別々に設置せざるえない状況である。

そこで,業界に先駆けて,常用灯部と非常灯部が一体型である防爆形LED非常用照明器具を開発することで差別化を計り,市場拡大と売上増加を狙う。

2.商品概要

本シリーズは,常用灯と非常灯が一体となった照明器具であり,施工性が向上した商品となっている。

器具の外観図を図1に,外形寸法図を図2示す。また,商品ラインアップを表1に,商品仕様を表2に示す。

図1 外観図

図2 外形寸法図
直付形
パイプ吊形
ブラケット形
表1 品種一覧
明るさ目安
(Hf32W蛍光灯)
吊具タイプ 形式 グレアカット 定格光束(ℓm) 質量(kg) 消費電力(W) 非常時光束(ℓm)
1灯用相当 直付形 EXICLA1021SA9-16(22,28) 2770 15.0 25.9 2150
EXICLA1021SA9F-16(22,28) 2150
パイプ吊形 EXICLA2021SA9-16(22,28) 2770 16.0
EXICLA2021SA9F-16(22,28) 2150
ブラケット形 EXICLA3021SA9-16(22,28) 2770 16.3
EXICLA3021SA9F-16(22,28) 2150
2灯用相当 直付形 EXICLA1041SA9-16(22,28) 5270 15.0 44.6
EXICLA1041SA9F-16(22,28) 4100
パイプ吊形 EXICLA2041SA9-16(22,28) 5270 16.0
EXICLA2041SA9F-16(22,28) 4100
ブラケット形 EXICLA3041SA9-16(22,28) 5270 16.3
EXICLA3041SA9F-16(22,28) 4100
  • ※入力電圧200V時の値。
表2 商品仕様
材質 本体(常用灯部) アルミダイカスト
本体(非常灯部) アルミ鋳物
前面ガラス 強化ガラス
吊下げ金具 アルミダイカスト
仕上色 グレイ(マンセルN7)
入力電圧 100~242V
周波数 50/60Hz共用
相関色温度 5000K相当(昼白色タイプ)
保護等級 IP65
使用温度範囲 5℃~35℃
防爆構造記号 ExdⅡBT6
蓄電池 ニッケル水素蓄電池(H6-SW)
電池電圧 DC7.2V
電池容量 3,300mAh

本シリーズは,下記4項目の組合せにより全36品類をラインアップしており,灯具本体は共通となっている。

  1. 明るさ:1灯用,2灯用(Hf32W相当)
  2. 吊具タイプ:直付形,パイプ吊形,ブラケット形
  3. 配管サイズ:G16,G22,G28
  4. グレアカット:有,無

3.特長・機能

3.1 既存製品の流用

本商品は,既存のLED器具と組合せることで,市場で要望のある非常灯部と常用灯部を一体型にした器具の開発をスピーディーに行った(図3)。

図3 器具構成

3.2 コンパクト化・軽量化

新規開発したLED非常灯部は,図4に示すように主要部品であるLED,電源ユニット,蓄電池を収納する部屋を分け,それぞれが防爆性能を有することで,各部屋の内容積が小さくなり,爆発圧力衝撃を小さくすることが可能となった。そのため,きょう体やガラスの厚みを薄くすることができた(特許出願中)。

さらに,既存製品では蓄電池が正常に充電されていることを確認する充電モニターが独立していたが,本商品は図5のように点灯ユニットと一体型とした。

以上によりコンパクト化と軽量化を実現した。既存製品との比較を表3に示す。

図4 非常灯部の防爆エリア

図5 充電モニター

表3 既存器具との比較
防爆形非常用Hf蛍光灯照明器具
(既存品)
防爆形非常用LED照明器具
(本商品)
外観図
質量 19.0kg 15.0kg
器具全長 1420mm 1075mm

3.3 現場にて2種類の取付ピッチに対応

図6 対応する取付ピッチ

既存製品は取付ピッチが800mm,500mmの2種類あり,それぞれ専用の器具であったため,注文する前に取付ピッチを決める必要があったが,本商品はパイプ保持金具の位置を変更することで,両方のピッチに対応することを可能とした。そのため,注文後に現場にて希望する取付ピッチを選択することができる(図6)。

3.4 省施工形位置ボックス

図7 取付作業手順

本商品には照明器具の取付工事を省施工化する『省施工形位置ボックス』を搭載している。固定リングを回転させる新機構方式を採用することで取付工事の作業性を向上させた(図7)。

3.5 屋外(軒下など)でも使用が可能

保護等級がIP65であるため,器具が高い防じん,防水性能を備えており,軒下や屋外通路などでも非常用照明として使用できる。

3.6 環境負荷物質を低減

水銀フリー光源としてLEDを,カドミウムフリー蓄電池としてニッケル水素蓄電池を採用している。環境負荷物質の含有量を大幅に低減し地球環境保全に貢献する。

3.7 電池交換が簡単

器具の非常灯部側面に蓄電池を交換するためのカバーが設けられており,器具を取り付けたままで簡単に電池交換が可能となっている(図8)。

図8 蓄電池の交換

4.おわりに

本シリーズは常用灯部に既存LED製品を使用することで,常用灯部と非常灯部が一体型であるLED非常用照明器具の開発をスピーディーに行い,業界に先駆けて発売することができた。

また,常用灯部に使用している既存製品のコンセプトであるコンパクト化,軽量化について,非常灯部に今までにない構造を用いることで商品として満足した。さらに,器具の幅,ねじの取付ピッチを既存製品に合わせ,デザインでも統一性のある商品をラインアップすることができた。

今後はこの商品を用いて,お客さまのニーズに対応したラインアップの拡充を行っていく。また,本シリーズのように,業界に先駆けた商品を提案できるように開発を行っていきたい。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第38号掲載記事に基づいて作成しました。
(2018年5月14日入稿)


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