技術資料

高出力形LEDランプ - LEDioc® LEDアイランプ® SP 104W -

製造本部 光源部 LEDランプ技術課
光・環境事業本部 光応用部 光応用開発課
ライティングソリューション事業本部 ソリューション商品開発部 技術課
生産事業戦略部 コストデザイン室

キーワード

LEDランプ,LEDアイランプ®,長寿命,省エネ,レトロフィット,仮設市場

1.はじめに

弊社では,2013年に看板照明や作業灯用の反射形水銀ランプ300Wの代替となるLED商品として,「LEDアイランプ® SP 100W」を発売した。また,当初よりボリュームゾーンであった反射形水銀ランプ400W(反射形セルフバラスト水銀ランプ750W)相当の高出力タイプのLEDランプも求められていたが,当時の技術では対応が困難で実現することはできなかった。

しかし,その後のLED効率向上により開発が可能となったため,このたびボリュームゾーンである反射形水銀ランプ400W(反射形セルフバラスト水銀ランプ750W)相当のLEDランプとして「LEDアイランプ® SP 104W」の開発を行った。

2.商品概要

図1 外観図

本商品は看板用としても使用されることから,平均演色評価数Raを80以上とし,消費電力104W,光源色は昼白色タイプで展開される。また,セルフバラスト水銀ランプ750W用のHSB形ランプホルダにも対応した。

ランプの外観図を図1に,ランプホルダの装着例を図2に,商品仕様を表1にそれぞれ示す。

図2 ランプホルダ装着例

表1 商品仕様
商品名 LEDioc® LEDアイランプ® SP 104W
形式 LDRS104N-H-E39/HS/H400
適合電源形式 LE103050HSZ1/2.4-A1
光源色 昼白色
仕上色 白色塗装
口金 E39
消費電力 104W
相関色温度 5000K
平均演色評価数 Ra83
全光束 14000ℓm
最大光度 4700cd
1/2ビームの開き 108°
ビーム光束 9100ℓm
定格寿命 60000時間
質量 970g
使用温度範囲 -20℃~+40℃
寸法 全長 213mm
外径 ø200mm
付属品 ・落下防止ワイヤ(LDRW-375)
・HS形ランプホルダ用交換パッキン
・HSB形ランプホルダ用交換パッキン

3.特長・機能

3.1 高効率

高効率モジュールを採用したため,HS形やHSB形のランプホルダに取り付けて使用するLEDランプとしてはトップクラスの明るさである。104Wで14000ℓmという光束を達成しており,反射形水銀ランプ400W(セルフバラスト水銀ランプ750W)を代替できるLED商品となった(図3)。

図3 反射形水銀ランプ400Wとセルフバラスト水銀ランプ750Wとの照度分布比較

3.2 高い演色性

高効率でありながら平均演色評価数Ra83と優れた演色性のLEDを採用し,色の見え方や再現性の自然な演出が可能となった。

3.3 幅広い使用環境

独自設計のきょう体を使用した本LEDランプと,HS形やHSB形のランプホルダと組合わせて使用することで,垂直方向以外の点灯方向にも対応し,屋内外での使用や,-20℃~+40℃と幅広い使用温度範囲で使用することができる。

適合するランプホルダ,ガードを表2に示す。

表2 適合ランプホルダ・アクセサリ
品名 HS形ランプホルダ HSB形ランプホルダ ガード
外観図
形式 HS0(赤色)
HS0/W(白色)
HS0-L14(赤色)
HS0/W-L14(白色)
HSB HSB1 GS8
仕様 - 口出線1800mm - パイプ取付用 ステンレス
  • 注)ランプホルダの標準口出線長は200mm。

3.4 極性フリー

ランプ部に整流回路を内蔵しているため,電源ユニットの二次側極性に関係なく点灯できる。

3.5 定格寿命60000時間

ランプは光束維持率80%で60000時間の定格寿命であるため,電源ユニットの定格寿命もランプと同様の60000時間とすることでメンテナンスコストを大幅に削減する。

3.6 安全機能(ランプ部)

ランプ部が高温になった場合,自動消灯する温度保護回路を搭載し,異常発熱時の事故を防止する。ランプが点滅することを防ぐため,温度が下がっても自動復帰はしないようになっており,点灯には電源の再投入が必要である。

3.7 安全機能(電源部)

電源部には絶縁回路を採用しており,一次側と二次側が絶縁トランスで分離された回路構成となっているため,万が一,LED回路(二次側)の片側に触れても感電事故を防止する。また,過電流保護機能によって過電流による事故を防止する。

4.おわりに

本商品で,LEDioc® LEDアイランプ® SPのラインアップに高出力商品が加わり,商品提案の幅が広がった。今後は,固有エネルギー消費効率(ℓm/W)の上昇を実現するべく,さらなる開発を進めていく。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第37号掲載記事に基づいて作成しました。
(2017年11月2日入稿)


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