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技術資料

IEC規格整合 防爆型マイクロ波センサー - 防爆接合部を利用したセンサー受信感度の調節 -

伊東電機株式会社 技術部 技術開発課 柏 薫,武藤 清悟

キーワード

マイクロ波センサー,産業設備扉用防爆動体センサー,耐圧防爆型動体検知式,防爆シャッター,防爆接合部

1.はじめに

昨今,石油工場,塗装工場などの防爆エリアでは,建物のシャッターの開閉に使用される起動センサーとして,自然環境に強く,設置環境の影響を受けにくいマイクロ波センサーが要求されている。

マイクロ波センサーはドップラー現象(24GHz帯)を利用した動体検知式センサーであり,波源と観測者との間の相対的な運動を観測する。

今回,そのセンサーを防爆型容器に組み込み,産業用防爆機器として製品化を行った。当社は,マイクロ波センサーの発売元であるBEAジャパン株式会社から支給されるマイクロ波センサーを,防爆エリアでも利用可能な状態にするため,これを組み込んだ防爆型容器の開発を担当した。

防爆構造として,IEC規格整合である防爆指針Ex2008に基づき,第1類危険箇所(Zone1)及び第2類危険箇所(Zone2)で利用可能な規格,並びに水素ガスに適応した開発を行った。

2.開発課題と検討内容

今回の開発では,ガラス面とセンサー受信部の距離の調整を,防爆器具の容器を開閉せずに行うことができるようにすることが課題である。

防爆性能に要求されている接合面はIEC規格上でネジ構造が認められている。

カバーを回転させると,ネジ構造の接合面のためガラス面とセンサー受信部の距離が変化する(図1)。そこで,この構造を利用して距離の調節が簡便にできないか検討を行った。なお,接合部とその周辺の構造は断面図上では上下対称に現われるが,図1では下側の構造を省略して描いている。

開発にあたり,カバーの可動範囲はどの位置にカバーがあっても,防爆構造の接合面の距離が一定になるようネジ接合面を伸ばし,センサーとガラス面が変化しても防爆に必要なネジ山数に変わりが無いように設計し(図1(C)),防爆の規格に適合するようにした。

3.検討結果並びに新機能

今回の検討により0mmから最大で4.5mm分の可動範囲を設けることができ,容器を開閉しなくともガラス面とセンサー受信部の距離を変化させ,現地で器具を設置した後にセンサー受信感度の調節を簡便に行うことが可能になった。

カバーを反時計回りに回すとガラス面とセンサーとの距離が小さくなり(図1(A)),受信感度は高くなる。逆に,カバーを時計回りに回すとガラス面とセンサーとの距離が大きくなり(図1(B)),受信感度は低くなる。

(A)ガラス面-センサー間距離小

(A)ガラス面-センサー間距離小

(B)ガラス面-センサー間距離大

(B)ガラス面-センサー間距離大

(C)接合部拡大図

(C)接合部拡大図

図1 ガラス面とセンサーの位置関係

4.製品概要

図2 製品外観

図2 製品外観

本製品の外観を図2に,仕様を表1に示す。

本体は径の異なる2つの円筒体を組み合わせたような構造になっている。電源は交流,直流いずれも使用できる。

表1 製品仕様
製品名 IEC規格整合防爆型マイクロ波センサー
本体 アルミ合金鋳物
センサー部 BEAジャパン株式会社製
マイクロ波センサー
前面ガラス 強化ガラス
仕上色 マンセルN1.5
電源電圧 AC12V-24V 50/60Hz,DC12V-24V
消費電力 2W
接点 AC/DC 42V,1A
防爆構造記号 ExdⅡCT6
保護等級 IP65
使用温度範囲 -20℃~+40℃
  • ※本製品は伊東電機株式会社が製造,BEAジャパン株式会社が販売元である。

5.おわりに

防爆型マイクロ波センサーという新しい分野向けの製品を開発出来た。

今後,様々な類の防爆製品の品種を拡大させ,市場ニーズへの貢献を図っていく。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第33号掲載記事に基づいて作成しました。
(2015年12月14日入稿)


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