技術資料

LED投光器 - LEDioc FLOOD SPOLART™ 品種拡大 -

株式会社アイ・ライティング・システム 開発部 第一開発課 為定 圭一

キーワード

LED,投光器,LEDioc FLOOD SPOLART™,省エネ,継承,レトロフィット,水銀灯代替

1.はじめに

近年,省エネの観点から照明のLED化が急速に進んでおり,弊社も各市場へLED照明器具を投入し好評を得ている。また,国連環境計画(UNEP)での水銀条約により2020年以降,一般照明用高圧水銀ランプの製造,輸出及び輸入が禁止となる為,水銀ランプを主な適合光源とする既存器具の代替需要が見込まれている。

こうした状況を踏まえ弊社では屋外投光器市場において,水銀ランプの代替となり,大幅な省エネ効果が発揮できるLED投光器の開発をスタートし,2014年6月から水銀250W,400W代替投光器を発売し順調に売り上げを伸ばしている。

LEDioc FLOOD SPOLART™は,市場からの更なるLED投光器ラインアップ拡充の要望を受け,これまでに水銀700W,1000W代替投光器を追加し,色温度昼白色(5000K:Ra70)に加え,電球色(3000K:Ra80)と配光バリエーションを中角,広角タイプに狭角タイプを加えた計24品種のシリーズ化を行ってきた。

本稿では,狭角タイプを中心に,SPOLARTシリーズの概要を紹介する。

2.商品概要

図1 器具外形図

図1 器具外形図

器具外形,上向き及び下向き使用時の照射角度範囲を図1に示す。

図2 器具外観(狭角タイプ)

図2 器具外観(狭角タイプ)

狭角反射鏡を内蔵した器具(狭角タイプ)の外観を図2に示す。

3.機能・特長

3.1 既存部品の流用と意匠

本商品(LEDioc FLOOD SPOLART™)は,従来の投光器の持つイメージを崩さないよう,既存部品を出来る限り流用し,基本構造(反射鏡,支持枠,アーム部)及び意匠を継承したLED投光器である。

3.2 構成

本商品は,放熱構造にヒートパイプによる設計を採用した。これにより従来の光源筒部の範囲に高出力LEDパッケージの搭載が可能となった。また,ヒートパイプの保護カバーを樹脂化し,電源を別置きとしたことで,従来の投光器と,質量及び風圧に影響される受圧面積が同等となり,既設の投光器設置架台がそのまま使用できる。

3.3 内蔵狭角反射鏡

本商品には,品種拡大として狭角反射鏡を内蔵させた狭角タイプをラインアップした。この器種では,従来から投光器を製造する際,外郭の反射鏡と前面ガラスを加締めて防水構造としている。その内部に取付金具を設置し,狭角反射鏡を固定する構造とすることにより,LEDユニットの共通化を可能にした。

図3 内蔵狭角反射鏡構成概略図

図3 内蔵狭角反射鏡構成概略図

内蔵狭角反射鏡の構成概略を図3に示す。

3.4 レトロフィット対応

本商品は,既設投光器のランプ交換を行う感覚で,現地でのLED化が可能になるように光源筒部をリニューアルLEDユニットとしても発売している。これにより,光源筒部分をLEDユニットに変更することで既設投光器のレトロフィット化対応を可能にしている。なお,別置きされている既設安定器もLED専用電源への変更が必要である。なお,狭角タイプは新規対応のみの販売である。

本商品の構成概略を図4に示す。

図4 構成概略図

図4 構成概略図

3.5 商品構成・配光性能

表1に商品構成,表2に主な特性・仕様,図5~8に狭角配光タイプの配光特性図をそれぞれ示す。

表1 商品構成
光源色 昼白色
【5000K:Ra70】
電球色
【3000K:Ra80】
専用LED電源形式
投光器
タイプ
配光
タイプ
投光器形式 セット形式 投光器形式 セット形式
水銀ランプ
250W相当
(65Wタイプ)
狭角 E30401N/N E30401N/NSAN8 E30401N/L E30401N/LSAN8 LE056044HS1/2.4-A1
中角 E30401M/N E30401M/NSAN8 E30401M/L E30401M/LSAN8
広角 E30401W/N E30401W/NSAN8 E30401W/L E30401W/LSAN8
水銀ランプ
400W相当
(130Wタイプ)
狭角 E30401N/N E30402N/NSAN8 E30401N/L E30402N/LSAN8 LE119090HS1/2.4-A1
中角 E30401M/N E30402M/NSAN8 E30401M/L E30402M/LSAN8
広角 E30401W/N E30402W/NSAN8 E30401W/L E30402W/LSAN8
水銀ランプ
700W相当
(160Wタイプ)
狭角 E30403N/N E30403N/NSAN8 E30403N/L E30403N/LSAN8 LE148115HS1/2.4-A1
中角 E30403M/N E30403M/NSAN8 E30403M/L E30403M/LSAN8
広角 E30403W/N E30403W/NSAN8 E30403W/L E30403W/LSAN8
水銀ランプ
1000W相当
(210Wタイプ)
狭角 E30404N/N E30404N/NSAN8 E30404N/L E30404N/LSAN8 LE180150HS1/2.4-A1
中角 E30404M/N E30404M/NSAN8 E30404M/L E30404M/LSAN8
広角 E30404W/N E30404W/NSAN8 E30404W/L E30404W/LSAN8
  • ※水銀250Wと400Wは投光器形式は同品とし,LED電源の違いによりセット形式を区別している。
表2 主な特性・仕様
姿図
配光タイプ 狭角 中角 広角
1/2ビームの開き(°) 7 11~12 16~17
1/10ビームの開き(°) 36 66 86
水銀ランプ
250W相当
(65Wタイプ)
定格光束(ℓm) 昼白色 7100 7700
電球色 5750 6230
消費電力(W) 100V 65
200/242V 63
固有エネルギー
消費効率
(ℓm/W)
(200V時)
昼白色 112.7 122.2
電球色 91.3 98.9
質量(kg) 投光器 6.5 5.7
電源 1.5 1.5
水銀ランプ
400W相当
(130Wタイプ)
定格光束(ℓm) 昼白色 12000 13000
電球色 9720 10530
消費電力(W) 100V 129
200V 127
242V 126
固有エネルギー
消費効率
(ℓm/W)
(200V時)
昼白色 94.5 102.4
電球色 76.5 82.9
質量(kg) 灯体 6.5 5.7
電源 2.2 2.2
水銀ランプ
700W相当
(160Wタイプ)
定格光束(ℓm) 昼白色 17000 18300
電球色 13770 14520
消費電力(W) 100V 165
200V/242V 161
固有エネルギー
消費効率
(ℓm/W)
(200V時)
昼白色 105.6 113.7
電球色 85.5 90.2
質量(kg) 灯体 6.5 5.7
電源 3.0 3.0
水銀ランプ
1000W相当
(210Wタイプ)
定格光束(ℓm) 昼白色 22000 24000
電球色 17820 19440
消費電力(W) 100V 205
200V/242V 207
固有エネルギー
消費効率
(ℓm/W)
(200V時)
昼白色 106.3 115.9
電球色 86.1 93.9
質量(kg) 灯体 7.3 6.5
電源 3.0 3.0
共通仕様
  • 前面カバー:強化ガラス(透明)
  • 反射鏡:アルミ板(シリカガラス処理)
  • 内部反射鏡:ポリカーボネート 狭角/鏡面(狭角用),中角/鏡面,広角/白色塗装
  • 放熱部:アルミ,銅(黒色塗装)
  • 支持枠:アルミダイカスト(ポリエステル塗装)
  • アーム:鋼板(溶融亜鉛めっき)
  • 光源筒:鋼板(ポリエステル塗装)
  • 保護カバー:E30401,(2),(3)/ポリカーボネート,E30404/アクリル
図5 水銀ランプ250W相当(65Wタイプ)狭角配光特性
昼白色タイプ【5000K:Ra70】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

電球色タイプ【3000K:Ra80】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

※上記の図は初期値を示す(単位:ℓx)。

図6 水銀ランプ400W相当(130Wタイプ)狭角配光特性図
昼白色タイプ【5000K:Ra70】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

電球色タイプ【3000K:Ra80】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

※上記の図は初期値を示す(単位:ℓx)。

図7 水銀ランプ700W相当(160Wタイプ)狭角配光特性図
昼白色タイプ【5000K:Ra70】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

電球色タイプ【3000K:Ra80】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

※上記の図は初期値を示す(単位:ℓx)。

図8 水銀ランプ1000W相当(210Wタイプ)狭角配光特性図
昼白色タイプ【5000K:Ra70】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

電球色タイプ【3000K:Ra80】

1/2照度角 7°
1/10ビームの開き 36°

※上記の図は初期値を示す(単位:ℓx)。

4.おわりに

今回,HID投光器で培った屋外照明市場のLED化におけるシェア確保を優先し,従来の投光器と同等デザインとした普及型投光器の商品展開を行うことで,市場をリードできると考える。また,従来投光器と質量・受圧面積も同等であり,既設のアームや架台を変更することなく使用できるため,より多くの拡販が見込まれる。

昨今,照明市場全体がLEDの普及により,LED照明へと切り替わっている大きな変曲点であるが,各市場へいち早く最良の商品の提供をすることが大きな利益を生むチャンスでもあるため,今後も広い視野での商品企画や質の高い商品開発へ取り組み,大きな成果に結び付けていきたいと考える。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第32号掲載記事に基づいて作成しました。
(2015年5月25日入稿)

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