施設報告

維新百年記念公園陸上競技場の照明設備

国内営業本部 仙台営業所 技術課
国内営業本部 広島営業所 技術課

3．設備概要(つづき)

3.2 機器仕様

フィールド照明は，高効率メタルハライドランプ1500W(Ra＝65，定格寿命6000h)×192灯と高演色形ショートアークメタルハライドランプ2000W(Ra＝92・定格寿命3000h)×247灯(含む決勝線照明)の混光照明としている。投光器はアクロスター™とアイパワービームを使用。

本施設の場合，公式競技の開催は，年数回程度であることから，照明を全点灯させるような使用は比較的少ないことが予想される。これを考慮し，使用頻度の高い公式競技からレクリエーションレベル使用時には，高効率メタルハライドランプ1500Wのみを点灯，陸上1000ℓx・サッカー1500ℓx使用時には，高演色ショートアークメタルハライドランプ2000Wを追加点灯させ，ハイビジョン撮影にも対応できる演色性(Ra＝80以上)とし，使用レベルに応じた照明環境を確保させている。また，電源設備には，ピークカット用発電機を導入し，電力会社との契約電力容量の抑制も図られている。使用頻度の高い高効率メタルハライドランプ1500Wのローテーション使用も取り入れ，経済性にも優れた照明としている。

また，客席照明として高効率メタルハライドランプ1000W×16灯，保安照明として，ハロゲンランプ1000W×26灯を設置している。本施設の点灯パターン一覧を表1に示す。

図6，図7にサッカー1500ℓx点灯時の水平面およびメインスタンド側から見た鉛直面照度分布図を示す。また，図8に点灯状況写真を示す。

3.3 照明制御

本施設の照明制御には，多重伝送方式(I-TACS Lシステム)が採用されている。照明操作盤は，管理事務室に設置されており，他設備の盤と列盤となっている。信号線には，光ファイバーケーブルを使用，タッチパネルのグラフィック画像を見ながら簡単に操作が行えるようになっている。図9，図10に照明操作盤外形図およびタッチパネルグラフィック画像を示す。

図10 タッチパネルグラフィック画像

4．おわりに

今回，「維新百年記念公園陸上競技場」の照明設備を納入させていただいた。特に，今回納入した施設は，国民体育大会・全国障害者スポーツ大会のメイン会場となることもあり，今後，同様施設の参考にもなると思われる。最後に本施設の完成に当り，尽力いただいた関係各位に深く御礼を申し上げる。

※本施設は，平成23年照明普及賞を受賞。

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