施設報告

川越一番街 街路灯 - 蔵造りの町並みを魅力的に照らす -

営業技術部 LCS
営業本部 東日本営業部 千葉営業所
営業本部 東日本営業部 さいたま営業所

キーワード

川越一番街,行灯型街路灯,アクリルパネル透過率,ライトアップ,蔵造り(重要伝統的建造群保存地区)

1.はじめに

川越一番街は,西武新宿線本川越駅(埼玉県川越市)から北へ約1km,札の辻(元町)と仲町を結ぶ南北約420mに渡る商店街である。重厚な蔵造りの建物が並び,江戸時代の趣をそのまま残す町並みは,国の重要伝統的建造群保存地区にも指定され「小江戸・川越」の風情豊かな魅力を今に伝えている。

今回,商店街を通る県道の歩道部分で石畳の整備が実施されることに伴い,老朽化した街路灯に変わる新しい街路灯の提案が求められた。「伝統的建造物や修景建物のライトアップを町並み照明の中心とする」「街路灯は昼間の景観にも配慮し,高いポールは避け足元を中心に照らす」「小さな灯にも工夫する」などの条件のもと設計競技が行なわれ,当社の提案が採用となった(平成19年5月竣工)。

図1 改修前景観

図2 改修後景観

2.照明設計

蔵造りの町並みに調和し,主要な建物が目立つよう配慮した照明とした。

2.1 手法

従来のアームタイプの照明からポールトップタイプの照明に変更することで,電線地中化されすっきりとした町並みを,より開放感を感じられる景観とした。改修前の景観を図1に,改修後の景観を図2に示す。また,足元灯を組み入れ,商店街としての賑わい感・誘導性を演出した。

2.2 高さ

図3 照明灯高さ

人に親しみを与える高さ,また走行の多いバスの運転に支障をきたさない(運転手の目線に光が入らない)高さとして,ポールの高さを3.8mと設定した(図3)。

2.3 形状

図4 照明灯

「小江戸・川越」らしさを演出するため,江戸時代 庶民にもっとも長く,もっとも深く親しまれた「行灯」をモチーフにしたデザインとした。(図4)

2.4 光

「情緒を感じさせながら,最新の性能をもつ光」として,演色性に優れ,高効率なセラミックメタルハライドランプを採用した。改修前は水銀ランプ80W×2灯で演色性も低く,色温度も高かったが,新街路灯にはセラルクス®70W(3200K)×1灯+足元灯に電球色のコンパクト形蛍光ランプ9W×1灯を使用し,大幅な省エネを実現すると同時に明るさも向上し,夜間の安全性も確保しつつ,しっとりとした町並みになじむ,温もりのある光で照らし出している。改修前の光色イメージを図5に,改修後の光色イメージを図6に示す。

図5 改修前光色

図6 改修後光色


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