パルスドキセノン滅菌装置 大塚製薬工場で採用
2005年5月10日
パルスドキセノンの強力な光により高レベルの滅菌を実現
岩崎電気株式会社(本社:東京都港区芝3-12-4 代表取締役社長:田﨑昭夫)は、株式会社大塚製薬工場様(本社:徳島県鳴門市、社長:大塚一郎)に、パルスドキセノンランプを使用した「パルスドキセノン滅菌装置」を昨年秋に納入、徹底したバリデーション(品質確認)を経て3月より本格稼働をいたしました。
(株)大塚製薬工場は、大塚製薬グループの中核企業の一つであり、輸液(点滴液)を始めとする医療用の注射剤、及びそのプラスチック容器の研究開発・製造に関しては世界のトップメーカーで、実績と信頼を誇り、より安全な医薬品を提供するために徹底した品質管理を行っています。今回、その一環として「パルスドキセノン滅菌装置」を導入し、無菌充填品をより高レベルの無菌保証へ、更なる品質の向上と安全・安心を目的に採用されました。パルスドキセノンランプには、水銀を使用していないため、安全性および環境負荷の軽減にも寄与できます。
当システムは、プラスチック容器両面から強力な光を発するパルスドキセノンランプを瞬時に照射するため、温度上昇がほとんどありません。熱に対して不安定な薬剤・容器にも一回の照射だけで、滅菌レベル(6D:99.9999%)を可能にしました。
現在このパルスドキセノン滅菌装置は、生産ラインのスピードにあわせて稼動していますが、装置能力としては最大発光能力として1秒に2回照射可能です。
納入装置概要
| 搬送方式 | ベルトコンベア |
|---|---|
| 搬送速度 | 15.6m/分 |
| 照射方式 | 容器両面より1回照射 700J〜2000J(ジュール) (可変可能) |
| 付加機能 |
|
パルスドキセノン滅菌装置 システムイメージ図
「パルスドキセノン滅菌装置」の主な特長
パルスドキセノン滅菌装置は、キセノンランプの強力な光を瞬時に効率よく照射する新しい光滅菌システムです。従来の低圧水銀、加熱、ガス滅菌などにはないさまざまな効果があり、今最も注目されている技術の一つです。
瞬時に高度な殺菌/滅菌を実現
UVでは殺菌しにくいカビでも瞬時に滅菌する高度な殺菌・滅菌効果があり、瞬間発光のためワークの温度上昇がほとんどなく、低温処理が可能です。
| 低圧水銀ランプ (中出力) | 低圧水銀ランプ (高出力) | パルスドキセノン | |
|---|---|---|---|
| 照射時間 | 16.5秒 | 3.8秒 | 1パルス |
| 殺菌能力 | 3D | 3D | 6D |
1パルスの発光時間は0.5ミリ秒以下です
生産性の向上
充填ラインに組込み可能で、小ロットから大量生産まで効果的に対応し、他の処理方法と比較して処理時間を劇的に短縮できます。
| 高圧蒸気 | ガス滅菌 | ホルマリン | パルスドキセノン | |
|---|---|---|---|---|
| 処理時間 | 1〜2時間 | 12〜18時間 | 12〜14時間 | 0.5〜1秒 |
安全性および環境負荷の軽減
ランプに水銀を使用していないため、安全性および環境負荷の軽減に寄与できます。
| ガス滅菌 | パルスドキセノン | |
|---|---|---|
| 安全性 | 残留性あり | 残留性なし |
| 後処理の規制 | 排出規制あり | 規制なし※ |
※ランプに水銀を使用していないため、使用済みランプの処分に特別な廃棄が不要です。
【参考資料】 株式会社大塚製薬工場 会社概要
| 代表取締役社長 | 大塚一郎 |
|---|---|
| 設立年月日 | 1921年9月1日 |
| 資本金 | 8000万円 |
| 従業員数 | 2,400 |
| 住所 | 〒772-8601 徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115 |
| 取扱品目 | 医薬品、栄養製品 |
関連情報
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