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施設報告

三田商店街変身戦略プログラム ライトアップイベント 第一期工事

IoT・新規事業推進室
営業技術部 LCS
国内営業本部 国内営業部 東京広域営業所 第一営業課

キーワード

三田商店街,東京タワー,フルカラー,照明制御,カラーコントローラ,Link-Core®

1.はじめに

三田商店街は,東京都港区三田にある商店街である。東京タワーの南に位置し,商店街からは東京タワーの美しい全景を望むことができる。三田エリアを通る国道1号線,通称「桜田通り」を挟んだ商店街であり,近くには,学校やビジネス街も多く,活気にあふれている。

また,夜間に東京タワーから三田商店街のある国道1号線を見下ろすと,地上に写した東京タワーのような形になっており,もう一つの東京タワーともいわれている。

この三田商店街が港区の商店街変身戦略プログラムの指定を受け,「東京タワーを望む商店街として三田商店街のにぎわい・認知度を高める」をコンセプトとして,照明演出可能なLED照明へ改修を行うこととなった(図1)。

図1 三田商店街の景観

図2 街路灯点灯状況

600mにわたって,56基の街路灯が国道1号線を挟んで設置されており,この街路灯の丸グローブ部分の照明を,光色変化させることができるLEDへ改修を行った。

三田商店街振興組合様より「‘東京タワーを望む商店街’という特長を活かし,東京タワーのライトアップに合わせて,一体感のある演出を行いたい」との要望があり,照明演出を行う「街路灯変光システム」の導入を行った(図2)。

照明のLED化は,歴史ある商店街の景観を極力変えないよう,既設の丸グローブをそのまま利用し,光源部のみを取り換えた。また,LEDを制御するための制御装置は,新たに制御用の配線を行うことが困難なため,街路灯個々に設置し,それぞれに演出パターンを設定することで,56基の街路灯が一体となった照明演出を実現した。

東京タワーと一体感のある照明演出に加え,三田商店街独自の照明演出を加え,演出計画を行った。

2.設備概要

図3 街路灯設置状況

図3に街路灯の設置状況を示す。第一期工事では,街路灯の丸グローブ部分のLED化を行った。照明演出を行うための制御装置は,丸グローブ下の防水ボックス内に設置した。

ポールには,歩道を照らす歩道灯と景観のための丸グローブが設置されており,第一期工事では,丸グローブ部分のみ改修を行った。丸グローブ部分は,景観を変えないよう既設の丸グローブ内に収まること,幹線道路沿いという立地から周囲が明るく,ある程度の光量が必要となること,照明演出を行うため,制御可能であることなどを踏まえて,DMXにて調色が可能な36WのLED灯具を内蔵した。

また,制御装置はポール内に収まることが望ましいが,LED照明の電源,配線などで設置スペースが確保できなかったため,丸グローブ下に設置した。

図4 街路灯配置図

図4に三田商店街の街路灯の配置図を示す。なお,本図に使用している地図は,国土地理院から提供される基盤地図情報のデータを使用している。

三田商店街には,国道1号線沿いの歩道に合計56基の街路灯が設置されている。街路灯は,20〜30m間隔で延長約600mにわたって設置されている。今回,この56基の街路灯すべてを用いた演出計画を行った。

本施設は街路灯の設置区間が長く,配線整備ができないため,街路灯個々に制御装置「Link-Core」を設置し,個別で演出制御している。この制御装置は,保存された年間の点灯スケジュールに従って制御信号を出力するので,商店街全体に同一の演出データを作成することで,一体感のある演出が可能である。

3.照明演出

3.1 照明コンセプト

商店街変身戦略プログラムのコンセプトである「東京タワーを望む商店街として三田商店街のにぎわい・認知度を高める」を実現するための照明設備,演出を検討し,以下を照明のコンセプトとした。

  1. 東京タワーライトアップとの一体感ある演出
  2. 商店街独自のイベントを盛り上げる光
  3. 継続的な運用と発展

3.2 演出パターン

演出計画は通年で行い,東京タワーのライトアップに合わせた演出に,三田商店街独自のイベントの演出を加えて運用することとした。

東京タワーのライトアップと一体感を持たせるため,照明演出のベース色は,東京タワーで用いられる7色に近い光色とした。さらに,三田商店街独自のイベント(三田納涼カーニバル,歳末ビッグプレゼントなど)用に,独自のカラーを設定した。

図5,図6に2018年10月から2019年9月の演出計画を示す。

図5 年間スケジュール

図6 照明演出パターン

3.3 演出データの更新

東京タワーのライトアップや三田商店街のイベント日は毎年更新されるため,照明演出も合わせて更新する必要がある。

従来,照明演出の変更は,制御装置とコンピューターをLANやUSBで直接接続してデータを書き換えたり,新しくデータを書き込んだSDカードを制御装置へ差し替えたりして行う。

しかし,本施設では制御装置は高所に設置されているため,コンピューターとの接続や,SDカードの交換を行うには高所作業車が必要となる。さらに,場所によっては高所作業車を停車させるために交通規制が必要となり,従来の方法での演出データの更新は容易ではない。

今回設置した制御装置は,コンピューターとWi-Fiにより接続することで照明演出のデータを更新できるため,高所での作業を必要とせず,地上からのコンピューター操作で照明演出のデータを更新することができる。そのため,データ更新の手間を軽減することができ,時勢による突発的なイベントに合わせた照明演出などへの対応も容易となる。

4.おわりに

三田商店街変身戦略プログラムのコンセプトである「東京タワーを望む商店街として三田商店街のにぎわい・認知度を高める」を実現するため,演出照明が行えるLED照明への改修を行った。

東京タワーのライトアップや三田商店街独自のイベントに合わせて照明演出を行うことで東京タワーとの一体感,三田商店街の盛り上がりを実現することの一助となることができたのではないかと感じる。

また,2年目となる2018年10月以降,三田商店街振興組合様の提案により,毎月「3」「13」「23」日を「三田の日」として,独自のカラーで点灯させる演出を増やした。今後,ますます本照明設備を活用して,商店街が盛り上がっていくことに期待したい。

最後に,照明設備をご採用いただいた三田商店街振興組合様に心より深く感謝するとともに,ご指導,ご協力いただいた関係者の皆さまにお礼申し上げる。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第39号掲載記事に基づいて作成しました。
(2018年11月28日入稿)


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