ライティング講座(照明講座)
照明計画資料
道路照明 - 道路照明とは
(1)道路照明の目的と視環境
道路照明の目的は、夜間において、道路交通を安全かつ円滑に走行できるようにすることであり、次に示す視覚情報が得られる視環境を構築するものでなければなりません。
- 道路上の障害物又は歩行者などの存否及び存在位置
- 道路幅員及び道路線形などの道路構造
- 道路上の特殊箇所(交差点、分岐点、屈曲部など)の存否及び存在位置
- 車道内の路面の状態(乾湿、凹凸など)
- 車両の存否及び種類、速度、移動方向
- 道路周辺の状況
(2)道路照明の要件
道路照明において、良好な視環境を確保するためには、次に示す要件を考慮する必要があります。
- 平均路面輝度(又は空間照度)が適切であること
- 路面の輝度均斉度が適切であること
- グレアが十分抑制されていること
- 適切な誘導性を有すること
2.1 路面輝度
路上の障害物は、一般的に明るい路面を背景としてシルエットで見えます。そのため路面の明るさ(路面輝度)が十分でない場合には、障害物を視認できないことがあります。
2.2 路面の輝度分布と見え方
図1.1は、横軸に路面輝度、縦軸に障害物の輝度をとり、障害物の見え方を示したものです。斜線部分は、路面と障害物の輝度対比が小さく障害物が見えにくいゾーンです。斜線部分の上側は障害物が明るく(逆シルエットで)見え、下側は障害物が黒く(シルエットで)見えます。シルエット視と逆シルエット視の例を図1.2に示します。
図1.1 障害物の見え方特性
図1.2 シルエット視と逆シルエット視
2.3 グレア(まぶしさ)
視野の中に不適当な輝度分布があるか、輝度の範囲が広すぎるか、又は過度の輝度対比があるために、視野内の細部や物体を見る能力が減少(視機能低下グレア)、もしくは不快感(不快グレア)を生じさせる視覚の条件又は状態をいいます。
2.4 誘導性
運転者が道路を安全に走行するためには、前方の道路の線形の変化及び分合流の状況を予知する必要があります。適切に設置された照明施設には優れた誘導効果があります。
曲線部における誘導性の悪い例を図1.3に、よい例を図1.4に示します。
図1.3 誘導性が悪い例
曲線部における千鳥配列の透視図
(路面の輝度分布が不均一で誘導性も悪い)
図1.4 誘導性がよい例
曲線部における片側配列の透視図
(路面の輝度分布が良好で誘導性もよい)
(2025年4月25日入稿)
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