ライティング講座(照明講座)

照明経済と保守計画

照明経済 - 基本計算式

照明計画の際、その照明効果が適切であることはもちろんのこと、その経済性についても十分考慮しなければなりません。同様の照明効果が期待できる照明計画が複数案考えられる場合は、経済比較を行い照明計画を検討する必要があります。
ここでは、「(一社)日本照明工業会 技術資料114 照明経済計算方法(1996)」に基づいた計算方法を説明します。ただし、価格や数値がはっきりしているものについてはその値を採用してください。

照明施設の経済比較は、原則として平均照度当たりの1年間の照明費によります。これは1ℓx当たりを得るためにかかる費用のことで、この値が小さいほど経済的といえます。ただし、施設によっては年間照明費で判断した方がよい場合もあります。

1ℓx当たりの照明費=照明費/平均照度
照明費=固定費+年間電力費+維持費
固定費=光源を除いた設備費×償却係数(0.14)
設備費=照明器具費+光源費+安定器費+取付費+配線工事費

(1)配線工事費

配線工事費は分電盤以降(分電盤含む)の1灯当たりの配線費と工事費の合計となります。照明の所要電力の比率が大きくなる場合は電源トランスも含めてください。表1.1~1.3に標準的な取付配線費(含工事費)を示します。LEDの場合はHIDと同様とします。

表1.1 蛍光灯器具の配線取付単価

単位 円/台

器具の種類 設計照度(ℓx)
500未満 500以上
直付形 32形×2 18,000 15,000
埋込形 32形×2 23,000 21,000
直付形 40形×2 19,000 15,000
埋込形 40形×2 27,000 24,000
直付形 110形×1 33,000 28,000
埋込形 110形×1 48,000 40,000
直付形 110形×2 41,000 35,000
埋込形 110形×2 59,000 51,000

(備考)対象としたランプ種別は次の通りです。(以下同様)
32形:FHF32、40形:FLR40S、FLR40S/36、110形:FLR110H、FLR110H/100

(参考文献 (一社)日本照明工業会:技術資料114 照明経済計算方法(1996))

表1.2 屋内照明用HID器具の配線取付単価

単位 円/台

器具の種類(光源光束による分類) 設計照度(ℓx)
500未満 500以上
20000ℓm未満 48,000 34,000
20000ℓm以上40000ℓm未満 70,000 50,000
40000ℓm以上80000ℓm未満 116,000 81,000
80000ℓm以上 137,000 96,000

(参考文献 (一社)日本照明工業会:技術資料114 照明経済計算方法(1996))

表1.3 屋外スポーツ照明用HID器具の配線取付単価

単位 円/台

器具の種類 単価
投光器 330,000

(参考文献 (一社)日本照明工業会:技術資料114 照明経済計算方法(1996))

(2020年11月19日入稿)

このページに掲載されている情報は、原稿執筆時現在の情報です。ご覧になった時点では、最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。