メールマガジン

岩崎電気株式会社
EYE LATEST NEWS VOL.305

2020/11/18

身近な道路の安全を支える「道路照明」
自動点滅器~いつも明るく街を見守る~ ほか

こんにちは。岩崎電気です。
秋も深まり、街行く人の装いもすっかり冬らしくなってきました。
遊びに出掛けたいけど寒いのは苦手。
そんな方はドライブを楽しんでみてはいかがですか?
特に夜景の綺麗な街を通り抜ける夜のドライブは、ドラマチックで特別な開放感がありますね。

今回はそんな夜の街を美しく照らしながら、私たちの交通の安全を支える「道路照明」についてご紹介します。


目次


身近な道路の安全を支える「道路照明」

IWASAKIブランドの道路照明が大事にしていること

「道路照明」とは、私たちが普段使っている一般道路や高速道路などを照らす照明のことです。
ここでは、岩崎電気が、交通や街の安全を最大限に支えるため、道路照明において大事にしている3つのポイントについてご紹介します。

一つ目は、安全かつ円滑な走行環境の実現です。
道路上の障害物、車両、歩行者の有無や位置を認識させるとともに、道路線形や交差点などの構造を視認しやすくすることで、安全な走行の手助けをします。
具体的には、運転の支障となる眩しさが抑えられた照明器具により適切な路面の明るさを確保し、前方の道路の構造が予測できるように照明を配置します。
こうして、運転者の適切な走行を助け、事故の発生を抑制します。

二つ目は、周辺環境への配慮です。
照明を設置する際には道路周辺の自然環境への光の影響も十分に考慮します。
付近に自然環境が存在する場所では、生物のあり方を考慮した道路照明の計画と設置を行っています。

三つ目は、景観への配慮です。
近年、都市景観向上による地域活性化や歩道の整備によるバリアフリー化が推進されています。
岩崎電気では運転者や歩行者が快適に感じられるよう、それぞれの地域のニーズに応じた照明デザインと高い光学性能を持った商品の開発により、都市景観の向上に貢献しています。

町の暮らしによりそう「湧別町街路灯」

北海道の東北部、オホーツク海沿岸の真ん中に位置する湧別町は、日本三大湖の一つ、サロマ湖を抱え、緑豊かな自然環境に恵まれています。
湧別町では、既設街路灯が老朽化していたことを背景に、維持管理費の低減と省エネ対策、さらには夏場の害虫対策などを目的として照明のLED化を行いました。
照明器具には「レディオック エリア タイプG」と「レディオック エリア クオリス タイプG」をベースとしたオリジナルデザインのLED街路灯と共架灯を採用。
改修により、以前よりも街路灯の全体本数を減らしつつ、それまでと同等以上の照度を確保することができました。

道路脇に街路灯が一定間隔で並んでいる様子。
チューリップの茎を彷彿とさせる直線型のポールに、チューリップの花と魚のモチーフが取り付けられている。

街路灯のデザインに関しては、ポールにチューリップと鮭のプレートを取り付けました。
これは湧別町が2009年にチューリップが咲き誇る町「上湧別」と、新鮮な海の幸に恵まれた町「湧別」が合併して一つの町になったことから、これまで地区によってバラバラだったデザインを統一することで、町の一体感を高めるために行いました。

岩崎電気は、その街の暮らしに寄り添った照明環境の創出に取り組んでいます。


[光技術Tips]
自動点滅器~いつも明るく街を見守る~

みなさんは、「自動点滅器」をご存知ですか?
“照明の点滅”と聞いてぱっと想像するのは、イルミネーションや演出照明などでしょうか?
チカチカ、ピカピカさせるようなものかなと思いますよね?
でも実際は、もっとみなさんの身近にたくさんあって、日々の暮らしにとても役立っているものなんです。
今回は、謎多き「自動点滅器」の正体を探っていきましょう!

実は、身の回りに無数にある「自動点滅器」とは?

自動点滅器の例。
画像は円筒タイプのケースで、上の白い部分がセンサ、下の青い部分が制御装置になっている。
右は実際の街路灯ポールに自動点滅器がついている様子。

夜になるといつの間にか点灯する街路灯や防犯灯。
これらは当たり前のように普段の生活の中にあります。
街路灯や防犯灯は、昼間は消えていて、夜になると点灯し、朝になるとまた消えるようにできています。
当たり前のようなこの動作。
実はこの一連の点灯・消灯を管理しているのが自動点滅器なんです。

自動点滅器は、街路灯や防犯灯などを、周囲が明るく点灯しておく必要がない昼間は消し、周囲が暗くなったら点けるための働きをする器具です。
簡単に言えば、周囲の明るさに合わせて照明のオン・オフを自動的に行うスイッチの一種といえます。
「点滅」という言葉は、電気用語で照明の点灯・消灯の切り替え(オン・オフ)のことを指すため、このような名称になっています。

「自動点滅器」の種類と仕組み

現在実用されている自動点滅器には、「バイメタルリレー式」・「半導体スイッチ式」・「電磁リレー式」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

バイメタルリレー式

バイメタルリレー式は、一番単純な構造の自動点滅器です。
「バイメタル」とは、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたもので、温度の変化によって曲がり方が変化する性質があり、これを接点に用いています。
構造が単純なため安価ですが、周囲の温度に左右されやすく電子式に比べて正確性には劣ります。
また劣化しやすく、耐用年数は5年程度です。

電子式 (半導体スイッチ式)

電子式自動点滅器のひとつ「半導体スイッチ式」は、その名の通り、トランジスタやサイリスタなどの半導体スイッチを用いて、回路のオン・オフを行うものです。
周囲の環境や温度などに左右されにくく、耐用年数は10年程度になりますが、やや高価です。

電子式 (電磁リレー式)

電磁リレー式は、「電磁リレー」と呼ばれる電気的なスイッチを用いた方式です。
正確性に優れ、耐用年数は10年程度ですが、構造上、半導体スイッチ式に比べてもさらに高価です。

省エネと安全・安心を両立する「自動点滅器」の実用例

種類ごとに精度、寿命と価格にそれぞれメリット、デメリットのある自動点滅器。
HIDランプや蛍光灯の照明器具では、定期的にランプ交換やメンテナンスが行われていたため、自動点滅器の交換や点検もあわせて実施できていましたが、照明器具がLED化されている昨今は、長寿命のLEDのメリットを活かすためにも、電子式の自動点滅器を選択されるケースが増えています。

自動点滅器は、実際の照明においては単体での利用はもちろん、タイマや各種センサなどと組合せることで、さらに省エネや環境に配慮した運用がなされています。
また、照明器具そのものに組込まれているものもあり、様々な形で使われています。

一般の方はなかなか触れる機会はありませんが、目線の上、街路灯などの照明器具とポールの間に小さな円筒や四角の筒のような物がついていれば、それが自動点滅器です。
きっと身近な照明にもついているはずなので、皆さんもぜひ上を見上げて、見つけてみてくださいね。


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電源内蔵形LEDランプ「LEDioc LEDライトバルブK 53W/67W」 - 品種拡充 -
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2021年3月期 第2四半期決算短信 ほか
お知らせ
「LEDioc MULTILINE(ブラケット・集光形)」生産終了のご案内

編集後記

今年も残りあとわずかとなりました。
これから年末に向けて忙しくなってくる方も多いかと思いますが、お体にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
仕事や学校帰りなどの外出の際には、今回取り上げた道路の照明に少しでも目を向けていただけたら嬉しいです。

また次回のメールマガジンで皆さまにお会いできるのを楽しみにしております!

ご意見、ご感想をお待ちしております!
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