創造人×話

無限の可能性を持つ“見立て”の世界を多くの方々に楽しんでいただけたら嬉しいです。

田中 達也さんミニチュア写真家・見立て作家

今回は、ミニチュア写真家の田中達也さんをご紹介します。日常にある物を別の物に見立てたクリエイティブな作品を2011年4月から毎日更新している「MINIATURE CALENDAR」がインターネット上で話題となり、インスタグラムのフォロワー数76万7千人超え(2017年6月時点)という人気を誇る田中さんは、'17年NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックを手がけ、海外でも展覧会が開催されるなど、国内外で注目を集めているアーティストです。

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」タイトルバックより

ブロッコリーを森に見立てたり、畳が田んぼになったりと田中さんがつくり出すミニチュアの世界はどれも想像力に溢れ、独創的な着眼点に私たちは驚かされます。その豊かで柔らかな発想力はどこで培われたのでしょうか。幼少時代から美術に興味を持たれていたのですか。

プラモデルやテレビゲームが好きな、ごく普通の少年でした。ただ、もともと絵は好きだったので、高校3年生になって進路を真面目に考えた時に美術を学ぼうと考え、教育学部の美術専修に進みデザインを専攻しました。私は教員免許を持っていて、大学時代には小学校の教育実習も経験しましたが、そこで伝えることの難しさと同時に大切さを実感しました。

より分かりやすく伝えるためにはどうしたら良いかを考えることはデザインやアートにも通じることだと思っています。そして、教えることよりも自分で何かをつくる方が好きだということに気が付き、卒業後は鹿児島の制作会社に就職し、デザイナー、アートディレクターとして仕事をしていました。

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」タイトルバック絵コンテ

会社勤めをされながら、2011年4月から毎日欠かさずインスタグラムなどのSNSにミニチュア写真を投稿され、2017年には7年目に突入されたとお聞きしました。どのような経緯で始められたのでしょうか。

最初は趣味で始めたのですが、以前からジオラマ用の人形が好きで集めていたこともあり、その人形たちと身の回りにある物を使ってミニチュア写真を撮り、毎日アップしていました。そして5年程経過する内にミニチュアカレンダーの仕事が増えていき、会社勤めと両立しつつ子育てをする時間をつくることが難しくなったこともあり、2015年9月で会社を辞め、独立しました。

1日も欠かさず日々作品を投稿し続けるということは、常に新しいアイデアを考えていらっしゃるということだと思いますが大変ではないですか。

いつもアイデアは考えていて、思いついたらスマホにメモしていますが、候補はたくさんあり、また季節ごとの歳時に合わせて作品づくりの準備をしたりもしますのでアイデアに困ることはありません。

その日その日の作品に対して、SNSは瞬時にダイレクトに反応が返ってくるので、とても面白くやりがいを感じています。気がつけば作品数も2000を超えるほどになりました。

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」タイトルバック絵コンテ
ミニチュア人形コレクション

田中さんは、現在も鹿児島を拠点に活動を続けていらっしゃいますが、その活躍の場は国内だけではなく海外にも広がっています。今の時代だからこそという感覚をお持ちですか。

確かにインターネットで世界が繋がっている時代に生きている私たちにとって、作品を発信する場所はそんなに重要ではなくなってきていると思います。私の作品を世界中の方々に見ていただけるのもインターネットのおかげですし、それだけに、言葉や年齢を超えてどなたにも楽しんでもらえるような作品づくりが大切なのだと考えています。

鹿児島に住んでいても、東京や大阪などで打合せやイベントなどがあれば飛行機一本ですぐに行けるし、普段は仕事に集中できる環境にいる点も良いのではないかと思います。もし東京に住んでいたら、面白いイベントが多過ぎて自分の作品に集中できないかもしれません。(笑)