「PV(太陽電池)用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」発売

2007年10月5日

PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ
PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ

岩崎電気株式会社(本社:東京都港区芝3-12-4、代表取締役社長:熊坂隆雄)は、PV(太陽電池)の発電特性の測定・評価用に、キセノンランプを使用したPV評価装置「PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」を開発しました。

より良い地球環境を創造するために注目されている太陽光エネルギー。このエネルギーを利用するために欠かせない太陽電池(PV)の基礎研究・開発から製造、検査工程に必要なのが、太陽電池の発電特性を測定・評価する「PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」です。

「PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」は、温度環境によって発電電圧が変化するPVの特性を考慮し、キセノンランプのパルス(瞬時点灯)発光により、評価対象品の温度上昇を大幅に抑えます。必要時のみの瞬時点灯なので、省エネルギーにも貢献します。従来主流となっているショートパルス方式(発光時間3msec以下が主流)では、1パルスあたりの測定ポイント数が少ないため、複数の発光で得られたデータを組み合わせるといった作業が必要でした。「PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」では、ロングパルス方式(発光時間60~120msec)を採用し、1パルスあたり100ポイント以上の高精度データ取得が可能になり、データ処理時間が短縮され生産効率が向上します。

シリコン系(結晶シリコン・薄膜系シリコン)、非シリコン系太陽電池など、現在市場に出ている主なPV製品に対応可能です。

  • ※ msec [単位]:ミリセカンド。1,000分の1秒

岩崎電気では、光源メーカーの技術力を活かし、新しい高出力の光源「パルスドキセノンランプ」の殺菌力を応用して、殺菌・滅菌装置を製造し、製薬・食品分野などへ活用しています。その高い信頼性をもとに、このたびPVの製品特性をより早く・より正確に測定・評価するための光源へ展開し、「PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ」を開発いたしました。

これまでメタルハライドランプを使用した定常光方式のソーラーシミュレータを販売してきましたが、今回のラインナップで、定常光方式、ロングパルス方式、2タイプの装置提供が可能となりました。

今後、太陽電池(セル、モジュール)開発・製造や、太陽電池利用製品メーカー、試験機器メーカーを始めとしたPV関連企業への営業展開を進め、国内だけでなく、海外市場への拡販も展開予定です。より太陽光に近い特性のランプの開発や、当該光源を利用した試験装置および製造装置の開発を進めるとともに、既存のUVやメタルハライドランプ利用の耐久性試験装置も合わせたPV関連商品の開発も含めてPV市場に本格参入し、環境保全に役立つ太陽電池開発に寄与していきたい考えです。

尚、2008年4月発売に先駆けて10月10日からの「新エネルギー世界展示会」(幕張メッセ)に出展いたします。

主な特長

ロングパルス発光の採用で、1パルスあたり100ポイント以上の高精度のIVデータ測定が可能になり、トータル処理時間が大幅に短縮できるので、生産効率の向上が図れます。

PV用 パルスドキセノン ソーラーシミュレータ 装置概要

主なシステム構成機器

  • パルス照射炉
  • IVカーブトレーサー(本体、PC/モニター、デジタル温度計)
  • 電源装置

パルス照射炉

  • 寸法 : W 1,300×D 2,300×H 1,200(mm)
  • 有効照射面積 : 1,000×1,400(mm)
  • 光源 : パルスドキセノンランプ
  • 照度場所ムラ : ±2%以下(等級A)
  • 照度時間変動率 : ±1%以下(等級A)
  • スペクトル合致度 : ±25%(等級A)
  • 入力電源:単層200V、32A(最大)
  • ※「JISC8912結晶系太陽電池測定用ソーラーシミュレータ」より

IVカーブトレーサー

  • 測定対象 : サンプル電流、サンプル電圧、リファレンス電流、リファレンス電圧
  • 測定精度 : ±0.2%

本体価格(参考値)

3500万円~ (モジュールサイズ、設置環境等により異なります)

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