太陽電池モジュール評価用 光照射環境試験装置を新開発
2004年8月9日
(財)電気安全環境研究所に納入
(左)照射装置/(右)電源装置
岩崎電気株式会社(本社:東京都港区芝3-12-4、代表取締役社長:田﨑昭夫)では、日本初となる太陽電池モジュール評価用 光照射環境試験装置を、(財)電気安全環境研究所(JET)(本社:東京都渋谷区代々木5-14-12、理事長:高木宏明)と共同開発し、2004年3月、同研究所に納入しました。本装置は、JETと岩崎電気との共同で特許出願をしています。
環境問題、エネルギー資源の枯渇などが深刻な問題となってきている今、エネルギーの供給度を自然エネルギーに少しでもシフトさせようとする、さまざまな取り組みが実施されています。太陽光エネルギーから電気エネルギーを生み出す太陽光発電は、発電に際して地球温暖化の一因である二酸化炭素や有害物質を一切出さないクリーンエネルギーとして注目され、本格的普及の段階にきています。
世界の太陽電池の生産量は年々増加し続け、2003年には742メガワットと1998年の153メガワットから8年間で実に5倍に拡大しました。この内、日本メーカーはベスト10に4社が入っていて、4社の合計シェアは46.5%と世界生産の半分近くを占め、今後、ますます太陽電池の普及が見込まれています。
生産量の拡大に伴い、製品の性能評価の基準統一や製品認証の必要性が高まり、JETでは、太陽電池セルの校正サービスに続き、太陽電池モジュールの認証業務をスタートしました。太陽電池モジュールの性能、信頼性及び安全性を確保して、太陽光発電システムのさらなる普及を図るもので、モジュールごとに国際電気標準会議(IEC)規格に整合したJIS規格に基づく認証試験、工場の品質管理体制等の確認を行った上で認証される制度です。国内外の認証制度は、太陽電池製造者とユーザー相互の信頼性を確保し、太陽電池の国際的な流通を推進することで世界的な市場拡大を後押しする動きとして期待されています。
この太陽電池モジュール評価試験の一つとして、耐紫外線環境試験の導入が検討されており、光環境シミュレーション装置で実績のある岩崎電気が(財)電気安全環境研究所より注文を受け試験装置の開発を行いました。
本環境試験装置は、幅1.8m×奥行1.5mというワイドな照射面を持ち、太陽電池モジュールを2枚入れて、紫外線を一定時間照射する試験を行うことが出来ます。多灯式である点を特長とし、光源には紫外線ランプ(300〜400nmのみを透過するフィルター付)を用いており、最大で5サン強度(1サン強度=4.6mw/cm²:快晴の日の紫外線量)の紫外線を出力できるので、多様な試験に対応可能となっています。
また、2.7m²の広い照射面に太陽光と同様な均斉度を実現させると同時に、1サン強度から5倍の5サン強度までを実現させるため、光源自体のパワーコントロールと装置本体のシステムフィルターを組み合わせることにより、試験パターンに合わせた照射量のコントロールを行っています。
岩崎電気では、光源技術と制御技術を駆使して、本環境試験装置の納入を手始めに、太陽電池メーカー、周辺機器メーカーや研究機関への光環境シミュレーションシステムの営業を本格化していく計画です。
太陽電池モジュール評価用 光照射環境試験装置 概要
| 概要製品名 | 光照射環境試験装置 |
|---|---|
| 仕様 |
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| 販売目標 | 5システム/年 |
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