ライティング講座(照明講座)

照明計画資料

サービスステーション照明

関連資料

  • JIS Z 9125:屋内照明基準(2023)
  • JIS Z 9126:屋外照明基準(2021)

(1)目的

サービスステーション照明の目的は、顧客に対しての誘引効果とともに、よりよいサービスが提供できるように視環境を整備することにあります。具体的には次の事項が考えられます。

  1. 走行中の車両(ドライバ)が、サービスステーションの存在と、系列メーカー、営業中であるか否かをすばやく確認できる
  2. 車両の出入りが安全かつ容易に行える
  3. 容易に給油、洗車、車検、整備などの作業を行える
  4. 休息の場として利用できる
  5. 災害時には地域の防災拠点として使用できる

また、環境保全・省エネルギーなどの地球温暖化防止対策という点から、省エネルギーにも注意しなくてはなりません。サービスステーションでの必要な明るさを確保することとともに重要です。

(2)推奨照度

照度基準は、JIS Z 9126 (屋外照明基準)などに示されていますが、上記の目的を実現するための推奨照度を表7.1に示します。

表7.1 推奨照度
屋外 屋内 照度[ℓx]
進入・退出路 - 20~50
- 用品庫・雑品庫 50~100
- コンプレッサー室・湯沸室 70~150
- シャワー室 100~200
給油機周辺・防火塀・キャノピーエッジ・洗車エリア - 150~300
- セールスルーム・サービスルーム・事務室 300~500
看板・その他・アクセント - 500~1000

(3)照明設計のポイント

屋外照明における設計のポイントを表7.2に、屋内照明における設計のポイントを表7.3に示します。

表7.2 屋外照明設計のポイント
場所 設計のポイント
給油機周辺(キャノピー)
  • サービスマンの作業が速やかに、安全確実に行える明るさであること。
  • 水平面照度・鉛直面照度が高くグレアの少ないこと。
進入・退出路(アプローチ)
  • 車両(ドライバ)が入りやすく、安全であること。
  • ドライバーに対し障害物が視認できるだけの路面の明るさがあること。
  • 通行中のドライバー又は歩行者に対しグレアの少ないこと。
駐車・洗車エリア
  • ユーザー・サービスマンの作業が行いやすく、車両の移動が安全に行えること。
  • 障害物が視認できる明るさであること。
防火塀・キャノピーエッジ
  • サービスステーションの存在と営業中であるか否かすばやく認識できる明るさであること。
  • 系列メーカーであるか否かをすばやく判別できること。
  • 周辺への光の影響を少なくすること。
看板・その他(アクセント)
  • サービスステーションの存在と営業中であるか否かすばやく認識できる明るさであること。
  • 過度なグレアとならないこと。
  • 系列メーカーであるか否かをすばやく判別できること。
表7.3 屋内照明設計のポイント
場所 設計のポイント
セールスルーム
  • 商品の展示、仕入品の販売を行うために十分な照度と演色性が要求され、スポットライトなども補助照明として必要。
  • 休憩室の照明には清潔感のあるものが望ましい。
  • グレアの少ないこと。
事務室
  • 伝票の整理などの事務作業を行うのに十分な照度であること。
サービスルーム
  • 車両の点検整備のためサービスマンが容易にかつ安全に作業できる明るさが必要。
  • リフト使用時には補助照明が必要。
用品庫
  • ストックの製品が容易に視認できる明るさであること。
雑品庫
  • 危険物を収納するため防爆構造の機器を使用すること。
コンプレッサー室
  • 回転機を使用するため保守点検を考慮し、LEDなど瞬時に点灯できる光源を使用すること。
シャワー室
  • 防湿形の器具を使用すること。

(2025年4月25日入稿)

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