皇居外苑のあかり

皇居外苑とは


皇居外苑は、昭和24年4月に旧皇室苑地の一部が公園として開放された国民公園です。
皇居前広場を中心とした皇居外苑地区、皇居の北側に位置する北の丸地区、皇居を取り巻く12のお濠と堤塘の外周部に大別されます。
皇居外苑全体の面積は約115haで、皇居の広さ約115haとほぼ同じ広さを持ち、両者を合わせると約230haと東京ドーム約49個分に相当します。

皇居前広場は、クロマツの点在する大芝生広場と江戸城のたたずまいを残す濠、城門などの歴史的建造物とが調和し、日本のシンボル的な公園として広く親しまれています。
また、和田倉濠に面した地区には、今上天皇のご成婚を記念して昭和36年につくられた和田倉噴水公園があり、皇太子殿下のご成婚を記念して平成7年に再整備されました。大噴水や流水施設など、美しい水の演出を楽しむことができます。

皇居外苑照明設備等低炭素化整備工事について

国民公園として広く開放されている皇居外苑では、低炭素社会の実現へ向けて環境に配慮した照明環境をつくるため、公園内の屋外照明をLED化する再整備工事を実施しました。対象は、皇居前広場、和田倉噴水公園、北の丸公園の三地区で、街路灯、歩道灯、噴水用水中灯などの屋外照明器具を全てLED化し、CO₂排出量の大幅削減を達成。省エネに貢献する光で、安全・安心を確保した快適な視環境をつくりました。LED化にあたっては、LED技術が急速に進歩し続けていることを背景に、計画を実施していく中で新しいもの、より良いものを開発し具現化することができるよう高い理念を持って整備されました。

本事業に携わった全ての人々の努力と技術力の結集により完成した今回の取り組みが、今後のLED照明化におけるひとつのガイドラインになってくれることを願っています。

コンセプト

低炭素社会への対応

光源のLED化により皇居外苑の屋外照明全体でのCO₂排出量削減を図る。また、上方向への光を抑制するなど、環境に配慮した照明計画を実施する。

皇居の象徴性・静謐性の継承

平和的文化的国家の象徴である皇居を取り囲む空間であり、江戸城の歴史的景観を残す皇居外苑の性格を損ねないこと。

安全・安心の確保

各地区の持つ特性に合わせた照明手法を駆使し、質の高い光を整えて利用者の安全・安心な通行を確保する。

皇居外苑照明設備等低炭素化整備工事
施主
環境省 皇居外苑管理事務所
設計
株式会社 日建設計
電気工事
中央電気工事株式会社
照明器具
岩崎電気株式会社
竣工
平成23年3月

※掲載されている内容は、取材時現在の情報です。ご覧になった時点では内容が変更されている場合がありますので、あらかじめご了承ください。