光害とは

光害対策ガイドライン

光害とは

平成10年3月、環境庁(現環境省)により『光害対策ガイドライン~良好な照明環境のために』が策定されました。(平成18年12月改訂)
「光害(ひかりがい)」とは、良好な「光環境」の形成が、人工光の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れ光によって阻害されている状況、又はそれによる悪影響と定義されています。

様々なものに影響を与える光害

光害の原因

光の向きや照射具合によって、光害の原因には以下のようなものが考えられています。

上方光束
照明器具から出る水平より上方へ向かう光束。
漏れ光
照明器具から照射され、その目的とする照明対象範囲外に照射される光。
障害光
漏れ光のうち、光の量か方向、またはその両者により、人の活動や動植物などに悪影響を及ぼす光。

光害を抑える照明器具の推奨性能項目

街路照明器具を対象に、光害を抑える推奨性能項目として6項目が設定されています。これらの基準はJISや各種技術指針などの既存基準を踏まえたうえで、光害抑制の観点から、「漏れ光」の抑制など街路照明器具単体として配慮すべき事項がまとめられたものです。

評価項目
  1. 総合効率
  2. 照明率
  3. 上方光束比
  4. グレア及び人間活動への影響
  5. 動植物への影響
  6. 照明の時間設計
  • ※ 照明器具内の光源全部から出る光束のうち、被照面に達する光束の割合。

CIE(国際照明員会)の環境区域

表10.1 環境区域
区域 環境 光環境
E1 自然 本来暗い 国立公園、保護された場所
E2 地方 低い明るさ 産業的または居住的な地方領域
E3 郊外 中間の明るさ 産業的または居住的な郊外領域
E4 都市 高い明るさ 都市中心と商業領域

障害光を抑制するための照明技術特性値の許容最大値

照明技術的指標 利用条件 環境区域
E1 E2 E3 E4
(a)周囲地所の照明の限界(侵入光)
規制は、近隣住居、潜在的住居、特に窓のような関係する面や部分に適用する。値はすべての照明器具の総和である。
表 2.2 地所における鉛直面照度の限界
鉛直面照度(Ev:ℓx) 減灯時間前 2 5 10 25
減灯時間以降 0 1 2 5
  • ※注:もし照明器具が公共(道路)照明用の場合はこの値は1ℓx以下。
(b)視野内の輝きの高い照明器具の限界
規制は、照明器具の輝きが居住者に迷惑を与えそうな方向において、個々の照明器具に適用する。観察点は、そのような眺めが継続する位置であり、一時的・短期的状態は含まない。
表 2.3 指定された方向への照明器具の最大光度値
照明器具の光度(I:cd) 減灯時間前 2500 7500 10000 25000
減灯時間以降 0 500 1000 2500
  • ※注:照明器具が公共(道路)照明用の場合は、この値は500cd以下。
(c)交通機関への影響の限界
表 2.4 道路照明以外の照明施設からの閾値増加の最大値
  道路分類※1
  • ※1:区分はCIE 115-1995に示された道路の区分。
  • ※2:限界値は、交通機関の使用者の重要な情報を視認する能力が、低下する場合に適用。
  • ※3:光幕輝度に対しては、表5.2に対応する等価光幕輝度Lvの制限値を示す。
道路照明
なし
M5 M4/M3 M2/M1
閾値の増加※2・3
(TI:%)
15
順応輝度
0.1cd/m²
15
順応輝度
1cd/m²
15
順応輝度
2cd/m²
15
順応輝度
5cd/m²
(d)過剰に照明された建築物の壁面と看板
表 2.5 建築物壁面と看板の平均輝度の最大許容値
建物表面の輝度(Lb) 平均照度×反射率/πより求める。 0
cd/m²
5
cd/m²
10
cd/m²
25
cd/m²
看板の輝度(Ls) 平均照度×反射率/πより求める。又は、自発光しているものの輝度 50
cd/m²
400
cd/m²
800
cd/m²
1000
cd/m²
  • ※注:値は地区E1を除いては、減灯の以前・以後の両時間帯に適用。看板の値は、交通管制標識には適用しない。これらの値はCIE74-1988に示す。区域E1及びE2では、周期変動あるいは点滅的な性質の照明を伴う看板の使用は認めない。どの分類の区分でも、住居の窓の近傍に取り付けるべきではない。

上方光束比

照明器具から出る光束のうち、水平より上方へ向かう光束の割合。

地域特性に応じた照明環境類型と上方光束比
照明環境類型 対象イメージ CIE(国際照明委員会)による環境地域 空間イメージ 上方光束比
照明環境Ⅰ
「あんぜん」
自然公園・里地・田園 本来、暗い場所を伴う領域:国立公園、際立った自然景観をもつ領域 下方向に効率良く光を制御し、周辺環境にやさしい空間を創造します。 0%
照明環境Ⅱ
「あんしん」
里地・郊外 周辺の照度が低い領域:一般的に市街地及び田園地帯の外側の領域(地所に宅地道路基準で照明される道路が含まれる場合) 下方向中心に光を制御し、漏れ光とグレアを抑えながら明るさ感のある空間を演出できます。 0~5%
照明環境Ⅲ
「やすらぎ」
地方都市・大都市圏及び周辺 周辺の照度が中間的な領域:一般的に市街地 下方向と周囲を適度に照らす光で、空間に広がりが生まれ、安心感を持たせます。 5~15%
照明環境Ⅳ
「たのしみ」
都市中心部 周辺の照度が高い領域:一般的に宅地と商業地が混在する市街地で夜間の活動が多い領域 下方向と空間に適度に広がる光が、にぎわいと活気のある空間を創造します。 15~20%

グレア

  1. 基本的には、既存JIS、技術指針に従う。
  2. ハイウェイ灯の場合、JIS C 8131「道路照明器具」における光特性の項目に従う。
  3. 街路灯などは、照明学会・技術指針「歩行者のための屋外公共照明基準」におけるグレアの制限の項目に従う。
  4. 設置条件に応じて、環境への影響の有無を「屋外照明等設置チェックリスト」で確認する。
  5. HIDランプを使用する場合、器具の透過材を通して通常の通行に際し、光源が目に入らないように配慮する。
照明学会「歩行者のための屋外公共照明基準」における「グレア制限」の項目(取付高さ10m未満のもの)
鉛直角85°以上の輝度 20000cd/m²以下
照明器具の高さ 4.5m未満 4.5~6.0m 6.0~10m
鉛直角85°方向の光度 2500cd以下 5000cd以下 12000cd以下

※鉛直角85°方向の光度から推定してもよい。

省エネルギー性の高い光源の使用(総合効率の向上)

街路照明機器の効率は、その設置目的に応じて、照明率、ランプ効率、点灯装置の効率などによって、総合的に評価されるものである。
省エネルギーの観点から、街路照明について、ランプ入力電力が200W以上の場合には総合効率60[ℓm/W]以上、ランプ入力電力が200W未満の場合には50[ℓm/W]以上であることを推奨する。

ランプの総合効率例(200V)
ランプ 光束(ℓm) 安定器入力電力(W) 総合効率(ℓm/W) 判定
水銀ランプ HF100X 4200 113 37.2 ×
HF250X 12800 260 49.2 ×
HF400X 22000 415 53.0 ×
高圧ナトリウムランプ NH110FLS 10600 125 84.8
NH220FLS 25000 230 108.7
NH360FLS 45000 375 120.0
セラミックメタルハライドランプ MT70FCE-LW/S-G-2 6500 92 70.7
MT150FCE-LW/S-G-2 14400 185 77.8
M230FCELSP-W/BUD 25300 250 101.2
M360FCELSP-W/BUD 43500 395 110.1
[参考]
LEDランプ
レディオック LEDライトバルブ
LDTS29N-G(昼白色) 4000 34.0 70.7
LDTS56N-G-E39(昼白色) 8000 63.0 126.9
LDTS70N-G-E39(昼白色) 10000 80.0 125.0
LDTS103N-G-E39(昼白色) 13500 115.0 117.3

※入力電力の値は各LEDランプの専用電源ユニットの組合せ(200V時)の特性値を示します。

特殊事例における配慮事項

上記の推奨項目における推奨基準を満たす状態においても、居住者、天体観測への影響、動植物・生態系への影響が大きいと懸念される地域・状況においては、個別事情に応じて、フード、ルーバ、遮光板の設置などの追加装備による対策を行う。

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