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EYE LATEST NEWS VOL.303

2020/09/16

“レモン色”を守る。仙台駅西口のガス灯をLEDに
照明制御 ~国際規格「DALI」とは?~ ほか

こんにちは。岩崎電気です。
朝夕は心地いい風が吹いて、だいぶ過ごしやすくなりました。
秋の訪れを感じられますね。

さて今回は、住み慣れた街の景観を守りながら、照明のLED化を進めた仙台駅西口の事例をご紹介します。
仙台駅西口では、「杜の都・仙台」にふさわしい植栽の間に立ち並ぶガス灯のある風景が、市民に広く親しまれています。
仙台市では、この美しい街並みを守りながら、ガス灯をLED化しました。

街を彩ったガス灯も、経年劣化による不具合が

仙台駅西口のガス灯のある街並みは、旧建設省が1990年度に主催した「街灯のある街角30選」にも選ばれるなど観光客や市民など多くの人に親しまれています。
仙台駅前にガス灯照明が設置されたのは、1987年のこと。
地下鉄の開通に合わせて、駅前の商店街の人々が市に寄贈しました。
ガス灯は市民の、街への愛のシンボルでもあったのです。

しかし設置後30年が経過し、117基・238灯あるガス灯のうち100基・200灯以上に経年劣化による「点灯しない」・「錆びて腐食している」などの不具合が確認されました。
仙台市は、2017年に改修計画をたて、2018年度からの5年間でLEDへの更新や一部撤去を進めることを決めました。

伊達政宗公騎馬像が据えられた灯具

“レモン色”の灯りをそのままに

今回の改修工事では、東北の拠点都市・仙台の魅力ある景観を守るために灯具のデザインは変えずにLED化することを最重点課題とし、特注仕様で設計しました。
LEDランプは、“レモン色”と呼ばれるガス灯独特の柔らかで温かみのある光に近いものを選びました。
異なるランプを使用した3基を試験点灯して、見え方についてのアンケートを市民の皆様にお願いし、より街並みに合う色味を選定しました。
また、ポールの劣化状況を確認し、強度や健全性を検証した上でもう一度塗装・再利用することで、景観を維持しました。

街並みに馴染むあたたかいLEDのあかり

このように、仙台駅西口の街灯は、LED化された後もノスタルジックな雰囲気を残し、昔からこの地に住む人々にも親しまれる景観を演出しています。
岩崎電気としても、安全で省エネなだけでなく、景観を守るためのプロジェクトにご協力できたことを大変うれしく思っています。

[光技術Tips]
照明制御
~国際規格「DALI」とは?~

DALIとは、照明の調光制御に特化した制御規格です。
国際規格として認証を受け、ヨーロッパをはじめ、世界中に広く普及しています。
日本でもLED化が進むにつれて、普及がすすみ、規格に対応する照明器具なども増えてきています。

それでは、DALIの大きな特長を3つご紹介します。

1、1台ごとの制御ができる!

DALIは、照明器具1台ずつにアドレスを設定できるため、配線系統にとらわれない個別制御が可能です。
例えば、従来は同じ配線の照明器具は同時にオンオフ・調光されてしまいましたが、DALIを導入すれば、操作したい器具1つひとつに狙いを絞って制御することができます。
それだけではなく、シーンやグループを設定することで今まで通りの一斉オンオフや調光をすることも可能です。
また、配線にとらわれないので照明器具の追加や削減、配置変更への対応も簡単です。

個別制御と照明のグループ設定

2、選択肢が豊富!

DALIの規格に対応していれば、どんなメーカの製品でも利用することができます。
照明器具はもちろん、センサやスイッチ類も複数のメーカから選ぶことができるので、使用目的やシーンに合わせた自由なカスタマイズが可能です。
また、メーカを問わず制御できることは、初期費用を削減にも貢献。
規格に対応していれば、既存の設備をそのまま使用することもできます。

また、器具ごとの明るさの違いを考慮した設計ができるので、あとから1つだけ照明器具を入れ替えた場合でも、明るさのむらを抑えることができます。

国内外のメーカを問わず照明制御

3、点灯状況がわかる!

コントローラと照明器具が双方向で通信できるため、コントローラのインターフェース上で指示が適切に照明器具に反映できているか確認できます。
器具の故障なども遠隔場所からすぐに把握できるため、メンテナンスの効率もアップします。

双方向通信で点灯状況を遠隔で確認

このように、特に複数の照明器具を設置する空間で使用するメリットが豊富なDALIによる照明制御。
工場や倉庫など、現在水銀ランプをお使いの施設で、LED化のリニューアルをご検討の方も多いかと思います。
より付加価値の高い照明設備を考慮し、照明制御システムも併せてご検討いただければと思います。

次回は無線による照明制御についてご紹介する予定です。

編集後記

9月になると“防災”について考える方も多いと思いますが、
大型台風や地震の影響でより身近なものになりました。
先日行ったお店でも防災グッズの特集をしていて、
保存食の味のバリエーションが増えていたり、携帯トイレが進化したりしていました。
家にいる時間も多い時期なので、いざという時の備えをしっかりしておきたいですね。

さて、今回アイちゃんは月でウサギたちとお餅つきをしてきました。
今年の中秋の名月は10月1日です。
日本では月の模様を「ウサギがお餅をつく」という捉え方をしていますが、調べてみたら外国では「カニ」や「ロバ」、「女性の横顔」など様々な見方がありました。
今年はウサギを眺めながらも、新しい何かを見つけてみたいと思います。

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