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創造人×話

ダンボールの持つ温もりを大切にした作品をつくり続けていきたいと思っています。

大野 萌菜美さんダンボール女子

今回は、戦車やスニーカー、楽器など様々な作品をダンボールでつくり上げ、その緻密かつ繊細な完成度の高さから「ダンボール女子」として注目を集めていらっしゃる大野萌菜美さんをご紹介します。
大学在学中からダンボールを使った作品をつくり続け、マニアックな人気があった大野さんは、今ではテレビやラジオ、新聞などの媒体に登場することも多く、これからますますの活躍が期待される才能溢れる若きクリエイターの一人です。

2016年 銀座での個展の様子

ダンボール女子として注目されていらっしゃる大野さんですが、小さい頃はどんな少女時代を送られていたのでしょうか。

小学生の頃は工作づくりが好きな子供で、中学校に入ってからはアニメ作品“エヴァンゲリオン”の大ファンになり、アニメーターになりたいと強く思うようになりました。そして大学も大阪の美大に進み、そこでキャラクター造形学科を専攻してアニメやイラストを勉強していました。

アニメーターを目指していらした大野さんが、ダンボールを使って作品をつくり始めたきっかけをお教えください。

アニメーションを学んでいる時にペーパーアニメの作品をつくりたいと思ったのですが、ひとつひとつの絵を描いて色を塗りストーリー構成を決めていくといった膨大な作業を一人で進めることは非常に大変で、時間もかかるということに気づきました。そこで立体をつくって、それを少しずつ動かして撮影するという手法に切り替えたことがきっかけとなりました。立体をつくるにあたっては材料費を節約しなければならず、家にあったダンボールを使ってみようかと思ったのです。

小学生の頃に工作好きだった気持ちが甦り、モノづくりの面白さを再認識したように思います。ダンボールでいろいろなモノをつくっていく内にその魅力に惹かれ、現在に至っています。

74式戦車

大学に在学中の頃から作品を発表されていらした大野さんですが、卒業後はすぐに独立されたのですか。

大学生の時は、モノづくりの現場に関わってみたいと思い、フィギュアの造形・企画制作会社の海洋堂さんや立体看板などを制作する造形屋さんなどでアルバイトをしていました。
そして卒業と同時に東京に来て、仮面ライダーなど特撮のスーツなどをつくる造形の会社でアルバイトをしながら自分の制作活動を続けていました。

アルバイトを辞めて、ダンボール作品づくりに専念し始めたのは、数年前のことです。

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したデロリアン(後部)

作品を発表する機会はどのようにしてつくっていらしたのですか。

大学ではじめてダンボールを使ったアニメをつくった時に先生に褒めてもらい、嬉しくなってスニーカーなど他の作品をつくって見ていただいたところ、SNSで写真をアップしてみたら? というアドバイスがあり、それからFacebookなどで作品写真をあげてみたりするようになりました。
最初は戦車だったのですが、それが話題となり、初めて雑誌の取材を受けたり、戦車をたくさんつくって個展を開く機会に繋がったりと思ったよりもSNSを通じて大きな反響があって驚きました。

台湾から仕事の依頼があったのもFacebookを介してでしたし、SNSは世界に繋がっていることを実感しています。

若い女性である大野さんの作品が戦車というのもユニークですが、そもそも戦車を題材にされた理由を教えてください。

私は、もともとプラモデル屋さんに行ってフィギュアや戦車、戦闘機などのプラモデルを見ることが大好きだったのですが、そんなに買えはしないので資料を集めてダンボールで戦車をつくってみたところ、思いがけず多くの戦車ファンの方々から好評をいただきました。

最近、ロンドンに一人旅をした際も世界最大の戦車博物館に行きましたし、いまだに戦車への興味はつきません。
戦車をきっかけにダンボール作品をつくる面白さに気づき、いろいろな対象物をモチーフにモノをつくることが楽しくなりました。

戦車だけではなく、実際に履けるスニーカーや管楽器、お菓子など様々な作品を発表されていますが、ダンボールを素材にする魅力についてお聞かせください。

アルトサックス

もちろん安価で身近にある素材である点も魅力ですが、ダンボールが持つ独特の温かみが一番の魅力だと考えています。
「可愛く見せたい」ということが私のテーマですので、温もりのある雰囲気を大切にするため、機械を使わずはさみでカットして、断面に柔らかい丸みをもたせるように工夫しています。

以前はAmazonなどのダンボールを使ったりもしていたのですが、企業のロゴが入っていたり、色味に違いがあったりしますので、今は厚み3mm・A3サイズのダンボールシートを購入して使用しています。

ピザポテト
オレオ

大野さんは設計図を描かないで制作に入られるとお聞きしましたが、頭の中で設計図を描いていらっしゃるのでしょうか?

最初の頃は描いていたこともあったのですが、設計図を描くより頭の中でざっと設計してつくる順番を決めた方が早いことに気づき、それからは描かずにつくっています。
私はひとつの作品づくりに集中したいので、並行してつくることはなく、自分の作品をつくっている時に仕事が入った場合は、いったん自分の作品づくりは中断して、その仕事に取りかかるようにしています。

多方面から注目されている大野さんですが、現在のお仕事、そして今後の展望を少しお聞かせください。

最近は、たとえば携帯電話の会社と玩具メーカーからの依頼でPR用のコラボ作品をつくるなど、企業からのご依頼の仕事が増えてきています。一方で今まで同様、自分の好きなテーマを決めてダンボール作品づくりも続けており、2018年にはまた個展を開催する予定です。

私は、まだまだ自分のスタイルというものを確立するまでには時間が必要だと思っていて、今はいろいろなモノをつくって試行錯誤しながら技術を磨き、オリジナル作品づくりに取り組んでいきたいと考えています。定期的にワークショップも開催していますので、さらにたくさんの方々に参加していただけると嬉しいです。

NIKE AIR JORDAN

大野 萌菜美(おおの もなみ)

1991年、和歌山県生まれ。
大阪芸術大学キャラクター造形学科卒業。
在学中より小学生対象の絵画塾に勤める。
大学2年時である2012年「NPO法人南大阪地域大学コンソーシアム」主催の「南大阪の歩き方発表会」にて優秀賞受賞。2013年には「大阪芸術大学展示プロジェクト京2013」にてキャラクター造形学科賞などを受賞。同時にダンボール作品を発表しはじめ、数々の雑誌掲載やイベントに出展。2015年夏には台湾の「小琉球正好友生熊環保旅店」からの依頼を受け海外進出も果たす。
2016年、銀座チーパズギャラリーでの個展でメジャーデビュー。
現在、DMM主催のオンラインサロンや、毎月1回、六本木で開催されるワークショップで自らも講師を務める。
主な著作「ダンボールで作るおもしろ自動販売機」(ブティック社)、「ダンボールアートワークス 大野萌菜美作品展 図録」(サイバーダイン社)など。

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