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2022/09/15
星降る島、神津島村の夜間景観を守るLED
「光害」を防止するために ほか
こんにちは。岩崎電気です。
「秋の日はつるべ落とし」というように、だいぶ日が落ちるのが早くなってきました。
暗くなると聞こえてくる虫の声にも秋の訪れを感じずにはいられませんね。
今回は、夜間景観を守るLEDについてご紹介します。
目次
星降る島、神津島村の夜間景観を守るLED
神津島は、東京から約180km離れた面積約18.6平方キロメートルほどの小さな島。伊豆七島のひとつに挙げられます。その昔、事代主命(ことしろぬしのみこと)という神様が、伊豆の島々を作るために、他の神様たちと集まって相談をする拠点としたという言い伝えがあります。年間を通じて温暖な気候で、海は透明度が高く、ダイビングや釣りといったマリンレジャーや、キンメダイ漁を中心とした漁業が盛んな島です。絶滅危惧種である「カンムリウミスズメ」の生息地でもあり、夜には、島全体がまるで天然のプラネタリウムのように、満天の星空が広がります。島の人々は昔から美しい星空とともに生活してきました。
神津島村の美しい星空。『よたね広場の星空』〈写真提供：藤井 智久さま〉神津島村は、その星空を守り、島の子どもたちへ受け継いでいくため、2019年ごろから国際ダークスカイ協会(IDA)による「星空保護区」認定に向けて取り組みを始めました。夜空に光が漏れないようにするための島内の屋外照明の大規模な改修工事においては、岩崎電気がLED照明器具を納入しました。
認証要件である光害に配慮した配光性能として、
- 上方への光漏れを防ぐ専用ルーバを設置(防犯灯)
- 取付角度を水平にする専用金具を製作(防犯灯)
- 夜間環境への影響を抑制するための光色(2700K)に変更
上記の内容で、既存LED道路灯やLED防犯灯を特注対応にて製作しました。都道部分は東京都が工事を行い、2022年3月末で島内すべての街灯の改修が完了しました。
光害対策型のLED道路灯「レディオック ロード」で神津島の夜空の暗さが守られている島全体での光害対策への取り組みが認められ、神津島村は2020年12月に島全域が、国内2例目、東京都では初めての「星空保護区」(ダークスカイ・パーク)に認定されました。
神津島のキャッチコピー“東京の星降る島”。その夜間景観と光環境は、厳しい基準をクリアし、島をやさしい灯りで照らす岩崎電気のLED照明器具が支えています。
神津島村の道路灯・防犯灯についてはこちらの記事をご覧ください。
[光技術Tips]
「光害」を防止するために
「光害(ひかりがい)」とは、「良好な光環境」の形成が、人工光の不適切あるいは配慮に欠けた使用や運用、漏れ光によって阻害されている状況、またはそれらによる悪影響と定義されています。
光害を起こす原因となる屋外照明には、道路灯や街路灯、アプローチライト、防犯灯、投光器などが挙げられます。光害は、人々の暮らしから交通機関、野生動物など広範囲にわたって悪影響を及ぼします。
さまざまなものに影響を与える光害環境省では、屋外照明の適正化等により良好な光環境の形成を図り地球温暖化防止に資することを目的に、「光害(ひかりがい)対策ガイドライン」を平成10年度(1998年)に策定しました。平成18年度(2006年)に改訂を経て、令和3年度(2021年)には、LED照明の普及など、光環境の変化から光害が及ぼす影響や光害の防止対策について見直したガイドラインに改定されました。なお、光害対策については、学術的な国際機関であるCIE(国際照明委員会)が「屋外照明による障害光規制ガイド」の改訂版(CIE150:2017)を発行する など、国際的にも取り組みが進んでいます。
こうした状況を踏まえ岩崎電気では、反射鏡により上方向の光を効率良く下方向に導く街路灯や、道路灯の器具後方及び前方への漏れ光を軽減するためのルーバなど、光害の影響を抑えるさまざまな照明器具の開発をすすめてきました。 またカタログに「上方光束比」をアイコンでわかりやすく表示し、お客さまの選定のお手伝いをしています。
※上方光束：器具から出る光束のうち水平より上方へ向かう光束。数値はその比率(単位：％)
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編集後記
今回は夜空を守る照明についてご紹介しました。
秋は次第に空気が澄みはじめ、星や月の輝きを感じられる季節です。
秋の夜空には、秋の四辺形をつくるペガスス座やアンドロメダ座をはじめ、ペルセウス座、カシオペヤ座といった、神話に登場する星座が数多くみられます。
夜空の星を眺めながら、神話の世界に思いをはせてみるのもいいですね。
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