技術資料

LEDioc CEILING HB™ - LED高天井用照明器具 -

(株)アイ・ライティング・システム 機器技術部 第一機器技術課

1．はじめに

本商品は，サービスステーションのキャノピー照明，ヤード照明として使用されるLED高天井用照明器具である。

2010年に施行された省エネ改正法で，サービスステーションもエネルギー管理が義務付けられ，CO₂削減が急務の課題とされている。サービスステーションの照明は，HID400Wクラスが主流で，これと同等性能の照明が可能であり，省エネ，CO₂削減ができる省エネルギーの照明器具が求められている。

今回，HID400Wサービスステーション器具と同等の照明率で，省エネ，CO₂削減ができるLED高天井用照明器具の商品を開発した。

以下に，このLED高天井用照明器具の概要を紹介する。

2．商品概要

本商品は，HID400Wサービスステーション器具と同等の照明率を実現するために，シチズン電子製の13W型LED×12個の光源と反射鏡を組合せており，横方向への光漏れのない環境配慮形TYPE-Fと横方向への光で集客を狙うアイキャッチ形TYPE-Vの2タイプの照明器具から構成されている。また，専用取付金具としてキャノピー照明用の直付金具とヤード照明用の頭柱付金具も備えており，照明器具と専用取付金具を組み合わせたセット商品となっている。

商品名の末尾のHBは，高天井を意味する英語の「HighBay」の略。日本ではこの単語が一般的でない為，略して「HB」と記号化し，シリーズの中で高天井用器具として区別する意味を込めて付与した。

2.1 商品構成

表1に商品構成を示す。本商品は計24品種から構成される。用途が2種類，形状が2種類，配光が3種類，LED色温度が2種類である。

2.2 外観

TYPE-F，TYPE-Vの外観及び寸法・構造を図1，図2にそれぞれ示す。

2.2 仕様

表2に仕様を示す。

3．特長・機能

3.1 配光特性

TYPE-F，TYPE-V共に狭角，中角，広角の3種類の配光パターンを設定した。

TYPE-Fは，給油エリアの照明に，TYPE-Vは，集客用の照明に適している。

単灯照度分布図を図3～図8に示す。

3.2 電源

LED電源を内蔵で，安定器の2次側配線が不要な省施工形の照明器具となっている。電源電圧AC100～240V・電源周波数50/60Hz共用である。

また，特注として調光が対応できる機能が付いている。

3.3 専用取付金具

直付金具と頭柱付金具の2種類を設定した。直付金具は，キャノピー照明用として，頭柱付金具は，ヤード照明用として使用できるようになっている。器具と直付金具との組付例を図10に，器具と頭柱付金具との組付例を図11に示す。

頭柱付金具においては，照射角30°の範囲で角度調整ができる金具となっている。照射角度30°を図12に示す。

3.4 省エネ，CO₂削減

LED光源と3種類の配光パターンの組み合わせで，サービスステーションの他，倉庫照明としても従来品と比較して省エネ，CO₂削減が計れる。

従来品との経済比較を図13に示す。

4．おわりに

省エネ法の改正に伴いLED照明の需要は，今後増えていくものと考える。

次の商品開発としては，今回のLED器具の水平展開を計り，更なる省エネ，CO₂削減が実現できる商品の開発を目指したいと考える。