納入事例

建築外構・景観演出 ライトアップ

藤田記念庭園青森県弘前市

陰翳礼讃をテーマに、来園者を安全に誘導しつつ庭園を周遊する楽しさを演出する光

Myリストに追加
  • LED
  •  
  • 庭園入口部は竹塀をレディオック フラッド ネオで照らし、やわらかな間接光で周囲を印象的に浮かび上がらせている。

  • 昼間の景観を損なわないよう、低位置に竹灯籠のイメージのLEDアプローチライト「レディオック アプローチ(電球色)」を配置し、動線の足元が薄明りでつながるようにしている。

  • 園路照明としてレディオック アプローチを等間隔で配し、誘導効果を高めている。また周辺の樹木・石灯籠をレディオック フラッド ネオで照らしシルエットで浮かび上がらせている。

  • 洋館の特徴である八角屋根をレディオック フラッド ブリッツとレディオック フラッド ネオで印象的に浮かび上がらせている。

  • 遠景に岩木山を望む高台部。隠し照明で枯山水の石組に陰影をつけ、立体感のある景観を創出している。

  • ライトアップされた大枝垂れが樹木のシルエットとともに水辺に映り印象的な倒立景観をつくり出している。

  • 階段部は手摺の外側に直径6cmとコンパクトサイズのレディオック フラッド ニノを配置。まぶしさを抑え階段踏面のみを照らし、安全性を確保している。

  • 低地部の湿地は浅瀬・桟橋床を上方からレディオック フラッド ブリッツ80Wで全体的に照らし、明暗のはっきりした光溜まりをつくり、安全性を確保している。

施設概要

施主
弘前市
設計
(株)TCA 一級建築士事務所
電気工事
(株)弘都電気

竣工

2015年3月

お客さまの声:(株)TCA 一級建築士事務所/千葉 貴司様

藤田記念庭園は、日本商工会議所初代会頭の藤田謙一氏が郷里弘前に別邸を構える際に、東京から庭師を招いてつくらせた大規模な日本庭園です。その後、弘前市が市政百年記念事業として整備し、1991年に開園しました。総面積約21,800m²と、東北地方でも有数の大きな庭園で、園内は高さ13mの崖地をはさんで高台部と低地部に分かれています。高台部は名峰岩木山を眺望する借景式庭園となっていて、別邸である洋館と藤田氏の本宅であった和館が建っています。崖地には滝石が組まれていて、その下に広がる低地部は池泉回遊式庭園となっており池泉を中心に中島、茶屋、東屋、築山などが配置され、静寂で枯淡な風情を見せています。

藤田記念庭園園内の照明計画については、「陰翳礼讃」闇の深さに浸透する光をテーマとし、動線の安全性に配慮しつつ、庭園の主要素を光と影で演出し幽玄味のある幻想的景観を創出するものとしました。園路照明については安全で美しい照明環境とするために、庭園入口部は竹塀を照らして、その間接光で入口廻りのあかりをつくり出しています。園路は昼間の景観にも配慮し、低位置に竹灯篭イメージのアプローチライトを等間隔に配置して、動線の足元が薄明りでつながるようにしました。階段部には手摺の外側にスポットライトを配置し、まぶしさを抑え階段踏面のみを照らして安全性を確保しています。庭園の演出照明については、庭園を形成する建物や灯籠、枯山水、滝、湿地、中島、池泉汀、橋、大枝垂れなどを印象的に照らし、周遊する楽しさをつくり出すとともに、庭園全体で程よい明るさを確保し、安全で安心できる空間としました。設計の基本方針として、園路照明は平均照度を薄明りの0.5ルクス程度とし庭園の光の景観を妨げないようにする、各演出照明はまぶしさを抑え極力目立たない位置に配置する、光源の色温度は3000K(電球色)とする、など「陰翳礼讃」というコンセプトに相応しい情緒溢れる光の景観となるよう、十分留意しました。

照明の光源は省エネ及び環境に配慮しLEDを使用しています。また、すでにライトアップされている洋館は、建物の特徴的な部分のみを照らし、八角屋根が闇との対比で印象的に浮かび上がるように演出してあり、本計画のテーマに合致するものとなっています。藤田記念庭園の開園期間は4月中旬から11月後半までで通常は午後5時までですが、さくらまつりの時期は夜9時まで開園していて、そのほかの時期もさまざまなイベントが催され夜間も開園する予定となっています。これからもより多くの皆さまに訪れていただけることを願っています。

主な納入器具