納入事例

建築外構・景観演出 ライトアップ

隅田川テラス(厩橋~蔵前橋区間)東京都台東区

水辺のテラスを照らし、水都・東京の魅力をより効果的に映し出すあかり

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  • LED
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  • 江戸エリアから明治エリアと舗装デザインが交わる場所に、川を照らす照明が設置され、対岸からのぞんだ際にさまざまな表情を見せる魅力的な夜間景観を形成している。

  • 隅田川テラスへの連絡デッキ夜景。LED照明器具で床面を安全に照らし出す。

  • 壁面ライトアップ用のLED照明器具設置状況。

施設概要

施主
東京都建設局江東治水事務所
設計
(株)緑の風景計画
施工
東豊電気(株)・ヤマニエレックス(株)

竣工

2014年6月

お客さまの声:(株)緑の風景計画/代表取締役社長 板垣 久美子様、景観設計部 安並 賢一様

隅田川テラスは、隅田川両岸に沿って整備された親水テラスの総称です。東京都では治水上の安全性に加えて、人が水辺に近づける親水性にも配慮したスーパー堤防など整備事業を順次進めています。この整備の一環として、防潮堤の耐震性能確保を目的にテラスを整備し、その上部を舗装や植栽などの修景工事を行うことで、都内では貴重な親水空間のひとつになっています。2014年6月、隅田川テラスの厩橋と蔵前橋区間の修景工事が完了し、隅田川テラスでは初となる景観照明設備が設置されました。先に施工されている上流部(浅草方面)と下流(両国方面)のデザインが交わるエリアであり、上流部を明治エリア、下流部を江戸エリアとして、時代の移り変わりが表現されています。舗装デザインに加え、モニュメントや壁画などの設置、植栽などによって、エリアの特徴が創出されています。

照明計画については、「人々の通行を確保し、周辺の夜間景観を引き立てる」ことを基本的な考え方として、対岸からの眺めを重視するとともに、街並みに調和するあかりとなるよう十分留意しました。全体に落ち着きのある空間づくりを図り、明るさを抑えた細かな光でリズムを生み出すよう、防護柵、植栽にフットライトを設置して、路面を重点的に照らしています。また、目線上に明るさ感を持たせ、空間を明るく感じさせるため、樹木や壁面をライトアップすることで、空間のリズムをつくり、対岸からのぞんだ際には護岸が浮き上がり、川の印象を強調しています。下流エリアでは、壁面にブラケット照明を配置し、全体の明るさを確保しました。光色については、現場での実験によって、3000K(電球色)を選択し、風景に馴染む落ち着きのある雰囲気をつくり出しています。

また、川側の一部には、隅田川を照らす照明を設置し、水面や護岸を青色光で照らし、水位や波紋などのさまざまな水の表情を浮かび上がらせ、川を印象付ける潤いのある夜間景観を創出しています。尚、隅田川テラスは構造上、水没する可能性があることから、照明器具は水中用のものを採用しました。隅田川は、江戸時代から「水の都・江戸」の中心として、人々の暮らしを支え、文化を育んできました。景観照明によって、「水の都・東京」の魅力をより効果的に映し出し、夜の風景、あかりの風景を楽しめる快適な空間が出来たと考えています。