ライティング講座(照明講座)
照明計画資料
景観照明 - 光の当て方
光を当て、ただ明るくするのではなく、適度な明暗が付いて対象物が立体感に見えるように、光の方向を考えます。図4.1~図4.7に代表的な照明対象への光の当て方とその留意事項を示します。
留意点と説明図 | |
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照明方向と視線方向のなす角度は45°以上にする。
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大きな突出物があるときは、反対方向から弱い光を当て、大きく濃い影を軽減する。
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影を作るために、投光器の照射方向を揃える。
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図4.1 光の当て方
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 | |
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背景が明るい時は、境界部を暗く、中央部を明るくする。
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背景が暗い場合は、境界部を明るく、中央部を暗くする。
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細いタワーを遠方から照明する(d/ø比が大きい)場合。
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太いタワーを近距離から照明する(d/ø比が小さい)場合。
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図4.2 施設別照明の考え方 円筒状のタワー
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 |
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隣接する2面(A,B)の輝度が異なるように、光の方向を考える。
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図4.3 施設別照明の考え方 多面体のタワー
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 | |
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植物固有の形状に合った照明方式を採用する。葉の少ない風通しのよい植栽は葉をシルエットで見せる。
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照明器具は、昼間の美観、芝刈り機などからの保護を考えて設置する。また雨などによる冠水に耐えるようにする。
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図4.4 施設別照明の考え方 植栽
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 | |
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屋根のラインがハッキリわかるように、適切な位置にマストを建て照明する。
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屋根に投光器を設置してもよいが、昼間時の美観を考慮し構造物の影などに隠す。
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十分距離が採れる(d>2h)場合には、ファサード照明の漏れ光で屋根も照明できる。
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段になったファサードでは、テラスのエッジに投光器を取付ける。
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図4.5 施設別照明の考え方 屋根
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 | |
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投光器の背後に植物や意思などの障壁がある場合(顔の見え、グレアに注意)。
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台座が明るくなりすぎず、またその影が邪魔にならない位置から光を当てる。
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台座の周りに照明をおくことができない場合には、周囲のビルや照明柱からグレアを避けながら照明する。
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図4.6 施設別照明の考え方 彫刻・モビール
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
留意点と説明図 | |
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直射光が下方向のみ放射される0.5〜1.0(m)の高さの照明器具を用いる。高さは、花の高さに応じて決定する。色彩が非常にバラエティに富んでいるので、演色性の高い光源を用いる。
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水が動き泡立っているノズルのすぐ横、水の落下点に照明器具を置く。
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水の落下部分の底あるいは背面に照明器具を設置する。流れの幅が広い場合には、細長い光源があう。
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図4.7 施設別照明の考え方 花壇・水
(参考文献 CIE:GUIDE FOR FLOOD LIGHTING(1993))
(2020年11月19日入稿)
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