照明技術資料

光源・安定器

HIDランプと安定器 - HIDランプの故障診断

HIDランプの不具合をチェックするには、すべての動作状態をチェックする必要があります。特に故障診断をする場合、安定器を含めた回路を総合的にチェックし、無負荷時、短絡時、点灯時の各状態を検査することが大切です。
HIDランプは、点灯時間とともに徐々に、電極が消耗したり、発光管の封入物の反応により、ランプ特性が変化していきます。主な故障とその対策は、表3.8、表3.9のとおりです。(修理や安定器交換、電源電圧適正化などの処理は電気工事士の資格が必要です。お買い上げの販売店(工事店)へご依頼ください。)

表3.8 HIDランプの主な故障とその対策(その1)
症状 原因 チェック方法 処理
ランプが点灯しない ランプのねじ込み不完全・ランプ自体の不良・器具、ソケット、配線不良 ランプをソケットに充分ねじ込む・ランプを交換してみる・ソケット部の配線やリード線の劣化の有無を調べる ランプ交換・不具合部分をチェック
発光管リーク、溶接外れなどのランプ不良 正常な安定器で点灯しないことを確認する ランプ交換
安定器の不適合、または不良 安定器の二次無負荷電圧、二次短絡電流が正常かチェックする(電子式を除く) 安定器交換
安定器の寿命 安定器の設置時期を確認する(標準使用状況で8~10年が寿命) 安定器交換
安定器周囲の湿度が高い 器具、安定器の絶縁抵抗をチェックする 防湿形安定器に交換する
電源(無電圧、スイッチ外れ、ヒューズ切れ等)の不良・ブレーカーの動作不良 電源全般について調べる 故障箇所を修理
誤配線 電源からランプまでの配線を調べる 誤配線個所を修理※
ヒューズ、ブレーカーの容量不足 安定器の始動時、無負荷時の入力電流と容量が適合しているのか確認する 適正容量のヒューズ、ブレーカーに交換
電源電圧が低過ぎ 電源電圧を調べる 電源電圧を適正する
管灯回路長が長すぎる 指定された管灯回路長の範囲内であるか調べる 取付場所の再検討
ちらつきや点滅をくり返す ランプ電圧が高い ランプ電圧をチェックする・特に高圧ナトリウムランプは器具との不適合が考えられる ランプか器具のどちらかを交換する
電源電圧あるいは安定器の二次電圧が低過ぎる 電源電圧、安定器二次電圧が適正範囲か調べる 電源電圧を適正にするか、安定器を交換する
電源電圧の変動が激しい 瞬時的に電圧が低下するとランプのちらつきや点滅が生じる 電源変動を少なくするか、適正安定器に交換する
安定器不良、安定器不適合 安定器の二次電圧低下または二次短絡電流を調べる 安定器交換
自動点滅器の取付位置が悪い 不必要な外部光を受けていないか点滅器の位置を 点滅器を移動するか、カバーを設ける

(参考文献:社団法人日本電球工業会HIDランプガイドブック[第4版より])

表3.9 HIDランプの主な故障とその対策(その2)
症状 原因 チェック方法 処理
点灯はするが、明るくならない 電源電圧が低い 電源電圧が定格の94~106%の範囲にあるか調べる 電源変動を少なくする
安定器の不適合 ランプの種類と安定器の適合性を調べる 適合安定器に交換する
器具、ランプの汚れがひどい 使用環境を調べる ランプ、器具の清掃
ランプの点灯方向が不適合 指定されてた点灯方向以外で使用されないか調べる ランプ交換
短時間で点灯しなくなる ランプ、発光管不良 取扱いや輸送時の外管リークや破損がないか調べる ランプ交換
電源電圧が低い、また高い 電源電圧を調べる 電源電圧を適正する
安定器の電圧違い 使用安定器の電圧が正規のものか調べる 安定器交換
安定器不良 安定器の適合性を調べる・二次電圧と二次短絡電流が正常か調べる 安定器交換
周囲温度が高すぎる 周囲の温度を調べる 取付場所の再検討・通風をよくする
ランプの点灯方向が不適合 指定された点灯方向以外で使用されていないか調べる ランプ交換
管灯回路長が長すぎる 指定された管灯回路長の範囲内であるか調べる 取付場所の再検討

(参考文献:社団法人日本電球工業会HIDランプガイドブック[第4版より])

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