ライティング講座(照明講座)

照明関連の計算法

逐点法による照度計算 - 点光源による直射照度

O点にある光源からP点へ光度\(I\) cdが照射されている場合(図1.1)、P点の各方向の照度は表1.1に示す式で求めることができます。

点光源とみなして計算できる離隔距離の限界

線光源
管長の5倍
円環光源
直径の10倍

O点からP点へ照射される光と、法線照度・水平面照度・鉛直面照度の関係を示す図

水平角
\(\varphi=\tan^{-1}(y/x)\)
鉛直角
\(\theta=\tan^{-1}(d/h)\)

図1.1 点光源による色々な方向の照度

表1.1 点光源による直射照度計算式

照度を\(\ell\)で求める場合 照度を\(h\)で求める場合 \(E_{n}\)との関係
法線照度\(E_{n}\) \(\large{\frac{I}{\ell^2}}\) \(\large{\frac{I}{h^2}}\cos ^2\theta\) -
水平面照度\(E_{h}\) \(\large{\frac{I}{\ell^2}}\cos\theta\) \(\large{\frac{I}{h^2}}\cos ^3\theta\) \(E_{n}\cdot \cos\theta\)
鉛直面照度\(E_{v0}\) \(\large{\frac{I}{\ell^2}}\sin\theta\) \(\large{\frac{I}{h^2}}\sin\theta\cdot\cos ^2\theta\) \(E_{n}\cdot \sin\theta\)
鉛直面照度\(E_{v1}\) \(\large{\frac{I}{\ell^2}}\sin\theta\cdot\cos\varphi\) \(\large{\frac{I}{h^2}}\sin\theta\cdot\cos ^2\theta\cdot\cos\varphi\) \(E_{n}\cdot \sin\theta\cdot\cos\varphi\)
鉛直面照度\(E_{v2}\) \(\large{\frac{I}{\ell^2}}\sin\theta\cdot\sin\varphi\) \(\large{\frac{I}{h^2}}\sin\theta\cdot\cos ^2\theta\cdot\sin\varphi\) \(E_{n}\cdot \sin\theta\cdot\sin\varphi\)
平均球面照度\(E_{s}\) 微小球面上の平均照度 \(\large{\frac{E_{n}}{4}}\)
平均円筒面照度\(E_{c}\) 垂直に立てた微小な円筒の側表面の平均照度 \(E_{n}\cdot\large{\frac{\sin\theta}{\pi}}\)
半円筒面照度\(E_{sc}\) 垂直に立てた微小な半円筒の側表面の平均照度 \(E_{n}(1+\cos\varphi)\cdot\large{\frac{\sin\theta}{\pi}}\)

距離の逆二乗の法則

光の方向に垂直な面の照度は、点光源の光度に比例し、距離の二乗に逆比例します。これを逆二乗の法則といい、式-1が成り立ちます。

\( E= \dfrac{I}{h^2} \) (式-1)

\( E \)
照度 ℓx
\( I \)
直下光度 cd
\( h \)
光源と計算点までの距離 m
P点の照度は100÷2の2乗で25ℓx

図1.2 距離の逆二乗の法則

図1.2の場合、直下光度が100cdなので光源から2m離れたP点の照度は25ℓxとなります。
また、光源までの距離が1mの場合は100ℓxとなります。

(2025年4月25日入稿)

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