今までも、これからも「新たな光で未来を照らす。」
2019年8月18日、岩崎電気は創立75周年を迎えました。戦後を照らす希望の光からはじまり、安全を、安心を、豊かな生活を照らし続ける岩崎電気。これからも社会に貢献し、信頼される技術の向上と、お客さまに愛される企業を目指してまいります。
「戦後日本に希望の光を」
- 1944(昭和19年)
- 岩崎電波工業株式会社として創立
1945年(昭和20年)
岩崎電気株式会社に改称
- 1949(昭和24年)
- 我が国初の白熱リフレクター電球を開発。
アイランプと命名
- 1952(昭和27年)
- 商標を現在のEYEに改訂。
屋外用リフレクターランプ、ホルダの生産を開始
- 1955(昭和30年)
- 荻窪新工場に全設備を移転。水銀ランプの自主生産に着手
- 1957(昭和32年)
- リフレクター形水銀ランプ発表。
バラストレス水銀ランプ発表
- 1958(昭和33年)
- 光電式自動点滅器発表。
道路専用の照明器具「コスモス」開発
- 1960(昭和35年)
- 埼玉製作所完成。
水銀ランプ、各種照明器具の生産開始
- 1964(昭和39年)
- 東京オリンピック会場に商品を納入
戦後日本を照らす希望の光(1949)
太平洋戦争敗戦から4年。岩崎電気は日本初の白熱リフレクター電球(内側に反射膜加工することで、光の方向をコントロールした電球)を開発しました。その名は「アイランプ」。お客さまから「アイランプ」の愛称が生まれ、リフレクター形ランプの代名詞となりました。
創業者の岩崎福市は当時、「世の中は光を求めている。もっと光を!」と語りました。照明は希望の光。社会を元気づけたいという意志が「アイランプ」を生み出しました。その意志は現在の岩崎電気にも引き継がれています。
全国ガソリンスタンドの約8割が「岩崎電気」に(1952)
ガソリンスタンドに輝いた屋外用プリズム式リフレクターランプ第1号
(昭和27年頃)
「屋外でも使用でき、雨でも割れない電球を」―お客さまの声から屋外用ランプの開発は始まりました。試行錯誤の末、超硬質ガラスを採用し、熱衝撃に強く、小型・軽量のランプを実現。同時に日本初のホルダも開発し、照明器具メーカーとしても一歩を踏み出しました。新商品はたちまち普及し、国内のガソリンスタンドの約8割が岩崎電気のランプという状況に。屋外に強い岩崎電気の源流となりました。
社会の復興を支えたあかり(1957)
業界内で先行する「白熱ランプ」に続き、これまでにないものをという一心で開発したのが更に明るいリフレクター形水銀ランプでした。そして、その後、安定器不要のバラストレス水銀ランプという、画期的な商品が誕生。当時は経済復興を目指したビル・工場の建設ラッシュ。新しい水銀ランプは建築照明の主役となりました。
技術力が花開いた瞬間(1964)
岩崎電気の商品が業界に知れわたるきっかけになったのは、東京オリンピックです。約7万2千人の収容能力をもつ国立競技場、当時世界最大級と言われた代々木総合体育館などに商品を納入しました。特に「アイ 水銀ランプ」は東京オリンピックを機に需要が伸び、大ヒット商品となりました。
この時代、日本列島は大きく変わっていきました。各施設の充実と同時に、道路網整備によるハイウェイ時代の到来。道路照明の開発が最優先となり、新しい光源、高圧ナトリウムランプが登場します。
「省エネ、美しさ、安らぎ…多様化する光の価値」
- 1966(昭和41年)
- 国産初のパルスドキセノンランプ商品化。写真製版用キセノンランプ光源装置「アイゼノライト」発売
- 1967(昭和42年)
- トンネル非常警報装置など交通安全機器を開発
- 1969(昭和44年)
- 道路灯などを納入した東名高速道路が全線開通
- 1970(昭和45年)
- 5cmの太陽「アイ ハロゲンランプ」発売。世界各国で特許取得。大阪万博の各パビリオンに納入
- 1975(昭和50年)
- ハイマスト灯「アイスポラート」発売(昭和51年)。沖縄国際海洋博覧会で世界初の海中照明に成功
- 1977(昭和52年)
- 横浜スタジアムに照明を納入。アイエリアライト発売
- 1978(昭和53年)
- 世界初150ℓm/Wの最高効率アイサンルクスエースを発売。(株)アイインテルナ(現(株)ライトキューブ)設立
- 1982(昭和57年)
- 熱を抑えたアイ ダイクロクールハロゲンを商品化
- 1985(昭和60年)
- 大井競馬場初めてのナイター競馬照明納入。
国際科学技術博覧会(つくば万博)に商品納入。
- 1988(昭和63年)
- コンパクトなHID光源ハイラックス発売
- 1989(平成元年)
- 東京タワーライトアップの開始。
- 1991(平成3年)
- デザイン街路灯「ランドルーチェ」シリーズ発売
- 1993(平成5年)
- ひとつのランプで2つの光色をもつアイツインアーク発売。
Hf蛍光灯シリーズ発売
- 1996(平成8年)
- マレーシアのKLIA空港にハイラックス1万台以上納入
- 1997(平成9年)
- ナゴヤドームにクウォーツアークを納入。
東京湾アクアラインに海上橋用道路照明を納入
道路・トンネルで実力発揮(1969)
大井松田〜御殿場間の道路照明
日本の大動脈、東名高速道路の建設にあたって、岩崎電気はインターチェンジ、トンネル、サービスエリアなどに多くの商品を納入しました。特に、宇利・三ヶ日トンネルは、岩崎電気初のトンネル照明。「現時点では最高のレベル」と言われたもので、野外の明るさに応じて自動的に照明を調光する「トンネル自動調光装置」がついていました。
業界の新たな潮流をつくり出す(1970)
高演色性を誇る新ランプを目指してハロゲンランプ開発に着手。いくつもの難題に直面しましたが、発光管内でフィラメントを長もちさせるハロゲンサイクルによって、コンパクトで明るく長寿命なハロゲン電球を開発。ついに「5cmの太陽」と世界をうならせた「アイ ハロゲンランプ」を発売し、特許を世界各国で取得。
新商品が万博を盛り上げる(1970)
日本万国博覧会(大阪)で、岩崎電気は政府出展の日本庭園、会場内の大噴水など四十数施設の照明計画に参画。このとき屋外で活躍したのが水銀ランプより演色性を改善した「アイ マルチメタルランプ」です。日本庭園の園路などを白く輝かせました。開発直後の「アイ ハロゲンランプ」も登場。国連館広場のポール523本の先端に取り付けられ、幻想的な空間をつくりました。
実験に次ぐ実験が導いた「世界初」(1975)
沖縄海洋博 世界初の「光る海」海中照明(昭和50年)
沖縄国際海洋博覧会では、海中照明で美しい海をライトアップする試みに、世界で初めて挑戦しました(照明デザイン:(株)石井幹子デザイン事務所)。1m四方のコンクリートブロックを25m〜30mの間隔で海に沈めて、その上に照明を固定。設置が難しい場合はH鋼の柱を立てて他と同じ深さに固定しました。見え方、海中ケーブルの摩耗、漏電時の電位傾度などの確認にかかった期間は半年以上。潮の干満や波の影響のある海中での作業ではありましたが、根気づよく実験を繰り返して「光る海」を実現しました。
プロスポーツ向け照明に本格参入(1977)
横浜スタジアム(1977)、西武ライオンズ球場(1979)の照明をたて続けに受注しました。この実績は後のスポーツ施設照明の受注、さらには現在のプロスポーツ照明向けLED投光器につながりました。
熱の悩みを新技術で解消(1982)
アイ ダイクロクールハロゲン(昭和57年)
鮮度や色が命である生鮮食品や、退色しやすい美術工芸品にとって、照明の熱は悩みの種。この課題をくみとって誕生したのが“熱を抑えた白い光”̶「アイ ダイクロクールハロゲン」です。小形ハロゲン電球と多層薄膜のダイクロイックミラーを組合わせた、新しいハロゲン電球でした。屋内外に革新的な商品を提供。「光の総合メーカー」として大きな一歩となりました。
「美」の基準を高めた革新的商品(1988)
ハイラックスシリーズ
(昭和63年から発売)
(左から)
夕陽のような暖かみのある色温度2500K、太陽のような色温度4500K、澄み切った青空のような色温度6500K、生きものが目覚める朝の光のような色温度3500K
「ハイラックス」はコンパクトな外形や高い演色性で、これまでの屋内ランプと一線を画す商品。すぐに商業施設を中心に普及しました。さらに、その後従来の「マルチハイエース」では難しかった天井高3m〜3.5mの空間を均一に照らし出せる、150Wシリーズを開発。光色のもつイメージ、色温度(K)に注目し、2500K、3500K、4500K、6500Kという4つの光色をラインアップ。“明るく照らす”から“商業空間を照明で演出する時代”への転換点となりました。
東京の象徴をドレスアップ(1989)
東京タワーのライトアップ
(平成元年)
東京タワー設立30周年の記念事業として計画された東京タワーのライトアップ。東京のシンボルの照明計画に協力しました(照明デザイン:(株)石井幹子デザイン事務所)。光源には「高圧ナトリウムランプ940W」と「メタルハライドランプ1000W」の2種類を使用して、冬は暖かく、夏は涼しげな光色を実現しています。
-
ハイウェイ照明器具「コスモス」
(昭和33年生産)
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高速道路専用に設計したハイウェイ照明器具「アイメトロス」
(昭和38年生産)
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5cmの太陽 アイ ハロゲンランプ
(昭和45年発売)
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大阪万博 国連館広場(昭和45年)
40ヵ所以上の施設照明に参画
-
横浜スタジアム ナイター照明
(昭和52年)
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斬新なデザイン街路灯「ランドルーチェシリーズ」
(平成3年)
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1万灯のハイラックスを納入したマレーシア クアラルンプール国際空港
(平成8年)
「環境の時代、そしてLEDの登場」
- 1998(平成10年)
- 長野オリンピックのエムウェーブにクウォーツアーク納入。
太陽光シミュレーションシステムを商品化。
直線形道路照明器具パズー、環境配慮形街路灯ミーティスを発売
- 1999(平成11年)
- 太陽と風のエネルギーを蓄電してあかりにする、ハイブリッド太陽灯。
液晶プロジェクタ用高圧水銀ランプ発売
- 2001(平成13年)
- 5波長域メタルハライドランプFECマルチハイエースH発売。
高演色・高効率セラミックメタルハライドランプ セラルクス発売
- 2003(平成15年)
- 紫外線をカットした高出力UVカット形メタルハライドランプ発売
- 2004(平成16年)
- 商業施設向け照明器具シリーズL-CUBE発売
- 2006(平成18年)
- LEDユニット・照明器具シリーズのレディオックを発売
- 2009(平成21年)
- セラミックメタルハライドランプ FECセラルクスエース発売。
レディオックロード発売開始
- 2010(平成22年)
- LED投光器レディオック フラッド ブリッツ、LEDアイランプ発売。
LED並みの寿命5万時間のHIDランプ ツインセラルクス発売
- 2011(平成23年)
- 皇居外苑屋外照明のLED化を受注。
LEDトンネル器具レディオック トンネル、LEDアイランプ ハロゲン電球形を発売
- 2012(平成24年)
- レディオック LEDライトバルブ発売
- 2013(平成25年)
- メタルハライドランプ1500W相当のLED投光器レディオック フラッド デュエル発売
車載カメラによる簡易路面輝度測定システムeLscope (エルスコープ)を発売
- 2014(平成26年)
- 超促進耐候性試験機 アイ スーパーUVテスター「SUV-W261」を発売
明るさ測定アプリ QUAPIX Lite(クオピクス ライト)を無料提供開始
光害阻止LED照明器具 レディオック ルミーネを開発
- 2015(平成27年)
- 横浜スタジアムにLED照明を納入
レディオック LEDライトバルブF 124Wを発売
レディオック LEDライトバルブS 79Wを発売
- 2016(平成28年)
- 横浜スタジアムのLED照明設備が日本照明賞を受賞
小形LED道路灯 レディオック ロード エスを発売
コンパクトEB実験機 アイ・コンパクトEBを発売
- 2017(平成29年)
- 角形LED高天井用照明器具 レディオック ハイベイ ガンマを発売
レディオック 防爆形クリーンルーム用LED照明器具を発売
LED投光器レディオック フラッド ゼストを発売
埼玉製作所内に岩崎電気テクノセンター「HIKARIUM」を竣工
- 2018(平成30年)
- ナゴヤドームにDMX制御を含むLED照明を納入
製品の耐候性を立体的に評価する複合環境試験装置 EYE 4D MULTI Chamberを発売
レディオック LEDアイランプHB 66Wを発売
レディオック LEDライトバルブK 28Wを発売
光のリアルな表現を追求した2つの仮想照明体験システム「iVR-360」「iVR-Dive」を開発
- 2019(平成31年/令和元年)
- 岩崎電気株式会社創立75周年
難題をクリアし日本照明賞を受賞(1998)
長野五輪スピードスケートの会場エムウェーブに、メタルハライドランプ「クウォーツアーク1500W」や投光器「アイ マルチスペース」などを納入しました。このプロジェクトは第16回日本照明賞を受賞。計測段階から1/100縮尺模型にて光環境評価を行い、CGシミュレーションで詳細検討を重ねながら照明計画を実施。競技者のまぶしさを低減させつつ、テレビ放映に必要な高照度を満たすという難題をクリアしたことが評価されました。
時代に即した省エネ商品(1998)
次の時代を担う商品として、1998年に道路灯「パズー」、街路灯「ミーティス」を発売しました。両商品とも国のCO₂排出量削減政策に対応した省エネ商品。「パズー」は、テーパーポールでなく直線ポールに取り付けられるタイプで、開放感のある道路景観をつくりだせるという特長をもち、今では業界のスタンダードになっています。
商業施設に最適な照明を提案(2004)
省エネやメンテナンス経費削減、演出力向上に効果的として、デパートや専門店などで需要が伸びている低ワットHID照明器具。岩崎電気はこのジャンルの商品ラインアップの充実を図るため、商業施設向け照明器具シリーズ「L-CUBE(エルキューブ)」を立ち上げました。ランプ・安定器・器具を自社生産できる強みを活かし、グレアレス、コンパクト化、配光可変などを切り口に、商業施設に最適な照明を提案しています。
LED時代到来〜数年で急拡大(2006)
LED需要の高まりを先取りし、LEDユニット・照明器具シリーズ「レディオック(LEDioc)」としてポールライトなど数商品を発売しました。LEDの光出力を反射鏡で高め、照明に応用できるようにした商品です。その後、LED防犯灯・道路灯を商品化するなど、レディオックシリーズは急拡大。技術的にも、反射鏡ユニットからレンズを使ったLEDユニットにシフト。同時に、ユニット構造を改善して発光効率を格段に向上させました。現在は更なる効率アップとともに、照射の均斉度や演色性など、光の美しさにもこだわった商品を次々と開発しています。
すべてを備えたLEDランプ(2010)
消費電力を大幅に低減した長寿命の「レディオック LEDアイランプ」
(平成22年)
口金を除く外装を樹脂製にすることで軽量化を実現した、当時世界初の屋内外兼用100/200V共用LEDランプ「レディオックLEDアイランプ」を発売しました。光の質にこだわった光制御技術で、セルフバラストランプを凌ぐ照射の均斉度を実現。「明るさ」「低消費電力」「長寿命」「軽量」の全てを兼ね備えたランプです。屋外看板や作業灯等にとどまらず、屋内・屋外の幅広い場面で使用できます。「アイランプ」は生まれてから60年で更なる進化をとげました。
HIDで寿命50000時間を達成(2010)
再始動時間も短く長寿命 発光管が2つのセラミックメタルハライドランプ「ツインセラルクス」
(平成22年)
※実際の商品には拡散膜が塗布されています。
LED全盛の時代にあっても、高天井照明を使用する工場や体育館、あるいは公園・街路においては、既存の器具を使えるという理由から、HIDのリニューアルニーズがあります。岩崎電気はこうしたニーズに応えて、新しいHIDランプの開発に取り組んでいます。その代表がツインセラルクスです。2本の発光管を搭載して、LED並みの長寿命50000時間を実現しています。
レディオックシリーズがさらに充実(2013)
レディオック フラッド デュエル
(平成25年)
レディオックシリーズは年々新商品が登場。「レディオック フラッド デュエル」は大型スタジアム照明に対応し、軽量化・高出力化を実現した大型LED投光器です。
スーパーハイビジョン撮影(4K/8K)に対応可能なLED投光器を開発(2017)
レディオック フラッド ゼストは、次世代テレビ放送と呼ばれるスーパーハイビジョン撮影(4K/8K)に対応した高演色LED投光器。
省エネ、明るさが中心だったLED照明に、演出性や照明制御といった付加価値をも提供します。
今後もお客さまのニーズに応えた「あかり」を、続々と開発していきます。
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長野オリンピック スケート会場 エムウェーブ
(平成10年)
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直線ポール用道路照明灯「パズー」
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環境省 光害対策ガイドラインに対応した街路灯「ミーティス」シリーズ
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LEDioc FLOOD NEO(LED投光器)を使用した吉田石油店 飯塚SS
(平成21年)
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皇居外苑 LED照明(既設灯具のままLED化)
(平成23年)
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レディオック ロード(LED道路照明)を使用した東九州自動車道
(平成24年)
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隅田川テラス(厩橋〜蔵前橋区間)の水中ライトアップ演出
(平成26年)
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プロ野球ナイター照明で日本初のLED照明を横浜スタジアムに納入
(平成27年)
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ドーム球場初のDMX制御を導入したナゴヤドーム
(平成30年)
「小さな光が、大きな未来に。」
岩崎電気は、「新たな光で未来を照らす。」をスローガンに、光でつなぐ豊かな社会を創造します。
75年前の情熱から生まれた小さな光が、私たちを照らし続けてきたように、未来を照らす新たな光を私たちは創造し続けます。