光応用の知識

電子線滅菌

6.線量測定

EBの線量は吸収線量で表され、単位としてグレイ(Gy)が用いられます。この定義は「1kgあたり1ジュールのエネルギーの吸収があるときの線量(1Gy)」となっています。この単位(Gy)はSI単位で、今まで使用されているラド(rad)との関係は、1Gy=100radです。
この線量の測定は、前述したEBの透過力からフィルム線量計が使用されます。そのフィルム線量計とは、線量測定用フィルムにEBが照射され吸収エネルギーを得ると分光特性が変化し、その変化量と吸収線量とが相関関係があることを利用したものです。表4にフィルム線量計の特性を紹介します。低エネルギーEB装置においての、表面線量測定では厚みの薄いラジオクロミック線量計(FWT-60)が評価に適しています。

表4 フィルム線量計の特性(ラジオクロミック法)

FWT-60 基材 着色剤(添加剤) 厚さ/密度 測定範囲 測定波長
ナイロン-6 ヘキサヒドロキシエチル
アミノトリフェニルニトリル
50µm/1.1g/cm³ 500Gy~10kGy
5kGy~100kGy
600nm:低線量
510nm:高線量
線量率効果 精度 照射後の処理 照射後の安定性 製造者 問題/その他
1~10¹²Gy/sで依存性なし
(10⁵~10¹³Gy/sという文献もある)
±5% 50~60℃で5分間 (室温で約10時間) 暗所保存で長時間安定 Far West Technology
  • 可視光でも発色する
  • 湿度の影響がある

カタログで詳しく見る

電子線(EB)で加工した素材は、さまざまな場所で活躍しています。電子線の特長、効果などをわかりやすくご説明しています。

電子線(EB)活用なるほどBOOK

詳しい資料を請求


※Internet Explorerをご利用の場合、PDF閲覧に不具合が生じます。
Microsoft EdgeやGoogle Chromeなど、最新のブラウザをご利用ください。