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近年,LED照明が急速に普及してきている。LED素子の価格の低下に加え,従来の白熱電球やHIDランプに比べ消費電力を大幅に削減できるため,今後もさらなる普及が見込まれる。
しかし一方で,LED照明はグレア(まぶしさ)について言及されることがある。小さな素子で高い輝度を有しているため視界に入るとまぶしく,不快に感じることが多い。
快適な照明環境の構築においてグレアは,重要な要素である。たとえば,十分な明るさが確保された空間であっても,見ようとするものの近くに極端な高輝度が存在すれば,不快に感じたり(不快グレア),ものの見え方を低下させたり(減能グレア)する。
よく知られるように,ものの見え方は明るさを増すことで向上する。一方,グレアを取り除くことでも,ものの見え方を向上することができる。つまり,適切にグレアをコントロールすれば,明るさを増すのと同等の効果を得ることができる。このように,グレアを適切に評価することは,快適さと照明の省エネ化の両立を実現するための重要な要素である。

図1 等価光幕輝度測定器具
グレアの評価値の多くは等価光幕輝度から算出される。等価光幕輝度の測定は,特殊な光学特性を有したレンズ(グレアレンズ)を輝度計に装着して行う必要がある(図1)。しかし,現在,グレアレンズは入手困難であり,測定を容易に行うことができない。
そこで筆者らは,写真測光により得られる輝度分布からの等価光幕輝度算出方法について検討を行ったので報告する。
高輝度の光が目に入射すると屈折,拡散し眼球内をほぼ一様な輝度で輝かせる。これは,レースのカーテンを通してものを見るときと同様の効果を生じ,コントラストの低下により視覚機能を低下させる。このときに眼球内に生じる一様な輝度を「等価光幕輝度」と呼ぶ1)-3)。
たとえば,道路照明,スポーツ施設照明はJISの照明基準により減能グレアTI,不快グレアGRの上限値が定められている。
TI,GRの算出式を式(1),(2)に示す。

ここで,Lvlは光源による等価光幕輝度[cd/m²],Lveは反射光による等価光幕輝度[cd/m²]を示す。このように,等価光幕輝度は,減能グレア,不快グレアの評価値の算出に用いられる。

図2 視線軸と光源の幾何学的関係
図2に観測者と光源の幾何学的関係を示す。
光源の位置は観測者の視線軸となす鉛直角θ[rad]と水平角φ[rad]による極座標系にて表す。
Holladay1),2)によって,鉛直角θ[rad]に光源が存在する場合,光源からの直接光による等価光幕輝度は式(3)で求められることが示された。
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ここでEは光源からの直接光による観測点の鉛直面照度[ℓx],Kは式(4)で表される定数を示す。
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また,空間内に多くの光源が離散的に存在する場合の等価光幕輝度は,個々の光源による等価光幕輝度の合計により求められる4),5)。このことから,Moon-Spencerら6)は,任意の輝度分布L(θ,φ)[cd/m²]をもつ周辺視野による等価光幕輝度Leq[cd/m²]は,式(5),(6)で示される範囲の等価光幕輝度の総和で表せるとしている。

ここで,Holladayによる式(3)を用いて周辺視野による等価光幕輝度を表すと式(7)となる。

ここで,En(θ,φ)は,鉛直角θ[rad],水平角φ[rad]方向の輝度により生じる鉛直面照度[ℓx]を示す。
以降,単に等価光幕輝度と記した場合は,周辺視野による等価光幕輝度を表すこととする。
参考文献
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