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図2 表面殺菌装置の使用例
(充填前の容器殺菌及びフィルム殺菌)
食品分野でUVが最も多く利用されているのは表面殺菌としての利用で,蒲鉾や卵などの食品の日持ち延長,食品包装材や飲料のキャップや容器の殺菌に使用されている。使用される光源は,主として低圧水銀ランプで,とりわけ高出力タイプのUV装置が開発されてから,その利用が非常に多くなってきている。表面殺菌装置(図2)は,25,50,100mW/cm2など装置窓面のUV照度が異なる装置がラインナップされていて,処理スピードや予算などから最適な装置が選択できる。装置の設置スペースが小さく,高速,短時間で殺菌したい場合は,高圧水銀ランプを用いた殺菌装置も使用される。食品の表面をUVで殺菌する場合に必ず確認しなければならないことは,対象とする食品の材質劣化,色合い,風味などで,これらについては事前に十分検討しておかなければならない。また,2次汚染防止のためにできるだけ最終工程に近い位置で使用することも必要である。
水や溶液を対象としてUV殺菌する場合,水を流しながら殺菌するので「流水殺菌」と呼ぶのが一般的である。流水殺菌装置(図3)には,対象水への照射方法により外照式と内照式に大別されるが,殺菌効率の良さ,使いやすさなどから内照式が広く利用されている。流水殺菌装置は,水とランプを隔絶するランプジャケットの内部に光源(UVランプ)を入れた殺菌槽と電源装置で構成される。近年,光源の高出力化や多灯方式により装置の処理能力も高くなり,殺菌槽一槽でも枯草菌芽胞に対して200m3/hrで99.9%処理可能な大容量処理ができる装置もある。殺菌能力や処理量などに合わせてさまざまな機種がラインアップされているので,使用に際して次のことを明確にする必要がある。

図3 流水殺菌装置の使用例

図4 空気殺菌装置の使用例
空気中に浮遊する菌は,塵や水滴などに付着している場合が多く,また,人が居る所では衣類や髪などに付着している。クリーンな環境を必要とする食品製造工場などで,これらの菌が落下して商品などに付着すれば日持ちが短くなったり,腐敗の原因ともなる。その予防策として空気殺菌装置が使用される。空気殺菌装置としては自然対流を利用した吊り下げ型やトラフ型のものが主流であったが,反射光などの人体に与える影響を考慮しUVランプを装置ボックス内に配置し,ファンで強制的にランプ近傍を通過させる空気循環タイプ(図4),さらに,UVを有効に利用するため人がいない夜などに作業台や床などを直接UV照射する機構を有した開閉式の殺菌装置も市販されている。この殺菌装置を用いた空気殺菌の実施例として,病院の透析室で計測した結果を図5に示す。図5はエアーサンプラーで集めた浮遊菌数の推移を表わしたものである。設置から1週間後および2週間後に計測すると,どの場所,どの時間でも設置初期の約半分以下の菌数となっていた。
これらのUVによる空気殺菌は,菌にUVが直接照射されなければ効果がないため完全に無菌状態を望むことは難しいが,よりクリーンな作業環境を必要とする昨今では,このような安全で高機能の装置が望まれている。

図5 室内の浮遊殺菌数の変化

図6 下水消毒装置の設置例
(65W24灯-2バンク)
水の消毒技術としては,現在でも塩素による消毒が主流であるが,塩素消毒の代替技術としてUVによる消毒技術も使用されてきている。特に下水放流水の消毒には,殺菌効果の持続性(残留効果)を期待しないでもよく,また放流先の生態系への配慮からUVを用いる例が多くなってきている。消毒装置としては,UVランプを簾状に並べたランプモジュールを所定数槽内に配置した処理装置と電源装置で構成された開水路浸漬型の装置が広く利用されている9)。下水放流水(最終沈殿越流水)がその処理装置内を自然通過する数秒間で殺菌消毒できる。その他,外照式装置,配管接続型の装置などメーカーによって特長を出した装置も出されている。光源としては,65W低圧水銀ランプが主流であるが,さらに高ワットの低圧水銀ランプや無電極ランプ,高圧水銀ランプを使用した装置も出されている。高圧水銀ランプは,紫外線の利用効率は低圧水銀に比べ低いが,使用するランプ総数を減らすことができるため大規模な処理場で採用される場合もある。機種の選定にあたっては目標殺菌レベル(通常は大腸菌群殺菌率),処理水量(時間最大汚水量),水質(紫外線透過率),設置スペースなどを考慮して決定される。近年,UVはクリプトスポリジウムなどの原虫にも少量の照射量で効果があることが学会などで報告10)されるなど,塩素消毒の代替技術としてさらなる普及が期待できる技術である(図6)。
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