技術資料

LEDトンネル照明器具 - LEDioc TUNNEL™ 入口照明 -

製造統括本部 照明部 第一商品開発課
製造統括本部 照明部 LEDエンジニアリング課
製造統括本部 照明部 LEDオプトデザイン課
製造統括本部 電子機器部 回路設計課

キーワード

LED,トンネル照明器具,LEDioc TUNNEL™,省エネ,入口照明

1.はじめに

本商品の開発目的は,発売済みのLEDトンネル入口照明の光束バリエーションを拡充することにより,トンネル照明設計におけるライフサイクルコスト(LCC)で優位性を確保し受注率向上に繋げることである。合わせて,レンズとアルミ板金製ミラーの組合せによる光学系で先に製品化した機種KWE1801,KWE2201について,蒸着ミラーを用いた光学系への変更と,電源の自社設計品への変更によりコスト改善を行う。

2.商品概要

代表的器種について,器具の外観及び寸法を,それぞれ図1,図2に示す。

図1 器具外観図

図2 器具寸法図

商品仕様を表1,品種一覧を表2に示す。

表1 商品仕様
本体 ステンレス(SUS304)
前面ガラス 強化ガラス
光源 LED(昼白色タイプ,5000K相当)
光学系 蒸着ミラー
仕上色 グレイ(マンセルN7)
定格周波数 50/60Hz共用
定格電圧 200/240V共用
電源ユニット 初期光束補正機能付
表2 品種一覧
器具タイプ NH70W相当 NH110W相当 NH150W相当 NH180W相当
形式 一般形 KWE07021 KWE11021 KWE15021 KWE18021
50%調光形 KWE07021D1 KWE11021D1 KWE15021D1 KWE18021D1
器具幅 550mm 550mm 550mm 550mm
定格光束 6750ℓm 8600ℓm 10000ℓm 12600ℓm
消費電力 49W 63W 72W 92W
最大VA 58.0VA 72.8VA 84.1VA 105.9VA
寿命** 90000h 90000h 90000h 90000h
外観
器具タイプ NH200W相当 NH220W相当
形式 一般形 KWE20021 KWE22021
50%調光形 KWE20021D1 KWE22021D1
器具幅 550mm 740mm
定格光束 15000ℓm 18900ℓm
消費電力 107W 132W
最大VA 123.0VA 149.6VA
寿命** 90000h 90000h
外観
器具タイプ NH250W相当 NH270W相当 NH360W相当 NH400W相当
形式 一般形 KWE25021 KWE27021 KWE36021 KWE40021
50%調光形 KWE25021D1 KWE27021D1 KWE36021D1 KWE40021D1
器具幅 740mm 740mm 740mm 740mm
定格光束 22000ℓm 25000ℓm 31000ℓm 40000ℓm
消費電力 154W 174W 215W 280W
最大VA 174.1VA 196.5VA 241.2VA 313.0VA
寿命** 90000h 90000h 90000h 75000h
外観
  • 注) 点灯初期~寿命末期までの200V平均値。 **電源およびLEDモジュールの設計寿命。

3.特徴・機能

3.1 業界最小ボディ

図3 背面ヒートシンク(NH400W相当タイプに採用)

LEDおよび放熱用部材を適切に配置することで,小型軽量化を実現した。

NH400W相当タイプについてはきょう体背面に独自のアルミ製ヒートシンクを採用する事で,大光束の器具でありながら他社には無い小型軽量化を達成している(図3)。

NH70WからNH200W相当までの5タイプは550mmきょう体,NH220WからNH400W相当の5タイプは740mmきょう体を採用している。入口照明で多く使われている既存の高圧ナトリウムランプ器具と同じ大きさであるため,リニューアルの際の照明器具の配置が容易である。

3.2 低消費電力化

COBタイプ※1の高効率・高出力LEDパッケージを採用。高効率LED電源ユニットとの組み合わせにより,低消費電力化を達成し,業界トップクラスのLCCを実現した。

  • (注) ※1 COB(チップオンボード)とは,多数のLED素子を直接基板上に実装する構造をいう。均一なひとつの面で発光するため,面発光に近く,明るさのむらの少ない自然な照明環境が得られる。

3.3 長寿命化

LEDユニット(光束維持率80%)と電源ユニットの設計寿命は360W相当まで90000時間,NH400W相当が75000時間と業界トップクラスの設計寿命となった。

3.4 初期光束補正機能

電源ユニットに内蔵したマイコン電流制御により,点灯開始から寿命末期まで一定の路面輝度を保ち,点灯初期の過剰な明るさを抑える初期光束補正機能を標準装備した。

3.5 調光機能

各タイプに2段調光タイプをラインアップ。3段調光,4段調光タイプも特注にて対応可能。細かな調光制御によりLCCをさらに改善することが可能である。

3.6 ユニット交換方式

LEDユニット・電源ユニットを分離,それぞれの部品が交換可能である。

3.7 2系統点灯機能

1系統の故障時にも,残りの1系統が点灯するので,全不点になることを防ぐことができ,その際の配光形状も維持することができる。

4.おわりに

トンネル入口照明器具の光束バリエーションを増やすことでトンネル照明設計の幅が広がり,設置台数の最適化が可能になった。

今後はアルミ材を使用した新きょう体を開発し,更なる軽量化とコストダウンを目指す。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第31号掲載記事に基づいて作成しました。
(2014年11月13日入稿)


テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。