技術資料

配光可変形セード(SAW415・SAW713)

株式会社アイ・ライティング・システム 機器技術部 第一機器技術課

キーワード

配光可変形セード,高効率,省エネ,セード,配光可変,照度の明暗差,FECセラルクスエース™

1.はじめに

セードは相当昔から発売されており,新商品も増え続け増反射膜仕様も含めると,現在は中ワットクラスにおいては8種類,高ワットクラスにおいては3種類と非常に種類が多くなっている。一方,セード用ホルダにおいても,基本型だけでもたくさんの種類があり,耐振型,耐食型などの特殊ホルダ等も含めると相当の種類となる。当社及び岩崎電気もこの状況を十分に把握しており,早急な品種統廃合,さらに他社以上の商品レベルを前提とした全面的な商品の見直しということで検討した結果,セード及びホルダのラインアップを約2年間かけて全面的にリニューアルすることとなった。本商品はその第1弾である。

2.商品概要

2.1 概要

中ワットクラス用セード(SAW415),高ワットクラス用セード(SAW713)はいずれも透明型ランプを推奨し,配光可変形セード用ホルダと組み合わせることにより,一つの反射鏡で3種類の配光を実現させる。また,従来問題となっていた透明型ランプ,特に低ワットランプの装着によって被照射面における照度の明暗差が大きくなるという問題は,反射鏡の形状を見直すことによりクリアされている。

なお,配光制御の要である反射鏡は,三次元CAD,配光シミュレーションソフト及び当社独自の設計及び製造ノウハウを駆使して進めた。特に配光シミュレーションソフトについては,その導入により設計段階で試作反射鏡の性能確認ができるため,大幅な試作時間の短縮及び試作費用の削減が可能となった。

2.2 外観・寸法

器具外観図を図1,図2に示す。

図1 器具外観図(SAW415(Z))

図2 器具外観図(SAW713(Z))

2.3 商品構成

現在,セードの商品ラインアップは中ワットクラスにおいては8種類,高ワットクラスにおいては3種類であるが,今後は品種統廃合により表1のような商品構成となる。適合ホルダはいずれも配光可変形セード用ホルダ(例:O39-005P)である。

品種統廃合による顧客メリットは,従来品よりも,照明率が向上し,B/H(取付間隔)が広くなったことにより,灯数削減が可能となるため,イニシャルコストの削減及び省エネが図れることである。また,本商品がSAN412,SAM412,SAN712の代替となるため価格が安くなり,さらに配光可変形セード用ホルダと組み合わせることで,設置後の配光微調整が可能となった。

一方,当社においては,例えばSAW415の場合,定価設定が一番安いSAW413の代替とすると,成形スピードがほぼ同じであるため,生産性において問題はない。また,従来からあるSAM412,SAN412の生産時に発生する金型交換時間及び大きさや板厚の違う材料を管理する手間等がなくなる。以上のことから品種統廃合による顧客メリット及び製造メリットは非常に大きいものと考えられる。なお,SAW713についても同様である。

表1 商品構成
種別 形式
中ワットクラス SAW415
中ワットクラス(増反射膜仕様) SAW415Z
高ワットクラス SAW713
高ワットクラス(増反射膜仕様) SAW713Z

2.4 仕様

反射鏡は,アルミの成形品で,表面にシリカガラス処理が施してある。なお,増反射膜仕様の商品は内面に増反射膜処理が施されている。質量はSAW415(Z):490g,SAW713(Z):980gである。


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