技術資料

PAZU®・稲作対策用ルーバー - YL1014 -

機器事業部 商品開発部 屋外開発グループ

キーワード

PAZU®,遮光,ルーバー,後方,漏れ光カット,稲作対策

1.はじめに

現在,道路照明において道路灯PAZU®がいろいろな場所に使用されており好評を得ている。しかし,器具後方に出ている漏れ光が,居住者の安眠妨害やプライバシーへの影響,家畜の生理不順,農作物の育成への影響など,問題を起こしてしまう場合がある。すでに後方遮光ルーバー(YL1011;ノーマルタイプ)を商品化し対応をしてきたが,器具からの距離や農作物の種類などの設置条件によって,より厳しい条件が必要になるものがあり,YL1011では対応しきれない場合がある。

このたび顧客からの強い要望により,特に稲作への対策のために,現在の後方遮光ルーバー(YL1011)よりも更に後方への漏れ光をカットすることを目的とした本商品のルーバー(YL1014)を開発したので,その概要を紹介する。

2.商品概要

2.1 外観

本商品のルーバーの外観を図1に,そのルーバーを装着した道路灯PAZU®の外観を図2に示す。

また,従来のノーマルタイプの後方遮光ルーバーと本商品のルーバーの構造・寸法を図3に示す。本商品のルーバーはノーマルタイプに比べ後方だけでなく前方にも遮光板を設けてあり,更に広範囲の光がカットされる。

図1 ルーバーの外観

図2 ルーバーを装着したPAZU®の外観

2.2 仕様

ランプからの熱を考慮し,ルーバー表面に黒色の耐熱塗装を施している。器具がPAZU®の1種であるKSH-2/H7706と光源がNHT180LSの組合せに最適な設計となっている。

3.特徴・機能

今回は,10mの直線ポールとの組み合わせ時に,単灯でポール後方2mの位置で照度を1ℓxにする事を目標とし,設計を行った。

ノーマルタイプの後方遮光ルーバーよりも多くの後方への漏れ光をカットさせる必要がある為,ランプの直射光をカットするだけでは条件を満たすことができず,反射板からの2次反射光もカットすることにより後方への漏れ光を出来るだけカットし前方への影響を極力少なくなるよう開発した。

単灯でYL1011を装着した場合とYL1014を装着した場合の水平面照度分布を図4に示す(設置高さ:10m,器具:H7706,光源:NHT180LS)。YL1014の場合,ポール後方2mの位置での照度は約1ℓxであった。

図3 ルーバーの構造・寸法

図4 水平面照度分布図

4.おわりに

本商品が開発されたことにより,今までよりも照明器具後方に対する漏れ光の条件が厳しい場所にPAZU®を提案できる事になるので,より一層の拡販が見込めると思われる。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第11号掲載記事に基づいて作成しました。
(2004年10月12日入稿)


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