施設報告

関バイパス高架橋 遮音壁照明灯工事

営業本部 西日本営業部 名古屋営業所 技術課

キーワード

関バイパス高架橋,遮音壁,セミプロビーム,グレア低減,漏れ光対策,道路照明器具

1.はじめに

国道1号関バイパス高架橋は,三重県亀山市太岡寺町~同市関町沓掛までの延長7.1kmにわたる中部地方整備局北勢国道事務所が管理する自動車専用道路である。

同バイパスは東名阪自動車道亀山ICを中心に国道25号(名阪国道)・伊勢自動車道,さらには亀山JCTを経由して新名神高速道路と接続する交通の要所であり,バイパス開通により渋滞の緩和が期待されている。

また,同様に三重県のクリスタルバレー構想の中核を担う工業団地「亀山関テクノヒルズ」による交通量増加への対策としても期待されている。

今回の関バイパス高架橋は,Bランプ(18年度)とAランプ(19年度)の2期にわたって照明灯設置工事が行なわれ,騒音対策で設置された遮音壁内には近隣への漏れ光を抑えながら省コストを実現する低位置照明(図1,図2)も合わせ,各比較検討を実施した(平成20年3月供用)。

図1 遮音壁内昼景

図2 遮音壁内夜景

2.照明検討概要

検討条件

平均路面輝度
0.5(cd/m²)以上
総合均斉度
0.4以上
TI値
15%以下

検討器具は,同様な設置を行なう「トンネル照明器具」とし,遮音壁内の灯具割付は運転者への視線誘導効果も期待してカーブ外側からの片側配列を採用し,A・Bランプ各断面において上記設計条件を満足させる為の設置間隔を「(1)建電協型」「(2)広スパン型」「(3)セミプロビーム照明器具」の3機種(図3)にて検討した。(表1)

図3 検討機種

(1) 建電協トンネル照明器具参考図

(KPD070B)

適合ランプ:NHTD70

(2) 広スパン型トンネル照明器具参考図

(KPD070BL)

適合ランプ:NHTD70

(3) セミプロビーム照明器具参考図

(完全非対称配光 遮音壁取付用)

適合ランプ:NHTD70
表1 検討結果一覧

A-A断面
(本線)
B-B断面
(Bランプ)
C-C断面
(Aランプ)
D-D断面
(Aランプ)
ランプ供用時L側 ランプ供用時R側 完成形 ランプ供用時 完成形 ランプ供用時 完成形 ランプ供用時 完成形
建電協型:
KPD070B
取付間隔:S
(m)
16 16 16 16 16 16 16 16 16
平均路面輝度:L
(cd/m²)
0.66 0.68 0.65 0.71 0.66 0.71 0.66 0.71 0.66
総合均斉度:Uo 0.43 0.46 0.44 0.48 0.43 0.48 0.43 0.48 0.43
グレア評価:TI 4.9 3.5 4.8 3.5 4.9 3.5 4.9 3.5 4.9
広スパン型:
KPD070BL
取付間隔:S
(m)
20 20 20 20 20 20 20 20 20
平均路面輝度:L
(cd/m²)
0.62 0.67 0.60 0.52 0.70 0.52 0.70 0.52 0.70
総合均斉度:Uo 0.47 0.44 0.45 0.62 0.42 0.62 0.42 0.62 0.42
グレア評価:TI 19.2 7.8 18.5 10.3 20.1 10.3 20.1 10.3 20.1
セミプロビーム照明器具 取付間隔:S
(m)
24 24 24 24 24 24 24 24 24
平均路面輝度:L
(cd/m²)
0.53 0.64 0.52 0.50 0.54 0.50 0.54 0.50 0.54
総合均斉度:Uo 0.49 0.45 0.48 0.62 0.45 0.62 0.45 0.62 0.45
グレア評価:TI 7.3 9.5 7.5 4.5 6.7 4.5 6.7 4.5 6.7

この結果,灯具設置間隔は「(3)セミプロビーム照明器具」が全断面において最大スパンとなり,その他の各検討項目においても基準値を全てクリアする結果となった。このことより,今回の遮音壁取付照明に使用する器具は,セミプロビーム照明器具が採用された。今回の平面図および器具取付詳細を図4,図5に示す。

設置数量

BランプR部
22台
Bランプ合流部
13台
Aランプ橋梁部
13台
Aランプ土工部
9台

合計57台

図5 照明器具取付断面図


テクニカルレポートに掲載されている内容は、原稿執筆時点の情報です。ご覧の時点では内容変更や取扱い中止などが行われている可能性があるため、あらかじめご了承ください。