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屋内作業場照明

図書館照明

(1)図書館

図書館は、規模や利用形態によってその構成が種々異なったものとなっています。基本的には、書架・閲覧室・貸出しカウンター・検索カードファイル室で構成されますが、最近では、視聴覚室・データー処理室・会議室などを設けたものもあります。図書館の照明は、周囲に気を散らさず“読み書きや“学習"が能率よく行えるとともに、必要な図書が適確かつ迅速に捜せることが要求されます。
また図書館職員に対しては、図書の管理・整理・補修・製本・目録及び索引作成などの作業が、能率よく行えるようにOA機器を導入した図書管理システムを採用した図書館があり、この場合VDT作業を考慮した照明が要求されます。

(2)照明の要件

図書館における主要な視作業は、事務所や学校と同様に本を読むことです。しかしながら図書は、文字の大きなもの、小さなもの、あるいはコントラストの良い新書から、コントラストが悪く見にくい古書まで種々様々です。このため照明は、照明の量が十分であるとともに、照明の質も良くしなければなりません。図書館の照明において考慮すべき基本的な要件は、次に示すようなものがあります。

  • 十分な照度を与えること
  • 影が極力生じないようにすること
  • 光幕反射の軽減を図ること
  • 直接グレア、反射グレアをなくすこと

照度は、JIS照度基準では図書館としての推奨範問を定めていませんが、「表7.24 学校(屋内)の照度基準」の図書閲覧室の値を参考にすればよいでしょう。照明手法は、事務所や学校と類似していますので、図書館の主要場所としで書庫および閲覧室について、以下に紹介します。

(3)書架の照明

書架は、図書館の利用形態の変化に伴い、閉架式から開架式へ移行してきています。このため書架間隔が広くなり、照度も高くなってきています。
書架の照明は、表7.25に示すような方式が代表的です。これらは、各々長所短所がありますので、書架の配置運営及び将来の蔵書数の増大などを考慮して決定する必要があります。また書架の照明は、次に示すような点に留意することが大切です。

表7.25 書架の照明方式

照明方式 特徴
直接照明 平行配列

  • 高照度が得やすく、書架各段毎の照度分布が良い。
  • かげや正反射が起こりやすい。
  • 必要な書架だけの点滅が可能
直角配列

  • 書架間隔の変更に便利
  • かげや正反射の生じる部分が少ない
  • 書架上部の照度分布が悪くなる恐れがある。
格子配列

  • 照明的には平行配列と直角配列の昼間になる。
  • 書架配置の変更に対応しやすい
  • 書架の不規則配列に適応しやすい
間接照明

  • かげや正反射が生じにくい
  • 書架の配置、配列に影響されない。
  • 照明効率が悪い

3.1 書架鉛直面をむらなく照明すること

書架の鉛直面照度は、書架の間隔、照明器具の配光及び取付位置によりますが、一般に下段に対する光の入射角度が大きくなるため、上段と比較してト下段の照度が低くなります。このため、床面の反射率を高くし、反射光を利用するか、または最下段底面に蛍光ランプを配置するなど、下段の照度を補う対策が必要になります。

3.2 光幕反射を防止すること

光沢のある本の背で生じる光幕反射は、目の位置より高い上段が問題になります。これは、目の位置を仮定し、光幕反射が生じない位置に照明器具を配置することが、防止策の基本になります。
しかし、書架間隔と書架の高さが定まっていない場合は、最適な位置に照明器具が配置できない場合が生じます。したがって、天井面を明るくし、天井面と照明器具の輝度対比を小さくするなどの配慮が必要になります。

3.3 影が生じないようにすること

書架に人の頭の影などが生じないように、照明器具の配置には注意が必要です。特に強い影が生じないためには、拡散性の高い光が必要で、蛍光ランプの列配置や格子配置、あるいはHIDランプを用いた間接照明などが適しています。

3.4 直接グレアを防止すること

上段を見上げたとき、図書と同時に光源が視野にはいらないように、照明器具を配置します。遮光角の深い照明器具を用いる場合は、上段の照度が不足しないように留意する必要があります。

(4)閲覧室の照明

図書の閲覧は、ブース式の閲覧机から簡単な椅子まで様々な場所で行われます。最近、閲覧室は、個人のプライバシーを守ること、周囲に気を散らさず能率よく閲覧できることなどを配慮し、机の周囲をパーティションウォールで仕切ったブース式が普及してきています。したがって、ここではブース式の閲覧机の照明に適したタスク・アンド・アンビエント照明を紹介します。

4.1 タスク・アンド・アンビエント照明とは

タスクとは机などの作業対象で、アンビエントとは通路などの周囲環境を指します。タスク・アンド・アンビエント照明とは、作業対象と周辺環境をそれぞれ個別に照明しようとする手法です。図書の閲覧作業では、本格的な場合約1000(ℓx)の高照度が要求されます。しかし高照度が必要なのは、閲覧机でありそれも閲覧作業をしている場合に限られます。それ以外の通路や使用していない机では、必ずしもこのような高照度を必要とはしません。したがって、周辺環境の照度を作業対象の照度の1/3〜1/5程度以上とし、室内全般にわたって照明したのち、机などの作業対象を局部照明器具にて個別に照明し、省電力を図ることが考えられます。この手法を用いることにより、机がパーティションウォールで間仕切られている場合に生じやすいパーティションウォールの影も削除できます。このほか、机のレイアウト変更に対応しやすい、天井空間がすっきりとする、及び照明器具の清掃などの保守作業が容易になる、などの利点が期待できます。

4.2 タスク照明

図7.18 タスク照明の例

タスク照明は、直接グレア、反射グレア、光幕反射及び机上の照度分布を配慮し、適切な照明器具を適切な位置に配置することが必要です。
直接グレアは、光源が直接見えないように光源を遮光することにより防止できます。反射グレア及び光幕反射による図書の見え方の低下は、正反射が生じない位置に配慮することにより防止できます。特に作業者の前方は、反射グレアや光幕反射が生じやすいばかりでなく、直接グレアも生じやすい位置なので、図7.18に示すようにサイドに照明器具を配置することが大切です。

4.3 アンビエント照明

図7.19 アンビエント照明の例

アンビエント照明は、室内の周囲環境がよくわかるようにするための照明です。この照度がタスク照明と比較して低 すぎれば、タスクとアンビエントの輝度対比が大きくなり、視対象の見え方ばかりでなく周囲環境の見え方も低下し、目の疲労の原因になります。したがって、アンビエント照明では最低でも200(ℓx)以上は必要となります。
アンビエントは、低い照度で照度分布を極力良くすることが望まれます。このため、HIDランプを用いた間接照明がよく用いられ、天井の輝度むらを極力少なくすることが望まれます。一方アンビエントとして、一般の天井付器具を用いる方法もありますが、照度分布が悪くならないように、照明器具の配光、取付間隔などを十分に検討することが必要です。

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