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屋内作業場照明

検査照明

検査照明とは、検査対象内の不良箇所を、迅速かつ容易に発見するためのものです。

  • 検査対象:布、プラスチック、鉄、ガラス等検査するものを指す。
  • 検出対象:キズ、ヒビ、アワ等検査対象内に存在する可能性のある不良箇所を指す。
  • 背景:検査対象に近接した周辺

ここでは、次に示す3点から、検査照明方法を分類・整理し、その基本型を示しました。

  1. 光源および照明器具・・・・・・・・・・表7.3
  2. 検査対象・目・光源の位置関係・・・・・図7.3
  3. 検査対象・検出対象の光学的特性・・・・表7.4〜表7.14

検査照明の実施に際しては、照明器具の大きさ・位置・照度レベル等を、周囲環境に応じて、吟味・修正を加える必要があります。また、以下に示す要件も十分に留意すべきです。

  1. 光源の直接グレアを軽減すること。
  2. 反射グレアを軽減すること
  3. 背景のまぶしさを軽減すること。
  4. 光源からの不快な熱反射を軽減すること。

表7.3 光源および照明器具の分類

L1 L2 L3 L4
配光 点(高輝度)光源からの狭角配光 点(高輝度)光源からの広角配光 線(中輝度)光源からの広角配光 面(低輝度)光源からの広角配光

リフレクタランプHIDランプ(クリア)etc. 拡散形反射笠付き白熱電球・HIDランプ、リフレクタ形HIDランプetc. 拡散性のない反射笠付きルーバ・プリズム付蛍光灯etc. 白色プラスチック拡散形パネル付蛍光灯

図7.3 検査対象・目・光源の位置関係A〜L


図7.4

黒い格子を持った平面ALは、高照度(500〜2000(ℓx))で照らされており、その影を検査対象面Asに落とす。
面Asに凹凸等がある場合はその影が歪み、検査対象が明らかとなる。


図7.5

暗い天井面より、格子形に組んだ蛍光灯器具Nで照らし、その影を検査対象面APに落とす。面APに凹凸等がある場合はその影が歪み、検査対象が明らかとなる。


図7.6

面光源ALは、検査対象面Asの全てにその影を落とせる大きさとする。ALをもっとAsに近づけ、傾斜させれば、ALを小さくできる。


図7.7

薄板の検査対象面が高速で動く場合に、引っかき傷等を見つけるための照明である。
背景Aを拡散性の黒とすると、検査対象面は暗く見え、引っかき傷等の検出対象は、動く速度にかかわらず、光と逆方向に反射して目に入るので、発見が容易となる。

図7.8

検査対象面APと、背景Aとの間に弱いコントラストを与えることで、識別の改善を図っている。
検査対象が小さい場合、Aは拡散性で、APと同程度の輝度とする。
検査対象が大きくて、鏡面性が高い場合は、Aと同じ特性の可動マスクMで、分割して検査する。


図7.9

半透明の検査対象面Apに下から光を透過させて、検出対象を探し出す。その時、直接グレアを避けるため、可動性マスクM1、M2を用いて検査しやすいように調節する。


図7.10

観察者に接近して、照明を設置する場合に適した手法である。
光ファイバーを用いて、光を制御し、熱を吸収する。

表7.4 検査対象と検出対象の分類

検査対象 検出対象
表7.5 拡散性が高い場合 拡散性が高い場合
表7.6 鏡面性が高い場合 鏡面性が高い場合
表7.7 鏡面性の検査対象に、鏡面性の表面処理が施されている場合
表7.8 拡散性が高い場合 鏡面性が高い場合
表7.9 拡散性が高く、暗い場合 鏡面性が高い場合
表7.10 鏡面性が高く、明るい場合 拡散性が高い場合
表7.11 鏡面性が高く、暗い場合 拡散性が高い場合
表7.12 鏡面性の高い、半透明の検査対象に、検出対象がある場合
表7.13 透明の検査対象に検出対象がある場合
表7.14 拡散性の背景をもった、透明の検査対象に、検出対象がある場合

表7.5 検査対象・検出対象とも拡散性が高い場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
横から光を入射し、影の部分を強調することで、拡散性の検査対象上のひび割れや傷を目立たせる。 布・織物の傷スリガラス、砂型鋳造、板石、合板等、拡散性表面上のひび割れやひっかき傷 1.検出対象が極小さい場合に適する。
ちょっとしたひっかき傷
ヘアクラック
目のつんだ織物の傷
etc.
L1 Fa、Fb
2.検出対象が大きめの場合に適する。
ひどいひっかき傷
目の荒い織物の傷
etc.
L1
L3
Ca、Cb
Bb、Da、Db
Ga、Gb
紫外線を照射することで、蛍光塗料のついた検出対象を目立たせる。(ブラックライトの使用) ヘアクラック 3.検査対象に蛍光塗料を塗った後でふきとると、検出対象に蛍光塗料が残り、紫外線を受けると蛍光を発する。 L2
L3
Aa
Ab

表7.6 検査対象・検出対象とも鏡面性が高い場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
検査対象に、格子パターンの影を映り込ませることで、鏡面性の検査対象上の凹凸やそりを目立たせる。 金属のプラスチック板のそりや凹凸 1.検査対象が小さい場合に適する。
面光源の大きさは、検査対象とする面のすべてに、器具の影を落とせるように選択する
(図7.6参照)。
L4 E
2.検査対象が大きい場合に適する。
黒い格子の影を反射率の高い検査対象に映り込ませる
(図7.4参照) 。
L1、L2
L3
図7.4
3.検査対象の鏡面性が特に高い場合に適する。
格子状に組まれた蛍光灯照明器具で照らす。
光源が直接見えないようにする
(図7.5参照)。
特殊タイプ 図7.5
暗い検査対象上の検出対象を明るく見せ、そのコントラストを大きくとることで検出対象を目立たせる。 金属、プラスチック、鏡面性の板上のひっかき傷や割れ目・くぼみ 4.実験してみて、適した照明器具の配置を決める。 L3 Ba、Bc
5.高速で動くローラー上の、鏡面性の板を検査対象とする場合に適する。
検査対象からの反射光が、暗い背景Aを照らす
(図7.7参照)。
L1
L2
Ac
図7.7
6.検査対象に正反射するような位置に、照明器具を取付ける。
面光源を大きくとり過ぎると、検出対象(ひっかき傷等)が目立たなくなる。
検査対象が大きい場合は、照明や検査対象を移動させたり、観察方向を変えて検査する。
L4 E
鏡面性または、つやなしの板上のひっかき傷や割れ目・くぼみ 7.検査対象が、光沢のある場合にでも、ない場合にでも適する。
検査対象を均一に照らす。
観察方向および入射角は、検査対象となる面より約30°とする。
L3 Bb

表7.7 鏡面製の検査対象に、鏡面性の表面処理が施されている場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
暗い検査対象上の検出対象を明るく見せ、そのコントラストを大きくとることで、検出対象を目立たせる。 鏡面性の表面処理上の毛孔・混入物・めっきの未仕上部分 1.均一な輝度の光源によって、検査対象を照らす。面光源は、大きすぎないように選ぶ。大きな面光源の場合には、調光し、または必要ならカバーをつける(図7.8参照)。 L4 E
図7.8
下地と仕上表面との色の対比をはっきりさせることで、検出対象を目立たせる。 2.下地と仕上の色のコントラストを最大にするような光色を、実験してみて決める。たとえば、クロムとニッケルを対比させるには、鈍い昼光色で照らす。 L4 E

表7.8 拡散性が高い検査対象に、鏡面性が高い検出対象がある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
検査対象と、検出対象との間のコントラストを大きくとることで、検出対象を目立たせる。 拡散性の紙に書かれた鉛筆の文字明るい色の面に印刷されたプリント基盤 1.観察者の目に反射光が入らないように低輝度の照明器具を配置する。プリント基盤の印刷等における検出対象を明確にさせる必要がある場合は、表7.9を参照する。 L3、L4 Bc、Da
Db

表7.9 拡散性が高く暗い検査対象に、鏡面性が高い検出対象がある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
検査対象と、検出対象との間のコントラスを大きくとることで、検出対象を目立たせる。 未仕上の金属板上にある、あわ・割れ目中程度〜暗い色の面に印刷されたプリント基盤 1.検出対象が暗くて、小さい場合に適する。照明器具の位置は、その時に応じて変える必要がある。 L1、L2 Ab、Bb
2.観察者の目に反射光が入らないように照明器具を配置する。 L3、L4 Bb、E

表7.10 鏡面性が高く明るい検査対象に、拡散性が高い検出対象がある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
検査対象と検出対象との間のコントラストを大きくとることで、検出対象を目立たせる。 鏡面性の金属板上の傷美術印刷上の傷金属計器の目盛盤 1.検査対象に正反射しないように照明器具を配置する。均一な輝度の光源を使用する。検査対象の面上は低輝度とする。あまり大きくない面光源を選ぶ。検査対象が大きい場合は、分割して検査する。検査対象となる面での、入射および観察方向αは、実験してみて決める。(α=約30°)。 L3、L4 Bb、E

表7.11 鏡面性が高く暗い検査対象に、拡散性が高い場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
高照度で検出対象を照らし、暗い検査対象に対して検出対象を目立たせる。 めっき表面の汚れ・ひっかき傷・凹凸 1.検出対象からの反射光が目に入らないようにする。背景はできるだけ暗くする。 L1、L2
L3
Ac、Bc
暗い検査対象上の検出対象を明るく見せ、そのコントラストを大きくとることで検出対象を目立たせる。 鏡面性の表面上の細孔 2.検査対象に正反射しないように照明器具を配置する。均一な輝度の光源を使用する。検査対象の面上は低輝度とする。あまり大きくない面光源を選ぶ。検査対象が大きい場合は、分割して検査する。検査対象となる面での、入射角および観察方向αは、実験してみて決める(α=約30°)。 L4 E

表7.12 鏡面性の高い、半透明の検査対象に、検出対象のある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
半透明の検査対象の裏面から光を透過させ、暗いまたは明るい検出対象を目立たせる。 織物の傷薄い織物の混入物・しみ 1.直接グレアを避ける。面光源に覆いをつけて、検査しやすいように調節する(図7.9参照)。 L3、L4
特殊タイプ
H
図7.9

表7.13 透明の検査対象に検出対象がある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
背景を暗くし、透明な検査対象の下から、観察者に向かって斜めに光を透過させ、検出対象を目立たせる。 透明ガラス板上の汚れ 1.背景Hgは均一で暗いものとする。直接グレアは避ける。 L1、L2
L3
I
検査対象に、格子パターンの影を映り込ませることで、鏡面性の検査対象上の検出対象を目立たせる。 透明ガラス板上の凹凸 2.検査対象の裏面に黒いものを置き、表面を照らす。 L4 E
図7.4
背景を暗くし、検査対象に下から光を透過させて、検出対象を目立たせる。 透明ガラス板のひび・混入物・ひっかき傷 3.背景Hgは、拡散性の黒とする。直接グレアを避けるために、光がもれる箇所にカバーAを取付ける。 L1、L2
特殊タイプ
J
透明液体中の混入物 4.暗い背景に向かって監視する。 L1、L2
L3
I、K
透明ガラスや透明液体の色の差異 5.薄い色(例えばパステルカラー)をつけて、低輝度光源で照らす。色のトーンに大きな差異が生じるような色を、実験してみて決める。色温度6500Kの演色性の良いランプを用いる。 L4
特殊タイプ
H

表7.14 拡散性の背景をもった、透明の検査対象に、検出対象がある場合

手法 解説 器具・光源 位置関係
反射光をできるだけ避ける。 拡散性の紙に書かれた鉛筆文字を、薄膜やガラスを通して見た場合、ガラスの中の計器盤の目盛り 1.間接照明を用いる。 L2、L3 L
2.観察者の目に反射光が入らないように照明する。 Bc、C
D
3.大きな面光源では、低輝度・高輝度で照明する。 L4

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